L5XU2BQpn8sTSCA
DONE血ハロ直後に、泣けない、泣いちゃいけないマイキーくんとドラケンくんに寄り添うエマちゃんの話。⚠︎血ハロ後捏造
⚠︎距離感バグ佐野兄妹
愛を手渡す柔らかな手で 嫌な予感がしていた。
マイキーがかなり前から隠そうと努めていたピリピリした雰囲気をついに隠さなかったから。学校の行き帰りについて心配されたから。マイキーの目が何かを迷っていたから。
「大丈夫だよ。マイキーなら」
いつもは寝ぼけているくせに、今日に限って眉間に皺を寄せて怖い顔をしていて、どうにかして取れないかなと指先で伸ばしてみた。
お気に入りのタオルケットを持っていない両手が、背中に回る。
「どうしたの?」
寝癖だらけの頭を撫でても返事はない。
「帰ってきたらお菓子いっぱい食べよ。今日はハロウィンだよ」
「……うん」
か細い声が返ってきて安心して離れたが、マイキーはなぜかエマのエプロンの裾を弱々しく摘んで、エマの後を追って歩いた。料理がしづらいったらありゃしない。
4956マイキーがかなり前から隠そうと努めていたピリピリした雰囲気をついに隠さなかったから。学校の行き帰りについて心配されたから。マイキーの目が何かを迷っていたから。
「大丈夫だよ。マイキーなら」
いつもは寝ぼけているくせに、今日に限って眉間に皺を寄せて怖い顔をしていて、どうにかして取れないかなと指先で伸ばしてみた。
お気に入りのタオルケットを持っていない両手が、背中に回る。
「どうしたの?」
寝癖だらけの頭を撫でても返事はない。
「帰ってきたらお菓子いっぱい食べよ。今日はハロウィンだよ」
「……うん」
か細い声が返ってきて安心して離れたが、マイキーはなぜかエマのエプロンの裾を弱々しく摘んで、エマの後を追って歩いた。料理がしづらいったらありゃしない。
L5XU2BQpn8sTSCA
PROGRESS傘っこの猫かわいいよね完成したのは支部→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18997511
梵天マイキーと猫のエマクリスマス寒波の影響で、東京も雪がちらついていた。外は色とりどりに彩られて、恋人たちや家族がはしゃいでいるのが見なくてもわかる。
そんな中、不健康な顔をした白髪の青年が1人で歩いていた。関東一帯の裏社会を牛耳る反社会組織梵天の頭、佐野万次郎だ。
すれ違う人々はそんな脅威のトップの顔なんて知らないため気にもとめない。
キラキラと輝く世界で、彼だけがモノクロだった。
雪なんて降らなければいい。雪が降ると思い出してしまうから。
数年前、そろそろ10年にもなろうか。2月22日、佐野万次郎は最愛の1人をその背中で失った。そして、もう1人の家族も。その日の夜は雪が降り、兄になれたはずの彼から溢れる鮮血の中に溶けていく様をよく覚えている。失ったものを思い出すのは、どうしようもなく哀しい。
2543そんな中、不健康な顔をした白髪の青年が1人で歩いていた。関東一帯の裏社会を牛耳る反社会組織梵天の頭、佐野万次郎だ。
すれ違う人々はそんな脅威のトップの顔なんて知らないため気にもとめない。
キラキラと輝く世界で、彼だけがモノクロだった。
雪なんて降らなければいい。雪が降ると思い出してしまうから。
数年前、そろそろ10年にもなろうか。2月22日、佐野万次郎は最愛の1人をその背中で失った。そして、もう1人の家族も。その日の夜は雪が降り、兄になれたはずの彼から溢れる鮮血の中に溶けていく様をよく覚えている。失ったものを思い出すのは、どうしようもなく哀しい。