りん🐱
PROGRESS雑高大前提の怪異×高坂導入部分のみ
このあとめくるめくすけべの段になります
後ろの正面だぁれ「高坂さん、山法師の噂ってご存知ですか?」
任務の待機中、やたら大きく赤い月を眺める諸泉が、突如思い出したように高坂へ問う。
山法師とは、桜が散る頃に満開を迎える樹木だ。
十字の手裏剣のような形の白い花を咲かせるが、正しくは花びらではなく総苞片 、つまりガクの部分が変化したものらしい。ふと、幼い頃の甘く懐かしい記憶が蘇る。
『ははうえ見てください、あそこにきれいな花が』
『ふふ、あれはお花に見えますが本当は違うのですよ。まるで忍びの擬態のようですね』
『しのび…とてもりっぱで、まるでちちうえみたいです!』
うんと幼い頃、母に手を引かれ山へ入ったことがある。
繋いだ手のぬくもりや、優しく微笑む母、山全体を包む生命力溢れる新緑の匂い…ついこの間のことのように鮮明に思い出せるのは、自ら離れることを決意した敬愛する家族との、数少ない大切な思い出だからだ。
1380任務の待機中、やたら大きく赤い月を眺める諸泉が、突如思い出したように高坂へ問う。
山法師とは、桜が散る頃に満開を迎える樹木だ。
十字の手裏剣のような形の白い花を咲かせるが、正しくは花びらではなく総苞片 、つまりガクの部分が変化したものらしい。ふと、幼い頃の甘く懐かしい記憶が蘇る。
『ははうえ見てください、あそこにきれいな花が』
『ふふ、あれはお花に見えますが本当は違うのですよ。まるで忍びの擬態のようですね』
『しのび…とてもりっぱで、まるでちちうえみたいです!』
うんと幼い頃、母に手を引かれ山へ入ったことがある。
繋いだ手のぬくもりや、優しく微笑む母、山全体を包む生命力溢れる新緑の匂い…ついこの間のことのように鮮明に思い出せるのは、自ら離れることを決意した敬愛する家族との、数少ない大切な思い出だからだ。