すめらがない
MOURNINGイヴァギルワンドロライのボツ小説供養2つお題:紫陽花
中途半端でどちらも終わってません。
類似1,
「君の目、紫陽花みたいだね」
初めてそう言われたのは、いつの日だったか。覚えていない。異教徒改宗と追いかけ回したあの日だったか、ようやく国になったあれからだったか。
「…は?」
太陽は既に傾き、暖色がそう言ってはにかんだ男を染めていた。何を、こんな状況下に。
2,
プロイセン君の目は綺麗だ。基本的に容姿がいい国という存在の中でも、僕は彼の見目が一等好きだった。その綺麗で日の光を浴びてキラキラと輝く銀髪は勿論、薄い唇も、筋の通った鼻も、ゲルマン人らしい彫りの深い几帳面そうな顔立ちも、全部。最後に関しては…まあ、黙っていればだけれど。ともかく、僕は彼の容姿が好きで、その中でも特に好きだったのが彼の瞳だった。初めて見た時の衝撃は忘れられない。それは真紅、鮮やかな赤色だった。あまりに綺麗で、手元に置きたいとまでは思わなくとも、僕は彼の瞳が大好きだった。
912「君の目、紫陽花みたいだね」
初めてそう言われたのは、いつの日だったか。覚えていない。異教徒改宗と追いかけ回したあの日だったか、ようやく国になったあれからだったか。
「…は?」
太陽は既に傾き、暖色がそう言ってはにかんだ男を染めていた。何を、こんな状況下に。
2,
プロイセン君の目は綺麗だ。基本的に容姿がいい国という存在の中でも、僕は彼の見目が一等好きだった。その綺麗で日の光を浴びてキラキラと輝く銀髪は勿論、薄い唇も、筋の通った鼻も、ゲルマン人らしい彫りの深い几帳面そうな顔立ちも、全部。最後に関しては…まあ、黙っていればだけれど。ともかく、僕は彼の容姿が好きで、その中でも特に好きだったのが彼の瞳だった。初めて見た時の衝撃は忘れられない。それは真紅、鮮やかな赤色だった。あまりに綺麗で、手元に置きたいとまでは思わなくとも、僕は彼の瞳が大好きだった。
juouj_off
DONE #6月2日は露普の日 おめでとうございます今年は2022年ということで(?)猫です
CAn'T◇CAn'T
――猫を飼うのが夢だったんだ。
「ぼく、手、きれいかな?」
「知らねぇよ!」
ぱっ、と指までいっぱいに広げた手を見せられても。大きな手だ。まぁ、白くて、手垢のついているようには見えないが。「ちゃんと見て!」と怯えたような焦ったような声に急かされる。知らねぇよ、見て分かるワケあるか?
「こちらで消毒してください」
エプロンをつけた女性店員のうながしに、「あ、ウン」と二人の返事がハモった。
そういえば、猫を飼うのが夢だったんだ――まるで大切な用事を忘れていたかのように振る舞い、その実はただの気まぐれで、早く早くと人を連れ出す手口はいつもと同じだ。そうして(まずは保健所という俺の意見はガン無視されて)急きょ訪れた保護猫カフェで、猫を抱かせてもらう前にはまず手を消毒する、という作法を知った次第だ。
5863――猫を飼うのが夢だったんだ。
「ぼく、手、きれいかな?」
「知らねぇよ!」
ぱっ、と指までいっぱいに広げた手を見せられても。大きな手だ。まぁ、白くて、手垢のついているようには見えないが。「ちゃんと見て!」と怯えたような焦ったような声に急かされる。知らねぇよ、見て分かるワケあるか?
「こちらで消毒してください」
エプロンをつけた女性店員のうながしに、「あ、ウン」と二人の返事がハモった。
そういえば、猫を飼うのが夢だったんだ――まるで大切な用事を忘れていたかのように振る舞い、その実はただの気まぐれで、早く早くと人を連れ出す手口はいつもと同じだ。そうして(まずは保健所という俺の意見はガン無視されて)急きょ訪れた保護猫カフェで、猫を抱かせてもらう前にはまず手を消毒する、という作法を知った次第だ。