Youyu🐾
DOODLE偏屈探偵と午後のひととき[第四話]自ら率先して歩いていたオリビアは、自分がバジル達の眼中に無い事に気付き、なんとか見てもらおうと得意の構ってちゃんをした。「ねーバジルーバジルーバージールってばわたしもう疲れたーおんぶしてー」
バジルはピクリと眉を動かし、オリビアを睨み付けた。「何故僕が君をおんぶしなきゃいけないんだ?まず、僕がミス・フレームシャロンをおんぶする事で発生するメリットを教えてくれないかい? メリット?無いだろう?本音で言えば僕は今とても疲れているんだ。出来る事なら、君なんかをおんぶして、体力を消耗したく無いね。」バジルはそう言い、目を閉じそっぽを向いた。頑なにオリビアをおんぶしたく無い様子だ。ドーソンが「じゃぁ、私が代わりにおんぶしようか?」と言おうとした時、オリビアは「おねがーい」とキラキラお目めで、バジルに懇願した。
1208バジルはピクリと眉を動かし、オリビアを睨み付けた。「何故僕が君をおんぶしなきゃいけないんだ?まず、僕がミス・フレームシャロンをおんぶする事で発生するメリットを教えてくれないかい? メリット?無いだろう?本音で言えば僕は今とても疲れているんだ。出来る事なら、君なんかをおんぶして、体力を消耗したく無いね。」バジルはそう言い、目を閉じそっぽを向いた。頑なにオリビアをおんぶしたく無い様子だ。ドーソンが「じゃぁ、私が代わりにおんぶしようか?」と言おうとした時、オリビアは「おねがーい」とキラキラお目めで、バジルに懇願した。
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DOODLE偏屈探偵と午後のひととき[第三話]「とても大きな鞄だな、ミス・フラムスティー。なるほど、ドクターズバッグか‥その鞄の中身は一体何だい?」バジルはパイプを片手に、席を立ち、目を細め、背を曲げて、鞄をまじまじと見た後、背筋を伸ばし、鞄を持ったオリビアに尋ねる。ドーソンも席から立ち上がり、自分なりに鞄を観察する。「ふふんまぁ、二人共、あまりの嬉しさで、思わず飛び上がらないで頂戴ね」オリビアはニンマリ顔になり、鞄をポンポンと二度叩き、鞄を開けようとし、「あそうだ二人共、わたしが良いよと言うまで、目を閉じてて頂戴ね絶対よ」オリビアはバジルとドーソンに目を閉じる様に言った。「あぁ、分かったそれじゃぁ今から、目を閉じるね。」ドーソンはすんなりとオリビアの要望に答えた。「何故目を閉じなければならない?別に閉じなくても良いだろう?ははん、さてはミス・フラワージャークは、僕等に見られたくない物品を持ち込んだと言うわけ‥」バジルのなかなかの偏屈ぶりに、ドーソンはまたも呆れた。オリビアは、自分があまりにも信用されていない事に深く傷付いた。オリビアは目に涙を浮かべ、弱々しい声でポツリと呟いた。「全然そういうのじゃないの‥ぐすっ、わたしね、目を閉じて貰いたかったのはね、サプライズみたいにしたかったの‥二人の吃驚する顔が見たかったから‥」オリビアの呟きは皆に聞こえていた。バジルの心は痛んだ。少しバツが悪そうにオリビアの方を向き、「ほら、目を閉じたぞ。さぁ、鞄の中身を教えるんだ。」と少し優しく言った。半泣き状態だったオリビアは、パッと顔を輝かせ、「うん分かったそれじゃぁ見せるわね」オリビアはルンルン気分で鞄の中身を取り出し、テーブルに置いた。目を閉じた二匹は少しの間、何も言わずに立っていた。
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DOODLE偏屈探偵と午後のひととき[第二話]現在時刻午後14:38。一匹の小さなネズミの少女が、少女が暮らす街マウストピアから遠く離れたベイカー街までの長い道のりを、両手に大きな鞄を抱えながら、全速力で走っていた。少女が抱えている鞄の中には、高価な煙草、赤ワインが入ったボトルに、真新しい衣類、少々変わった物でダーツの矢が沢山入った箱などが入っている。勿論、そんな代物を少女が使うわけではない。少女よりいくらか歳の離れた友達に贈る為に用意した物だ。
「大変遅れちゃうわおやつの時間にねって約束したのはわたしなのに」少女は息を切らしながら、ベイカー街へと続く賑やかな商店街を駆け抜けた。
時刻は午後15:00。なんとか間に合った少女は、下宿の玄関前に掛かっている呼び鈴を鳴らす。鳴らしてから間もなく、にこやかな顔をしたジャドソン婦人が少女を出迎えた。「あらまぁ、いらっしゃいオリビア様、さぁさ、どうぞ中へあがって下さいな。」オリビアと呼ばれた少女は、大声で「失礼するわ」と言い、大広間へとあがった。
2265「大変遅れちゃうわおやつの時間にねって約束したのはわたしなのに」少女は息を切らしながら、ベイカー街へと続く賑やかな商店街を駆け抜けた。
時刻は午後15:00。なんとか間に合った少女は、下宿の玄関前に掛かっている呼び鈴を鳴らす。鳴らしてから間もなく、にこやかな顔をしたジャドソン婦人が少女を出迎えた。「あらまぁ、いらっしゃいオリビア様、さぁさ、どうぞ中へあがって下さいな。」オリビアと呼ばれた少女は、大声で「失礼するわ」と言い、大広間へとあがった。
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DOODLE偏屈探偵と午後のひととき[第一話]ベイカー街221B。其処に佇む小さな下宿、その下宿に住むは、かの有名な名探偵『シャーロック・ホームズ』と言う男だった。だが、彼が住む下宿の地下に、もう一人(もう一匹)の名探偵が暮らしていると言う事を彼は知らない。
その探偵の名はバジル。バジルは難事件を次々と解決してきた言わずと知れた凄腕の探偵である。ネズミ界で彼の名を知らない者は居ないであろう。
バジルはネズミ界のホームズと言われるほど称賛され、崇められたりしている。その一方でスタイルの良さや、女性をまるで相手にしない素っ気なさや、彼特有の偏屈さで、一部の、いや、大勢の女性にモテたりもしている。それを横目に少し妬ましく思いながら、バジルの相棒、ドーソンは大広間に在る暖炉の側で、カップに入っている熱々の紅茶を吐息で冷ました。
2130その探偵の名はバジル。バジルは難事件を次々と解決してきた言わずと知れた凄腕の探偵である。ネズミ界で彼の名を知らない者は居ないであろう。
バジルはネズミ界のホームズと言われるほど称賛され、崇められたりしている。その一方でスタイルの良さや、女性をまるで相手にしない素っ気なさや、彼特有の偏屈さで、一部の、いや、大勢の女性にモテたりもしている。それを横目に少し妬ましく思いながら、バジルの相棒、ドーソンは大広間に在る暖炉の側で、カップに入っている熱々の紅茶を吐息で冷ました。