ango_iwa8
DONE楽龍ワンドロライ第3回『はちみつ』
ミッドナイトハニー『――上質な甘さを君に』
楽屋のテレビから聞き慣れた声がして、台本から顔を上げる。
『それは経験したことのない、最上級の艶』
琥珀色のとろりとした液体が滴るエフェクトから、銀色のスプーンに垂らされる粘度の高い透明な液体。
カメラに挑戦的な瞳を向けたまま、ティースプーンに乗せられた液体を口に運び、ペロリと真っ赤な舌で唇を舐めとる。
『ハニーディップで夜を彩る』
「今日から放映開始だったね、このCM」
「天」
画面に注目していたために、天が楽屋へ入ってきたことに気が付かなかった。
お疲れ様。と声を掛け合って、龍之介は台本へと再び目を落とした。
楽に蜂蜜のCMの話が舞い込んできたのは、数ヶ月前のこと――
女性向けの化粧品やジュエルなど、煌びやかな商品のイメージキャラクターとして、TRIGGERがCMを務めることは少なくない。
2320楽屋のテレビから聞き慣れた声がして、台本から顔を上げる。
『それは経験したことのない、最上級の艶』
琥珀色のとろりとした液体が滴るエフェクトから、銀色のスプーンに垂らされる粘度の高い透明な液体。
カメラに挑戦的な瞳を向けたまま、ティースプーンに乗せられた液体を口に運び、ペロリと真っ赤な舌で唇を舐めとる。
『ハニーディップで夜を彩る』
「今日から放映開始だったね、このCM」
「天」
画面に注目していたために、天が楽屋へ入ってきたことに気が付かなかった。
お疲れ様。と声を掛け合って、龍之介は台本へと再び目を落とした。
楽に蜂蜜のCMの話が舞い込んできたのは、数ヶ月前のこと――
女性向けの化粧品やジュエルなど、煌びやかな商品のイメージキャラクターとして、TRIGGERがCMを務めることは少なくない。
ango_iwa8
DONE楽龍ワンドロライ第1回『手料理』『添い寝』
俺の特等席 暑い夏の日にも、龍は楽しそうに料理をする。
汗だくになりながら大鍋を振るう姿は、きっと幼い頃からこなしてきた家事の名残りなんだろうと思う。
「サッと炒めるだけだし、慣れたら案外気にならないよ」
料理で汗をかくよりヘビーなトレーニングやダンスをしているしね。と、龍は何てことないと笑ってのける。
その姿を見つめながら、冷たい麦茶が入ったグラスを煽る。
カラリと鳴る氷が冷たい。
「出来たよー」
龍は次々と大皿に乗った料理を運んでくる。
二人分の白米と味噌汁を入れたお椀を先立って準備した俺の後ろから、どん、どどん、と効果音が聞こえてきそうなほどにデカい皿。
スパムの入ったゴーヤーチャンプルーに、昨晩から仕込んでいたというラフテー。
2928汗だくになりながら大鍋を振るう姿は、きっと幼い頃からこなしてきた家事の名残りなんだろうと思う。
「サッと炒めるだけだし、慣れたら案外気にならないよ」
料理で汗をかくよりヘビーなトレーニングやダンスをしているしね。と、龍は何てことないと笑ってのける。
その姿を見つめながら、冷たい麦茶が入ったグラスを煽る。
カラリと鳴る氷が冷たい。
「出来たよー」
龍は次々と大皿に乗った料理を運んでくる。
二人分の白米と味噌汁を入れたお椀を先立って準備した俺の後ろから、どん、どどん、と効果音が聞こえてきそうなほどにデカい皿。
スパムの入ったゴーヤーチャンプルーに、昨晩から仕込んでいたというラフテー。