cue(久屋商会)
DONE黒鷲おたおめ~!誕生日を祝われる社畜の話を書きました。※プレイヤーの外見は本家動画より
シャイニキ黒鷲/変わりゆくもの、変わらないもの雑踏にひっそりと咲く花のような、地味だが小綺麗な服に身を包んだ女性だった。華奢な縁無し眼鏡越しに、怯えたような水色の瞳が私を見上げる。少し震えた声で彼女は尋ねてきた。
「すみません、お仕事中でしょうか」
「そうだが」
「少しだけ、よろしいですか」
「仕事中だ」
「……少しだけでいいので」
「…………」
紅葉した街路樹を見上げる。ラダンの高層ビル街の中でも目を引く、燃えるような赤。カエデの葉が一枚、風に吹かれて落ちてきた。
「綺麗ですよね。肌寒さから少し寂しい気持ちになるけれど。わたし、秋が一番好き」
言葉の端々から水彩画のように滲み出る色香。まるで公衆の面前で「人肌恋しい」と言われているようだった。
たかが落ち葉だろうと思っていたが、あまりにきらきらした目で地面を見つめるのが気になり、かがんで落ち葉を拾い上げた。かさついて少し欠けた葉に物悲しさを感じる。まじまじと見ることもなかったが、確かに悪くない。
3542「すみません、お仕事中でしょうか」
「そうだが」
「少しだけ、よろしいですか」
「仕事中だ」
「……少しだけでいいので」
「…………」
紅葉した街路樹を見上げる。ラダンの高層ビル街の中でも目を引く、燃えるような赤。カエデの葉が一枚、風に吹かれて落ちてきた。
「綺麗ですよね。肌寒さから少し寂しい気持ちになるけれど。わたし、秋が一番好き」
言葉の端々から水彩画のように滲み出る色香。まるで公衆の面前で「人肌恋しい」と言われているようだった。
たかが落ち葉だろうと思っていたが、あまりにきらきらした目で地面を見つめるのが気になり、かがんで落ち葉を拾い上げた。かさついて少し欠けた葉に物悲しさを感じる。まじまじと見ることもなかったが、確かに悪くない。