ピカ@rstm
MOURNING【星座パロ】プライド×天秤座寄稿予定でしたが、恐らく日の目を見なさそうなので供養します。
星座のモチーフや神話とラス為キャラを組み合わせたパロディ。元原稿から若干修正しています。
例えば、ヴァルを裁く時。
頭に叩き込んだ法律という基準に従って、プライドは正しい罰をヴァルに提示した。
本来、刑罰を一つに絞るのはプライドの裁量だ。けれど法律上はどちらを選んでも釣り合いが取れるのならそうしたかった。
正義が乗る受け皿に、自分との公平と小さな願いも忍ばせたのは、誰も知らない。
例えば、ジルベールに裁きを委ねられた時。
正式に裁判にかけることはせず、誰にも打ち明けない覚悟はあるかとジルベールに問うた。
永い生を宰相の座に縛りつけることも誓わせて、それでもジルベールならばとプライドは信じられたから。信頼を乗せた天秤はそこでぴたりと釣り合った。
その直前、受け皿を揺らしたのは、天秤にかけることをしなかったジルベールへの懺悔だった。
429頭に叩き込んだ法律という基準に従って、プライドは正しい罰をヴァルに提示した。
本来、刑罰を一つに絞るのはプライドの裁量だ。けれど法律上はどちらを選んでも釣り合いが取れるのならそうしたかった。
正義が乗る受け皿に、自分との公平と小さな願いも忍ばせたのは、誰も知らない。
例えば、ジルベールに裁きを委ねられた時。
正式に裁判にかけることはせず、誰にも打ち明けない覚悟はあるかとジルベールに問うた。
永い生を宰相の座に縛りつけることも誓わせて、それでもジルベールならばとプライドは信じられたから。信頼を乗せた天秤はそこでぴたりと釣り合った。
その直前、受け皿を揺らしたのは、天秤にかけることをしなかったジルベールへの懺悔だった。
ピカ@rstm
MOURNING『アイビーを抱いて』のステイル視点とプライド様視点の没差分。こちらの方が救いがあります。当社比。本よりもメリバ寄り。
初めは温かさを感じているこちらで進めてましたが、夢は夢だなぁ……と変更しました。
心の求めるままに手を伸ばして――投げ出されたプライドの左手首を掴んだ。
ようやく捉えた体温は、泣きそうになるほど温かい。
何十回と伝えた言葉だ。そして、この先何百回と伝えたかった言葉だった。
もうこれが、最後の一回。
「傍に、います」
今度こそ届いたステイルの声に、プライドがほんの少し手首を見るような仕草をした。風に煽られた髪の下は影が深く落ち、その表情は終ぞ見えなかったけれど。
届いたのなら。傍にいられるのなら。それでもかまわないと、ステイルはプライドをかき抱いた。
***
星空へも別れを告げるように目を閉じた。
どうしてか、ほんの少しだけ左手首が温かく感じたけれど。
きっと、そんなの、気のせいだろう。
309ようやく捉えた体温は、泣きそうになるほど温かい。
何十回と伝えた言葉だ。そして、この先何百回と伝えたかった言葉だった。
もうこれが、最後の一回。
「傍に、います」
今度こそ届いたステイルの声に、プライドがほんの少し手首を見るような仕草をした。風に煽られた髪の下は影が深く落ち、その表情は終ぞ見えなかったけれど。
届いたのなら。傍にいられるのなら。それでもかまわないと、ステイルはプライドをかき抱いた。
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星空へも別れを告げるように目を閉じた。
どうしてか、ほんの少しだけ左手首が温かく感じたけれど。
きっと、そんなの、気のせいだろう。