izayoi601
DONE呉11章でそうきゅうくんが騙されていなかったという事実に、影で青じょしょどのが関係しているのではないかと勘繰らずには居られなかった庶休の話。6章で友人関係を築いたのが此処で効いていたら良い…アプリでは二人の未来が切り拓かれている妄想が止まりませんでした。少しだけまんちょうどのも。もし宜しければ。拓かれた道へ「ありがとう、徐庶殿」
本来ならば占領されたかもしれないというのに、石亭には驚くほど平穏な静寂が訪れていた。包み込む蒼天の星々を見つめれば、隣からの真っ直ぐな声に漸く張り詰めた糸が緩む。
「……それは、此方こそだよ……君が俺の言を受け入れてくれて、従ってくれたからだ」
周魴の書簡は、曹休殿を信じ込ませるには充分な代物だった。しかし俺には、どうしても違和感が拭えない。進軍の時期、彼の性格を熟知しこれでもかと情に訴えた内容。呉には今も優秀な軍師が居るだろう、『完璧』過ぎる程に。俺自身も、手紙で此処に来ざるを得なかった記憶が甦ってしまう。
「最初は驚いたな、俺にやり遂げられるかも解らなかったが……」
此処まで書いてくれているのに何故疑うのか、と予想通りに聞かれたが必死に騙された振りをする様説得した。背に腹も代えられず、自らが魏軍になった経緯を話せば驚愕の瞳で見詰められても。
1589本来ならば占領されたかもしれないというのに、石亭には驚くほど平穏な静寂が訪れていた。包み込む蒼天の星々を見つめれば、隣からの真っ直ぐな声に漸く張り詰めた糸が緩む。
「……それは、此方こそだよ……君が俺の言を受け入れてくれて、従ってくれたからだ」
周魴の書簡は、曹休殿を信じ込ませるには充分な代物だった。しかし俺には、どうしても違和感が拭えない。進軍の時期、彼の性格を熟知しこれでもかと情に訴えた内容。呉には今も優秀な軍師が居るだろう、『完璧』過ぎる程に。俺自身も、手紙で此処に来ざるを得なかった記憶が甦ってしまう。
「最初は驚いたな、俺にやり遂げられるかも解らなかったが……」
此処まで書いてくれているのに何故疑うのか、と予想通りに聞かれたが必死に騙された振りをする様説得した。背に腹も代えられず、自らが魏軍になった経緯を話せば驚愕の瞳で見詰められても。
izayoi601
DONEアプリ6章後の庶休です。荀攸殿と会話したり、都合良く捏造された妄想の塊。その後の青庶への理想が詰まった話になってしまいました。まだ友の感情にしか気付いていない曹休殿と、友よりもっと違う感情の徐庶殿が少しずつ共に道を歩んで欲しい。本で現パロ妄想を満たしたので、候補だった三国時代は此方にあげておきます。もし宜しければ。新たな土地で「はぁ……」
城下を離れ、水音だけが響く木陰でやっと気が休まる。
赤壁の大敗から、一月。とはいえ正直、勝敗に興味は無かった。ただ何故か城下に行くと、目立たない筈の俺を見つめてくる民が増えている。しかも酒を頼めば摘みを付けてくれたり、買い物をすれば妙に笑顔で接してくれる店主も現れ目線を合わせられない。被るだけでは足りず、顔を布で覆いたくなる。俺は、何をしでかしたのだろう。いや、素性を隠し打診も断る様な人間に悪い噂が立たない筈は無いか。それでも、俺は決めたんだ。川面に垂らした糸を眺め、靄の掛かる脳裏を整理していた時。
「……釣れますか」
ふと響いた冷静な声に驚き、飛び退いてしまった。
「うわっ」
「えっ、あ……申し訳無い」
4051城下を離れ、水音だけが響く木陰でやっと気が休まる。
赤壁の大敗から、一月。とはいえ正直、勝敗に興味は無かった。ただ何故か城下に行くと、目立たない筈の俺を見つめてくる民が増えている。しかも酒を頼めば摘みを付けてくれたり、買い物をすれば妙に笑顔で接してくれる店主も現れ目線を合わせられない。被るだけでは足りず、顔を布で覆いたくなる。俺は、何をしでかしたのだろう。いや、素性を隠し打診も断る様な人間に悪い噂が立たない筈は無いか。それでも、俺は決めたんだ。川面に垂らした糸を眺め、靄の掛かる脳裏を整理していた時。
「……釣れますか」
ふと響いた冷静な声に驚き、飛び退いてしまった。
「うわっ」
「えっ、あ……申し訳無い」