lin_co10ri
DOODLEふるしほファッションショー参加作品です!10月お題「パジャマ」
#04notflファッションショー
嘘か実か「何で。そんなものを」
「いいから、貸しなさいよ」
「……パジャマなんて、持ってないぞ」
「え、どうして」
「………パジャマなんて着なくても。それこそ…、Tシャツとかで、寝れるだろ」
「そう、分かったわ。じゃあ私がプレゼントするから」
「……はあ?」
「日頃たくさんお世話になっているし! お礼として渡させて、ね」
「いやいや、何で」
「そうしたら、貸してちょうだいね! 絶対よ」
という訳の分からない会話を経て。今渡されたのは、可愛らしく透明の袋にパッケージされている、ネル生地のパジャマ。
手にしたものの、唖然としてそれを見つめてしまう。深い緑色が基調のマドラスチェック柄で、前ボタンのシックながらもお洒落なもの。いや、こんなもの着て寝たら暑くてたまらないのでは、と見当違いの困惑も抱きながら志保を見ると。至ってご機嫌で、すぐ降谷の手からその袋を取り戻した。
3353「いいから、貸しなさいよ」
「……パジャマなんて、持ってないぞ」
「え、どうして」
「………パジャマなんて着なくても。それこそ…、Tシャツとかで、寝れるだろ」
「そう、分かったわ。じゃあ私がプレゼントするから」
「……はあ?」
「日頃たくさんお世話になっているし! お礼として渡させて、ね」
「いやいや、何で」
「そうしたら、貸してちょうだいね! 絶対よ」
という訳の分からない会話を経て。今渡されたのは、可愛らしく透明の袋にパッケージされている、ネル生地のパジャマ。
手にしたものの、唖然としてそれを見つめてしまう。深い緑色が基調のマドラスチェック柄で、前ボタンのシックながらもお洒落なもの。いや、こんなもの着て寝たら暑くてたまらないのでは、と見当違いの困惑も抱きながら志保を見ると。至ってご機嫌で、すぐ降谷の手からその袋を取り戻した。
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DOODLEふるしほファッションショー参加作品です!9月お題「つなぎ」少しだけ「スーツ」も
今回も何故か日常系の二人です!
#04notflファッションショー
つなぎの思い出 扉を開けて姿を現した志保に。降谷は目をパチクリとさせた。
「……なかなか気合い入ってるね」
「当然でしょ。引っ越しは動きやすさを重視しなきゃ。あと怪我をしない為に」
そしてかっちりと手袋をはめた手のひらを見せてくる。発想が実験時の白衣と一緒なのだろうか。志保は、身体中を覆うような作業用のつなぎを着ていた。
いつもきっちりとした格好をしている彼女を思うとそのギャップに驚かされるが、何故だろう、至ってシンプルなつなぎなのに、志保が着ているとどうも可愛く見えて、降谷は首を傾げた。
少々ダボッとしているのも愛らしい。身体は覆われているのに、いつもは下ろされている髪が無造作に一括りにされていることによって、普段目にすることのない首筋が見え隠れするのにも、ドキッとする。
3291「……なかなか気合い入ってるね」
「当然でしょ。引っ越しは動きやすさを重視しなきゃ。あと怪我をしない為に」
そしてかっちりと手袋をはめた手のひらを見せてくる。発想が実験時の白衣と一緒なのだろうか。志保は、身体中を覆うような作業用のつなぎを着ていた。
いつもきっちりとした格好をしている彼女を思うとそのギャップに驚かされるが、何故だろう、至ってシンプルなつなぎなのに、志保が着ているとどうも可愛く見えて、降谷は首を傾げた。
少々ダボッとしているのも愛らしい。身体は覆われているのに、いつもは下ろされている髪が無造作に一括りにされていることによって、普段目にすることのない首筋が見え隠れするのにも、ドキッとする。
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DOODLEふるしほファッションショー参加作品です!8月お題「エプロン」
そしかい、いろいろ身バレ後の、降哀です。
今回も楽しく書いちゃいました…!
#04notflファッションショー
ほどける想い 重い足取りのまま帰宅した哀は、阿笠邸の頑丈な玄関扉を開けた。
思いがけず背負うのに慣れたランドセルの重さは、未だ感じることはあれど。この扉を開ける時は、戻ってこれた、そして戻ることができる場所があることに安堵して、身も心もふうっ、と軽くなるのに。この日は開けたとたんガクッ、とさらに鉛を乗せられたかのように身体が重くなったのを感じた。
「…あなた…何してるのよ」
おかえりなさい!と明るい笑顔で迎えてきた男の姿に、哀は頭痛まで覚えた。
「博士にお願いして、キッチンをお借りしてご飯作ってました。哀さんあまり食べていないと聞いて」
「いらぬお世話。…博士」
「哀くんポアロのハムサンド食べたことないじゃろお…食べやすいから是非にと思って」
2965思いがけず背負うのに慣れたランドセルの重さは、未だ感じることはあれど。この扉を開ける時は、戻ってこれた、そして戻ることができる場所があることに安堵して、身も心もふうっ、と軽くなるのに。この日は開けたとたんガクッ、とさらに鉛を乗せられたかのように身体が重くなったのを感じた。
「…あなた…何してるのよ」
おかえりなさい!と明るい笑顔で迎えてきた男の姿に、哀は頭痛まで覚えた。
「博士にお願いして、キッチンをお借りしてご飯作ってました。哀さんあまり食べていないと聞いて」
「いらぬお世話。…博士」
「哀くんポアロのハムサンド食べたことないじゃろお…食べやすいから是非にと思って」
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DOODLEふるしほファッションショー参加作品です!7月お題「結婚式に参列するときの服」降志
楽しく書かせていただきました~!
※シラコバ描写あり
#04notflファッションショー
彼らなりの祝福 ハンガーを通して壁に掛けられてある服一式を見て、降谷は首をかしげた。
「…何、志保さん入学式にでも出るの?」
「…この時期に何の入学式よ。でも、そうね。あながち間違いじゃないかも」
多少捻りの効いた聞き方をしてしまったが、志保は案外機嫌よく答えてきた。
「だって私今回は引率者だもの。あの子たちの。何かあった時、すぐ動ける服装じゃないと」
あの子たち。かつての少年探偵団。今はもう小学4年生にはなったか。とはいえもちろん、まだまだ子どもで保護者が必要な時期だ。
今回は正に少年探偵団の縁として、彼らはその場におよばれしている。かつての担任、そして少年探偵団の顧問を自称していた、小林澄子先生の、結婚披露宴。実はお相手も警視庁の白鳥警部という、探偵団たちにもお馴染みの人物であるから実現した参加でもある。
3858「…何、志保さん入学式にでも出るの?」
「…この時期に何の入学式よ。でも、そうね。あながち間違いじゃないかも」
多少捻りの効いた聞き方をしてしまったが、志保は案外機嫌よく答えてきた。
「だって私今回は引率者だもの。あの子たちの。何かあった時、すぐ動ける服装じゃないと」
あの子たち。かつての少年探偵団。今はもう小学4年生にはなったか。とはいえもちろん、まだまだ子どもで保護者が必要な時期だ。
今回は正に少年探偵団の縁として、彼らはその場におよばれしている。かつての担任、そして少年探偵団の顧問を自称していた、小林澄子先生の、結婚披露宴。実はお相手も警視庁の白鳥警部という、探偵団たちにもお馴染みの人物であるから実現した参加でもある。