asanomono
DONE『トライデント・カラー』敵に捕まった左馬刻と理鶯を颯爽と助けに来た銃兎が、その後の看病でちょっとポンコツなMTCの話。
全年齢ハマCPなしwebオンリー
Drown In The Blue 3 - Fall of You -
の展示作品です。
トライデント・カラー SIDE:理鶯
カツ、カツ、と革靴がコンクリートを叩く。
湿気に満ちてじっとりとした肌触りが不快で、所々朽ち果てた廊下の行く手には原型を留めない鼠の死骸。壁面を太ったゴキブリが這い回り、コンクリートを覆う蔦や野草が文明を侵食しかけている。
結束バンドで後ろ手に両腕を拘束されたまま、理鶯は静かに辺りを見渡した。己を囲むようにして歩く男の数は、全部で六人。武器やマイクは取り上げられてしまったが、両腕の拘束さえ解ければ制圧できない人数ではない。唯一、この場での障壁があるとすれば。
「変なこと考えるなよ?」
目の前を歩くこの黒髪の男だけは、他の有象無象とは明らかに身のこなしが違う。軍人あがりか、格闘技を噛んでいるのか。
12145カツ、カツ、と革靴がコンクリートを叩く。
湿気に満ちてじっとりとした肌触りが不快で、所々朽ち果てた廊下の行く手には原型を留めない鼠の死骸。壁面を太ったゴキブリが這い回り、コンクリートを覆う蔦や野草が文明を侵食しかけている。
結束バンドで後ろ手に両腕を拘束されたまま、理鶯は静かに辺りを見渡した。己を囲むようにして歩く男の数は、全部で六人。武器やマイクは取り上げられてしまったが、両腕の拘束さえ解ければ制圧できない人数ではない。唯一、この場での障壁があるとすれば。
「変なこと考えるなよ?」
目の前を歩くこの黒髪の男だけは、他の有象無象とは明らかに身のこなしが違う。軍人あがりか、格闘技を噛んでいるのか。
asanomono
DONE『Famous Day』新たな道を進むMTCの話。
王がやられてバチ切れする双翼が見たかった。
※暴力表現等
※最新ドラパネタバレ注意
2024/10/20〜21
全年齢ハマCPなしwebオンリー
Drown In The Blue3-Fall of You-の展示ですが、過去にpixivへアップ済の既存作品となります。
Famous Day「お前…随分ご機嫌な姿になってんじゃねえか」
事務所に入るなり目を引いた白に、銃兎は呆れと心配を織り交ぜた溜息を零した。ただでさえ髪も肌もアロハも白く目立つ男から垂れさがる、包帯。ギプスに巻かれた腕を吊った左馬刻が心底不機嫌そうに鼻を鳴らす。よく見れば、その顔にも無数の傷痕があった。全く、暫く見ない内に随分はしゃぎやがって。
「…っせ」
若頭専用の椅子を軋ませながら、左馬刻がふいとそっぽを向く。その様子をつぶさに観察して、銃兎は眉を上げるとズカズカと歩み寄った。ずいと顔を覗き込むとピジョンブラッドが逸らされる。何かしら自分に非がある時の左馬刻の仕草だ。
「何があった?話せ」
「…俺様に命令すんじゃねえ」
10234事務所に入るなり目を引いた白に、銃兎は呆れと心配を織り交ぜた溜息を零した。ただでさえ髪も肌もアロハも白く目立つ男から垂れさがる、包帯。ギプスに巻かれた腕を吊った左馬刻が心底不機嫌そうに鼻を鳴らす。よく見れば、その顔にも無数の傷痕があった。全く、暫く見ない内に随分はしゃぎやがって。
「…っせ」
若頭専用の椅子を軋ませながら、左馬刻がふいとそっぽを向く。その様子をつぶさに観察して、銃兎は眉を上げるとズカズカと歩み寄った。ずいと顔を覗き込むとピジョンブラッドが逸らされる。何かしら自分に非がある時の左馬刻の仕草だ。
「何があった?話せ」
「…俺様に命令すんじゃねえ」