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    #隠し刀

    zeppei27

    DONE企画2本目、うさりさんよりいただいたご指名の龍馬で、『匂いを嗅ぐ』です。龍馬は湯屋に行かないのでなんというか……濃そうだな、などと具体的に想像してしまいました。香水をつけていることもあり、変化を楽しめる相手だと思います。
     リクエストありがとうございました!
    聞香 千葉道場の帰り道は常に足取りが重い。それなりに鍛えている方だが、疲労は蓄積するものなのだと隠し刀は己の限界を実感していた。所詮は人の身である。男谷道場も講武館も、秘密の忍者屋敷もすいすいとこなしたところで、回を重ねれば疲れるのも道理だ。
     が、千葉道場は中でも格別であった。理由の一つは毎度千葉佐那が突撃してくることで、一度は勝負しないと承知してくれない。そうでもなければ、「私に会いに来てくださったのではないですか」などとしおらしい物言いをされるので弱ってしまう。健気な少女を健全に支えたつもりが、妙な逆ねじを食わされている形だ。
     佐那だけならばまだ良い。性懲りもなく絡んでくる清河八郎もまあ、どうにかなる。問題は最後の一つで、佐那が坂本龍馬と自分との手合わせを観たいとせがむところにあった。彼女は元々龍馬と浅からぬ因縁があり、ずるい男は逃げ回るばかりで年貢を納めようとしない。その癖、隠し刀の太刀筋が観たいだのなんだの言いながら道場までついてくる。佐那は龍馬と手合わせできないのであれば、二人が戦う様を観たいと譲歩してくれるというのが一連の流れだ。
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    zeppei27

    DONE企画1本目、ハレさんよりいただいたご指名の桂さんで、『ネクタイいじり』です。洋装がある人に当たったピッタリ具合にニコニコしました。靴紐結びも良い~ですが、命の危険性があるネクタイが一番好きです。蝶ネクタイ以外も色々おしゃれを楽しむ姿を……見たいよ!
     ネクタイが前からではなく後ろからしているのも込みで趣味です。
     リクエストありがとうございました!
    戯れ 朝の支度は煩わしい。新政府が立ち上がってからというもの、ただでさえ目まぐるしい職務の始まりに、桂小五郎もとい木戸孝允は今日も翻弄されていた。顔を洗って寝間着を脱ぐ。ここまでは宜しい。
     しかし、幼少期から慣れ親しんだ旧時代を置いてしまうと、途端に心もとなくなる。シャツ、靴下止めに靴下、ズボン、ズボン吊り、ベスト、ああ全くどうしてこんなにも身に着けるものが多いのだろう。小道具まで揃えると煩わしさは頂点に達する。
    「おはよう。どうだ、順調か」
    「おはよう。わかるだろう?恥ずかしながらこの体たらくだ」
    するりと入り込んだ声に自室の戸口を見れば、苦楽を共にした隠し刀が顔を覗かせていた。昨晩まで同じ褥に入って暴れまわったというのに、方や前途多難、方や完璧に身なりを整えているとはどういうことだろう。思えば情人は、奇兵隊の影響を受けて出会って早々に洋装に切り替えていた。おまけに手先がひどく器用で、小五郎はしばしば髪結いなども手伝ってもらったものである。
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