AOC
fukatsume_izumi
PASTaocrワンドロお題「おにぎり」のSSInterview with...無機質な電子音が聞こえる。
アオキにとっては毎朝変わらない音だが、隣で寝ている客人にとっては耳慣れない音だったようだ。身じろぎしたかと思うと、長く細い腕が布団から伸びる。チリは欠伸をひとつして、開ききらない目でこちらを見た。
「おはようさん」
「おはようございます」
再び大きく伸びをした拍子に、下着を身につけていないチリの胸元が見えそうになる。身体を起こして近くにあったTシャツを手渡すと、言わんとすることを察したのか、チリは黙って袖を通した。
「そんな気にせんでもええのに」
「いえ、自分が気になるので」
寝起きでぼやけていた意識が鮮明になっていくのを感じる。シャツを身につけているチリを見ないように視線を外し、なんとなくドアの辺りを見つめていると、ふと先程の電子音が思い出された。このまま心地よい気怠さに浸っていたい気もするが、あの電子音を放置して良いことはひとつも無い。
2019アオキにとっては毎朝変わらない音だが、隣で寝ている客人にとっては耳慣れない音だったようだ。身じろぎしたかと思うと、長く細い腕が布団から伸びる。チリは欠伸をひとつして、開ききらない目でこちらを見た。
「おはようさん」
「おはようございます」
再び大きく伸びをした拍子に、下着を身につけていないチリの胸元が見えそうになる。身体を起こして近くにあったTシャツを手渡すと、言わんとすることを察したのか、チリは黙って袖を通した。
「そんな気にせんでもええのに」
「いえ、自分が気になるので」
寝起きでぼやけていた意識が鮮明になっていくのを感じる。シャツを身につけているチリを見ないように視線を外し、なんとなくドアの辺りを見つめていると、ふと先程の電子音が思い出された。このまま心地よい気怠さに浸っていたい気もするが、あの電子音を放置して良いことはひとつも無い。