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    Youyu🐾

    @you_encanto3939

    めちゃくちゃ初心者🔰 色々と新参者。加筆修正よくします。

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    #Disney
    #TheGreatMouseDetective
    #オリビアちゃんの大冒険

    偏屈探偵と午後のひととき[第一話]ベイカー街221B。其処に佇む小さな下宿、その下宿に住むは、かの有名な名探偵『シャーロック・ホームズ』と言う男だった。だが、彼が住む下宿の地下に、もう一人(もう一匹)の名探偵が暮らしていると言う事を彼は知らない。
    その探偵の名はバジル。バジルは難事件を次々と解決してきた言わずと知れた凄腕の探偵である。ネズミ界で彼の名を知らない者は居ないであろう。

    バジルはネズミ界のホームズと言われるほど称賛され、崇められたりしている。その一方でスタイルの良さや、女性をまるで相手にしない素っ気なさや、彼特有の偏屈さで、一部の、いや、大勢の女性にモテたりもしている。それを横目に少し妬ましく思いながら、バジルの相棒、ドーソンは大広間に在る暖炉の側で、カップに入っている熱々の紅茶を吐息で冷ました。
    現在時刻午後14:00。彼の下宿の玄関前には、バジルを一目でも見ようと連日、大勢の女性が詰め寄って来る。使用人のジャドソン婦人が頭を抱えながら、女性達を必死に追い返している。あまりにも女性らが帰らない時は、バジルが得意とする毒舌で、ギロリと睨みながら、黄色い声を上げ、浮かれ状態の女性達に喝を入れる。「すまないが、ご夫人の皆さま方、とっとと帰ってくれないかい生憎だが、僕はご夫人方の様な気色の悪いドブネズミが大嫌いでね。出来る事なら、二度と僕の前に現れないでくれたまえ。」(言っちまったー。ま、いつもの事なんだが。)ドーソンは大広間に在る暖炉の淵に肘をつき、少し行儀が悪い格好で、少し冷めた紅茶をやっと啜った。女性達は未練がましい目で彼を見ながらも、バツが悪そうに、すごすごと玄関から去っていった。
    時刻は午後14:56。これでもまだ早い方である。短くて30分、長くて1時間以上掛かる事もある。それぐらいバジルは人気と言う事が伺える。女性が誰一人居なくなった事を確認し、大広間へと戻ってきたバジルは、ひどく疲弊していた。何も言わずに紅色の椅子にもたれかかる、ジャドソン婦人がハーブティーを注ぎながら、「今日も午後から、沢山の方達がお見えになられましたね。嬉しい半面、少しばかり疲れましたわ。」バジルに労いの声をかけた。「全くもって不快だよ‥何故こんなにも疲れなければならない‥」「そのぐらい君は人気者って事だよ。良い事じゃないか。退屈凌ぎにもなるし。」ドーソンがバジルを元気付けようと、嫌味を含まない言葉を掛ける。だが、バジルは上の空で椅子にもたれかかりながら、ツイツイと、指遊びをしていた。と、不意にバジルはドーソンに尋ねた。「そう言えばだがドーソン、今何時だい?」「えっ?ああ、今かい?今は午後の14:58分だけど?それがどうかしたのかい?」バジルはううん。と首を振り、またもや椅子にもたれかかった。が、「えっ⁉ああ⁉もうそんな時間だったのかい⁉大変だ後3分しかないじゃないか」バジルは急いで椅子から飛び上がり、ガウン姿から、いつもの服に着替えた。バジルは焦った様子でジャドソン婦人に詰め寄る。「ミス・ジャドソンミルクや、オレンジジュースはもう準備してあるかい⁉」ジャドソン婦人は半ば恐れ慄きながら返答した。「ええ、準備は出来ておりますよ。」「そうか‥それなら良かったスイーツの方も万端かね?」「ええ勿論、ただオリビア様のお好みが分からなかったので、シフォンケーキやチョコレート、クッキーなど、色々と作ってしまいましたわ。」「良いんだ良いんだ、多ければ多い程、ミス・フラバーシャムは喜んでくれる‥」ドーソンは一体何の話をしているのか、全く分からなかったので、バジルに恐る恐る尋ねた。「バジルバジル、君等は一体、何の話をしているんだい?私にはまるっきり分からないよ。」バジルは半ば呆れた様子でドーソンに教えた「ドーソン、ドーソン、ドーソン‥もう忘れてしまったのかい?ほらミス・フラバーシャムと約束したじゃないか、『これからは毎日15:00に家に来ておやつを食べてあげる。そしたら嫌でも団らんする時間が設けられるでしょ?』と。ミス・フラバーシャム曰く僕が君等と団らんしていない寂しいネズミに見えるそうでね。彼女の勢いに押されて、僕が仕方無くOKしてしまったんだよ。」バジルは興味なさげに言ったが、内心は心底楽しみにしている言う事をドーソンはバジルの声のトーンで分かった。ドーソンもオリビアにまた会う事が出来て嬉しいし、バジルにとっても良い退屈凌ぎになる。ドーソンはバジルに素っ気なく、「そうなのかい、それはとても大事な約束だね。」答えた。
    ジャドソン婦人はそんな二匹の心中などお構い無しに掃除をしながら、バジルに時間を教えた。「バジル様、只今午後の15:00で御座いますよ。そろそろオリビア様がお見えになられるかと‥」ジャドソン婦人が言い終わらない内に、玄関のベルが鳴った。バジルはひどく吃驚した様子で、わざと気怠そうな装いで椅子に座り、「良いか皆持ち場につけ慌てるな、クールに普通にしていろ」と少々、わけのわからない事を口走った。彼がジャドソン婦人にドアを開けろとジェスチャーをし、ジャドソン婦人が「かしこまりました。」と小さく頷き、優しくドアを開けた。
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    Youyu🐾

