とりっこ
DONE8月5日は隼號の日2 展示作品お互いの服を着て揉めてるような揉めてないような二人の緩い生活の話
La dolce vita その一
視線を上げて目に入る姿に、ふと違和感を覚える。
(なんだ?)
何かが引っかかるが、原因がわからない。
一見するとそれは、いつもと変わりのない光景のように思えた。
数日前からの天気予報通り、外は激しい雨が降っているのでカーテンを開けていても室内は暗く、この時間でも灯りを点けないと手元がよく見えない。
その日は、いつ以来だったか記憶にないほど久しぶりとなる丸一日の隼人の休日だった。思いのほか一緒に出掛けることを楽しみにしていたらしい號は、雨が止まないものかとカーテンを握り締めしばらく外を眺めていたが、あーあ、と大きく声を上げるとばさりと乱暴に閉めてしまった。
「どうした」
「これじゃ出掛けんのなんか、無理じゃん」
3603視線を上げて目に入る姿に、ふと違和感を覚える。
(なんだ?)
何かが引っかかるが、原因がわからない。
一見するとそれは、いつもと変わりのない光景のように思えた。
数日前からの天気予報通り、外は激しい雨が降っているのでカーテンを開けていても室内は暗く、この時間でも灯りを点けないと手元がよく見えない。
その日は、いつ以来だったか記憶にないほど久しぶりとなる丸一日の隼人の休日だった。思いのほか一緒に出掛けることを楽しみにしていたらしい號は、雨が止まないものかとカーテンを握り締めしばらく外を眺めていたが、あーあ、と大きく声を上げるとばさりと乱暴に閉めてしまった。
「どうした」
「これじゃ出掛けんのなんか、無理じゃん」