泡沫実践
DONEデカラビアとソロモン。死と名前。つまり perversion ということです。
デカラビアイベント前後編、Bデキャラストの内容を含みます。
成立しない永遠問答と不老不死スカウト(ではない)。かわいい子には永遠をさせろって言うでしょう?
永遠、寂しさを知れ話がしたいと誘ったのは今朝。へえ、と嘲る仕草で片眉をあげ、薄笑いを浮かべる仕草は彼流の了承を示す合図であると、幾らかの経験でソロモンは既に承知していた。思案の慰め、微笑を彩るため頰に添えていた指を離し、デカラビアはソロモンの腕に手を伸ばす。深い、大地のいろをした皮膚に刻まれた魔紋を黒の指がなぞる。陽が沈む頃に逢いに行く。擽ったさに身を震わせるソロモンの肩を乱雑に圧えると、踵をくんとあげ、言葉を直接流しこむよう耳許で声を囁いた。
昨日がそうであった通りに今日も太陽は正しい軌道を逸脱せず、約束の通りに夕暮れが訪れた。私室に設けられた、広い、おおきな窓から空を眺める。常であれば夜空や青空、仲間の声響く景色を部屋の主にみせるその窓も、いまは橙と、静謐とに染まっている。じりじりと身を震わせる太陽、昼と夜が手を取りあい、互いの揺らぎを重ねる泡沫の時間。夕焼けは明るく、暗く、何もかもを包みこむ橙、世界が揃いのいろになる。薄らぐ、甘い受容を許される、揺るがされた実在は肌を合わせるより簡単に姿を迷わせる。外を映し出す窓は焔の入口へと自らの役割を変え、おおきな太陽を歓迎していた。
10251昨日がそうであった通りに今日も太陽は正しい軌道を逸脱せず、約束の通りに夕暮れが訪れた。私室に設けられた、広い、おおきな窓から空を眺める。常であれば夜空や青空、仲間の声響く景色を部屋の主にみせるその窓も、いまは橙と、静謐とに染まっている。じりじりと身を震わせる太陽、昼と夜が手を取りあい、互いの揺らぎを重ねる泡沫の時間。夕焼けは明るく、暗く、何もかもを包みこむ橙、世界が揃いのいろになる。薄らぐ、甘い受容を許される、揺るがされた実在は肌を合わせるより簡単に姿を迷わせる。外を映し出す窓は焔の入口へと自らの役割を変え、おおきな太陽を歓迎していた。
泡沫実践
DONEデカラビアとソロモン。愛と文字。つまり 永遠、寂しさを知れ ということ!
デカラビアイベント前後編、Bデキャラストの内容を含みます。
perversionPerversion
地理書を抱えた軀がぴたりと止まる。図書室の机に突伏し、男は無防備に眠っていた。後ろの書棚から本を引き抜く音が聞こえる。誰かと共に此処へ来たのだろう。立ち去る前に間抜けな寝顔でもみてやろうかと、静かに、そうっと前髪に触れた。
露わになった額の、微かに険を帯びた眉根を撫でながら、この男が王になればいいのに、と思う。うつくしい魂を持っている。誇り高い生き方をえらんだ闘う者。この男を王にしてやりたいし、この男を王にするのだと決めている。追放メギドたちをまとめる軍団の長だけでなく、もっと。この大地で、ヴァイガルドで、ヴィータを導き示すヴィータの王にするのだ。描く、ひろがる己の野望にデカラビアは頰を緩めた。当然、勝手に決めたことである。
19451地理書を抱えた軀がぴたりと止まる。図書室の机に突伏し、男は無防備に眠っていた。後ろの書棚から本を引き抜く音が聞こえる。誰かと共に此処へ来たのだろう。立ち去る前に間抜けな寝顔でもみてやろうかと、静かに、そうっと前髪に触れた。
露わになった額の、微かに険を帯びた眉根を撫でながら、この男が王になればいいのに、と思う。うつくしい魂を持っている。誇り高い生き方をえらんだ闘う者。この男を王にしてやりたいし、この男を王にするのだと決めている。追放メギドたちをまとめる軍団の長だけでなく、もっと。この大地で、ヴァイガルドで、ヴィータを導き示すヴィータの王にするのだ。描く、ひろがる己の野望にデカラビアは頰を緩めた。当然、勝手に決めたことである。