    DOODLE
    偏屈探偵と午後のひととき[第三話]「とても大きな鞄だな、ミス・フラムスティー。なるほど、ドクターズバッグか‥その鞄の中身は一体何だい?」バジルはパイプを片手に、席を立ち、目を細め、背を曲げて、鞄をまじまじと見た後、背筋を伸ばし、鞄を持ったオリビアに尋ねる。ドーソンも席から立ち上がり、自分なりに鞄を観察する。「ふふんまぁ、二人共、あまりの嬉しさで、思わず飛び上がらないで頂戴ね」オリビアはニンマリ顔になり、鞄をポンポンと二度叩き、鞄を開けようとし、「あそうだ二人共、わたしが良いよと言うまで、目を閉じてて頂戴ね絶対よ」オリビアはバジルとドーソンに目を閉じる様に言った。「あぁ、分かったそれじゃぁ今から、目を閉じるね。」ドーソンはすんなりとオリビアの要望に答えた。「何故目を閉じなければならない?別に閉じなくても良いだろう?ははん、さてはミス・フラワージャークは、僕等に見られたくない物品を持ち込んだと言うわけ‥」バジルのなかなかの偏屈ぶりに、ドーソンはまたも呆れた。オリビアは、自分があまりにも信用されていない事に深く傷付いた。オリビアは目に涙を浮かべ、弱々しい声でポツリと呟いた。「全然そういうのじゃないの‥ぐすっ、わたしね、目を閉じて貰いたかったのはね、サプライズみたいにしたかったの‥二人の吃驚する顔が見たかったから‥」オリビアの呟きは皆に聞こえていた。バジルの心は痛んだ。少しバツが悪そうにオリビアの方を向き、「ほら、目を閉じたぞ。さぁ、鞄の中身を教えるんだ。」と少し優しく言った。半泣き状態だったオリビアは、パッと顔を輝かせ、「うん分かったそれじゃぁ見せるわね」オリビアはルンルン気分で鞄の中身を取り出し、テーブルに置いた。目を閉じた二匹は少しの間、何も言わずに立っていた。
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