umeno0420
DONE生者の為にこそ在れ21人殺して、21で死んで、僕は物語に為った。
枯れた供花。廃れた御伽話。擦り切れた毛布。
全てがすべて、生きとし生けるもののために。
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さて、砂嵐である。
僕が意識を取り戻しすと、そこは荒野であった。しかも間の悪いことに砂嵐の気配がする。だからまあ、こんなことわざわざ考えるまでもないんだけど、マスターと分断されたみたいだ。おかしいな。一瞬前まで戦間期の西欧の墓地にレイシフトしていたはずなんだけど。ああでも、今回の敵は幻覚を使う可能性があると聞かされていたっけ。それじゃあ考えたって仕方ない。なんて、僕も魔術とかいう神秘主義に随分と毒されてしまったものだ。
そう。僕はもう、後手に回されている。もはや意味のない呼吸を意識して行う。幸い今回は僕以外にもサーヴァントは同行している。それこそ魔術に明るいヒトもいた。だから、逸るな。意識して、息を止める。肋の浮いた犬のように駆けて、いたずらに投石で殺されたくなければ、機を伺え。息を吐く。どうせ僕には、ひとりで戦況を変える力もないのだから。意識して、息を、吐く。
4499枯れた供花。廃れた御伽話。擦り切れた毛布。
全てがすべて、生きとし生けるもののために。
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さて、砂嵐である。
僕が意識を取り戻しすと、そこは荒野であった。しかも間の悪いことに砂嵐の気配がする。だからまあ、こんなことわざわざ考えるまでもないんだけど、マスターと分断されたみたいだ。おかしいな。一瞬前まで戦間期の西欧の墓地にレイシフトしていたはずなんだけど。ああでも、今回の敵は幻覚を使う可能性があると聞かされていたっけ。それじゃあ考えたって仕方ない。なんて、僕も魔術とかいう神秘主義に随分と毒されてしまったものだ。
そう。僕はもう、後手に回されている。もはや意味のない呼吸を意識して行う。幸い今回は僕以外にもサーヴァントは同行している。それこそ魔術に明るいヒトもいた。だから、逸るな。意識して、息を止める。肋の浮いた犬のように駆けて、いたずらに投石で殺されたくなければ、機を伺え。息を吐く。どうせ僕には、ひとりで戦況を変える力もないのだから。意識して、息を、吐く。