Ugaki_shuuu
DOODLE【なんとなく再掲】こばかぶ。ポッキー小説改訂版。ふせったーの方ごと直してしまったので、どちらも同じバージョンになっています。ポッキーの日にギリギリ間に合わせるためだけに書いた2時間クオリティSSなので期待しないでいただけると幸いです(逃げ腰)ふとした呟きにいいねしてくださった方々に捧ぐ!
おかげで向こう半年間ネタにされ続けた事務所に戻ると、そこはポッキーパーティー会場だった。
「……お前ら、何やってんの」
テーブルを囲んでいるのは、三人の男たち。ピンクに、黄色に、それからベージュ色の頭。天羽組の若手の舎弟たちである。
小峠の帰所に気づいた若手どもは、まずは真面目な顔で口を揃えて「小峠の兄貴、おかえりなさいませ」と言う。それからパッといい笑顔を浮かべて、
「今日は、ポッキー&プリッツの日です!」
と続けた。なんでも11月11日の1が4つ揃った形がポッキーやプリッツなどのスティック状菓子と並んでいることから、この日がポッキー&プリッツの記念日なのだそうだ。
「一般社団法人日本記念日協会にも認められている、立派な日本の記念日なんですよ!」
3740「……お前ら、何やってんの」
テーブルを囲んでいるのは、三人の男たち。ピンクに、黄色に、それからベージュ色の頭。天羽組の若手の舎弟たちである。
小峠の帰所に気づいた若手どもは、まずは真面目な顔で口を揃えて「小峠の兄貴、おかえりなさいませ」と言う。それからパッといい笑顔を浮かべて、
「今日は、ポッキー&プリッツの日です!」
と続けた。なんでも11月11日の1が4つ揃った形がポッキーやプリッツなどのスティック状菓子と並んでいることから、この日がポッキー&プリッツの記念日なのだそうだ。
「一般社団法人日本記念日協会にも認められている、立派な日本の記念日なんですよ!」
Ugaki_shuuu
MOURNINGTwitterに上げてたものを推敲したりいじったりしたもの。①と対になっています。後朝です。猫のような男たち②カブトが俺に背を向けて眠っている。
すぅ、すぅ、というゆっくりとした呼吸音とともに、はだかの背中が膨らんだり、萎んだりしている。背中に彫られた登り鯉が、ゆっくりと動いて、まるで生きているかのようだ。実際何度も膾になりかけながらも、この鯉は決して、死ぬことはなかった。傷つけられ、痛めつけられ、ひどい荒波に揉まれながらも、鯉はやがて滝を遡り、そして龍となるのだろう。
カブトの背中の傷に手を這わす。そこだけ触感の異なる、ボコボコとした皮膚。少し熱を帯び、しっとりと湿っているのは、昨夜の名残りか。シーツの波間に溺れさせられて、淡水魚の鯉は、さぞかし苦しい思いをしたことだろう。
背中を何度も撫ぜられても、鯉の飼い主は全く起きる気配がない。そうなると、なんだか無性にこちらを振り向かせてやりたくなる。背中の傷痕にかるく爪を立てて、猫の爪とぎのように引っ掻いてやる。と、擽ったかったのか、相手はすこし身動いだ。が、それでもやっぱり、起きることはない。
1728すぅ、すぅ、というゆっくりとした呼吸音とともに、はだかの背中が膨らんだり、萎んだりしている。背中に彫られた登り鯉が、ゆっくりと動いて、まるで生きているかのようだ。実際何度も膾になりかけながらも、この鯉は決して、死ぬことはなかった。傷つけられ、痛めつけられ、ひどい荒波に揉まれながらも、鯉はやがて滝を遡り、そして龍となるのだろう。
カブトの背中の傷に手を這わす。そこだけ触感の異なる、ボコボコとした皮膚。少し熱を帯び、しっとりと湿っているのは、昨夜の名残りか。シーツの波間に溺れさせられて、淡水魚の鯉は、さぞかし苦しい思いをしたことだろう。
背中を何度も撫ぜられても、鯉の飼い主は全く起きる気配がない。そうなると、なんだか無性にこちらを振り向かせてやりたくなる。背中の傷痕にかるく爪を立てて、猫の爪とぎのように引っ掻いてやる。と、擽ったかったのか、相手はすこし身動いだ。が、それでもやっぱり、起きることはない。
Ugaki_shuuu
MOURNINGTwitterにあげてたものを推敲してちょっといじったりしたもの。きぬぎぬです。エロくはない、多分……猫のような男たち①ペロ、と、肩の後ろ側を舐められて目が醒めた。
柔らかな唇が、優しく肉を食む。唇でやわやわとはさまれて、ちゅ、ちゅ、と、吸い付かれる。時々軽く歯を立てて、滑らせるように甘噛される。
ごつごつとした大きな手は、俺の腹の傷のところを撫ぜている。べつに、労っているわけではないように思う。ただそこに皮膚の他の部分とは違う凸凹があるから、その皮膚と別の平らな部分の感触の違いを楽しんでいるのだ。やらしい触り方ではない。探究心旺盛な子供が、飽きるまで同じことを繰り返しているような。
まるで、母猫の乳を吸いたがる子猫のようだな、と思う。子猫はとても執念深い。自分の食欲が満たされるまで、執拗に母猫の乳をまさぐり吸いつづける。俺はそんな母猫の苦労を思いながら、己を後ろから抱き込むようにして褥に横たわっている。ただ、相手のするがままに、その行動に身を任せている。
1140柔らかな唇が、優しく肉を食む。唇でやわやわとはさまれて、ちゅ、ちゅ、と、吸い付かれる。時々軽く歯を立てて、滑らせるように甘噛される。
ごつごつとした大きな手は、俺の腹の傷のところを撫ぜている。べつに、労っているわけではないように思う。ただそこに皮膚の他の部分とは違う凸凹があるから、その皮膚と別の平らな部分の感触の違いを楽しんでいるのだ。やらしい触り方ではない。探究心旺盛な子供が、飽きるまで同じことを繰り返しているような。
まるで、母猫の乳を吸いたがる子猫のようだな、と思う。子猫はとても執念深い。自分の食欲が満たされるまで、執拗に母猫の乳をまさぐり吸いつづける。俺はそんな母猫の苦労を思いながら、己を後ろから抱き込むようにして褥に横たわっている。ただ、相手のするがままに、その行動に身を任せている。