柚月@ydk452
DONEヒス晶♂SS雨の日の朝目を覚ますと、ほんの少しの寒さが晶を迎えた。いつもの時間よりも早くて、どうして目覚めてしまったのだろうかと考えるも、すぐに答えが出る。
(あ…雨だ…。)
窓ガラスに当たる音は優しく、曇天が作り出す暗がりのせいか、世界に閉じ込められた気分になった。なんとなく外の空気を吸ってみたくなり、ベッドから起き上がる。素足を通して感じる床の冷たさは、ほんの一瞬だけ。ゆっくりと窓ガラスを開けると、思い通りの湿った空気が部屋を満たした。雨粒が当たる音は不規則だが、木々や葉から垂れる時、はたまた屋根から落ちる際は一定だ。どこかから蛙の鳴く声もするし、羽を休めて歌っている鳥もいる。
この世界に来て、こんなにも自然を感じる事ができるなんて。元の世界では憂鬱でしかなかった事象も、今や歓迎するまでになっている。
2830(あ…雨だ…。)
窓ガラスに当たる音は優しく、曇天が作り出す暗がりのせいか、世界に閉じ込められた気分になった。なんとなく外の空気を吸ってみたくなり、ベッドから起き上がる。素足を通して感じる床の冷たさは、ほんの一瞬だけ。ゆっくりと窓ガラスを開けると、思い通りの湿った空気が部屋を満たした。雨粒が当たる音は不規則だが、木々や葉から垂れる時、はたまた屋根から落ちる際は一定だ。どこかから蛙の鳴く声もするし、羽を休めて歌っている鳥もいる。
この世界に来て、こんなにも自然を感じる事ができるなんて。元の世界では憂鬱でしかなかった事象も、今や歓迎するまでになっている。
unhkiss
DONE北祝祭。帰ってこない賢者一行が心配なヒースとクロエ。眠れぬ夜の秘密の二人ベッドの中でヒースクリフはゆっくりと目を開いた。ぱちぱちと瞬きをして、ヒースクリフは寝返りを打つ。
横向きの姿勢になったヒースクリフはじっと窓の辺りを凝視した。
部屋は真っ暗でカーテンに覆われている窓の外も明るくなってはいない。日の出まではずいぶん時間がありそうだった。
(……眠れない)
昼間の内にカナリアが洗濯して干してくれたシーツや掛け布からはお日様の匂いがする。たっぷりと陽光を吸い込んだ寝具は、ヒースクリフの体を繭のように包み込んでくれていた。
そのやわらかなぬくもりは、いつもならヒースクリフを穏やかな眠りに誘ってくれる。
けれど今日は少しも効果を発揮してくれない。
胸の奥がざわざわして、目は冴えるばかりで、ヒースクリフはちっとも眠れそうになかった。
6113横向きの姿勢になったヒースクリフはじっと窓の辺りを凝視した。
部屋は真っ暗でカーテンに覆われている窓の外も明るくなってはいない。日の出まではずいぶん時間がありそうだった。
(……眠れない)
昼間の内にカナリアが洗濯して干してくれたシーツや掛け布からはお日様の匂いがする。たっぷりと陽光を吸い込んだ寝具は、ヒースクリフの体を繭のように包み込んでくれていた。
そのやわらかなぬくもりは、いつもならヒースクリフを穏やかな眠りに誘ってくれる。
けれど今日は少しも効果を発揮してくれない。
胸の奥がざわざわして、目は冴えるばかりで、ヒースクリフはちっとも眠れそうになかった。