Xpekeponpon
DOODLEワルナスと七幸のテキスト潮騒と草 ●
「そこに居るんだろう、出ておいで」
ひなびた港町の、閑散とした昼下がりの漁港。防波堤に腰掛けて、潮風の中で煙草を吹かしていた男が、振り返らずに言う。
「……なんで分かる?」
小さな空き地の茂みから『立ち上がった』のは、自我持つ緑。いつもそうだ、こうして植物となっていても、この男は見つけ出してくる。空に目があるかのように。
「なんでだろうねぇ、不思議だねぇ」
横顔だけで振り返る七幸が、自分の隣をぽんぽんと叩く。ワルナスはちょっぴり警戒しつつ――なんとなく、この男は、おっかない、絶対に敵対してはいけない気がするし、敵対しても勝てない気がするから――少し離れた位置に腰を下ろした。見下ろせばすぐそこに深い青の海がある。防波堤の海に面した壁面には、フジツボやらなんやらがたくさんこびりついているのが見えた。
1175「そこに居るんだろう、出ておいで」
ひなびた港町の、閑散とした昼下がりの漁港。防波堤に腰掛けて、潮風の中で煙草を吹かしていた男が、振り返らずに言う。
「……なんで分かる?」
小さな空き地の茂みから『立ち上がった』のは、自我持つ緑。いつもそうだ、こうして植物となっていても、この男は見つけ出してくる。空に目があるかのように。
「なんでだろうねぇ、不思議だねぇ」
横顔だけで振り返る七幸が、自分の隣をぽんぽんと叩く。ワルナスはちょっぴり警戒しつつ――なんとなく、この男は、おっかない、絶対に敵対してはいけない気がするし、敵対しても勝てない気がするから――少し離れた位置に腰を下ろした。見下ろせばすぐそこに深い青の海がある。防波堤の海に面した壁面には、フジツボやらなんやらがたくさんこびりついているのが見えた。
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DOODLEストレンジャーズ🆚富雄『黒い揺籠』 ●
「総員突撃!」
獰猛な敵意に満ちた発破。
廃墟の工場へ、雑草やガラスの破片を踏み仇して突入するのはストレンジャーズ部隊。ここに居るという『バケモノ』を駆除する為に彼らは居る。安全装置を外した小銃を手に、彼らの目は飢えた猟犬がごとくギラついていた。
かくして。
部分的に崩落した天井から、こんな緊迫とは裏腹に麗らかな日が差し込んでいるそこに――『標的』は居た。
巨躯の、さながらSF映画かゲームのような、漆黒のロボット。
キュイ、と赤いアイカメラが『来訪者』を捉え――空気がピリついた。張り巡らされたワーディングは、ストレンジャーズ隊員らが着けた対ワーディングマスクによって無効化される。同時にそれは、隊員らに「目の前にいるのは憎きレネゲイドの怪物だ」と認識させる。
2889「総員突撃!」
獰猛な敵意に満ちた発破。
廃墟の工場へ、雑草やガラスの破片を踏み仇して突入するのはストレンジャーズ部隊。ここに居るという『バケモノ』を駆除する為に彼らは居る。安全装置を外した小銃を手に、彼らの目は飢えた猟犬がごとくギラついていた。
かくして。
部分的に崩落した天井から、こんな緊迫とは裏腹に麗らかな日が差し込んでいるそこに――『標的』は居た。
巨躯の、さながらSF映画かゲームのような、漆黒のロボット。
キュイ、と赤いアイカメラが『来訪者』を捉え――空気がピリついた。張り巡らされたワーディングは、ストレンジャーズ隊員らが着けた対ワーディングマスクによって無効化される。同時にそれは、隊員らに「目の前にいるのは憎きレネゲイドの怪物だ」と認識させる。