machikan
DONEディアキャ開催おめでとうございます!!政略結婚しないと出られない部屋 その表示を見たマレレオの顔は、端的に虚無だった。
八十平米ばかりのフローリングは正方形。窓のない白い壁と天井。ひとつきりのドアの上の電光掲示板には「政略結婚しないと出られない部屋」と書かれている。
教室に持ち込まれた古いゲーム盤が輝いたと思ったら、これである。
マレウスは不敵な笑みを浮かべた。
「おもしろい封印魔法だな」
「魔法で開けられなかったときのおまえのツラ、写真撮ってあるからな」
「おまえのユニーク魔法でも開かなかったときの顔は自撮りしていないのか?」
「するか! ……自撮りなんて語彙、おまえ持ってたんだな」
「リリアが教えてくれた。しかし、政略結婚しないと出られない部屋か。確かに僕たちは王族だが……。政略結婚と言われても」
7101八十平米ばかりのフローリングは正方形。窓のない白い壁と天井。ひとつきりのドアの上の電光掲示板には「政略結婚しないと出られない部屋」と書かれている。
教室に持ち込まれた古いゲーム盤が輝いたと思ったら、これである。
マレウスは不敵な笑みを浮かべた。
「おもしろい封印魔法だな」
「魔法で開けられなかったときのおまえのツラ、写真撮ってあるからな」
「おまえのユニーク魔法でも開かなかったときの顔は自撮りしていないのか?」
「するか! ……自撮りなんて語彙、おまえ持ってたんだな」
「リリアが教えてくれた。しかし、政略結婚しないと出られない部屋か。確かに僕たちは王族だが……。政略結婚と言われても」
machikan
MOURNING「レオナさんと魔法の水差し」という同人誌の自家通販に一時期つけていたノベルティポスカの再録です。 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=13715012そういえばプロポーズ、つまり結婚ネタが二枚目に入っとるなと思い出しましたので、ディアキャ後夜祭記念に再録しました。
当時ポスカをもらってくださった皆様、ありがとうございました! 2
あんず
DONEマレレオ結婚オンリーおめでとうございます!王様の日常 マレウスは写真を撮るのが下手だった。写真が身近なものになったのは、ナイトレイブンカレッジに進学して、ケイトと同級生になったときだった。もともとリリアに進学したばかりのときに通信機としてスマホを渡されていた。スマホが電話以外にもマジカメというアプリケーションを使って世界中の人びとと通信することができるとそのとき初めて知った。
茨の谷では今でこそ市井の間では写真が普及しているが、王族にとって姿を残すといえば肖像画だし、家族の記録は従者や家族内の記憶が頼りになる。権威と秘匿性は切っても切れないもので、特別な存在としての役割を果たすためにも、ドラコニア一族の生活というのは長くヴェールに包まれるものだった。
1656茨の谷では今でこそ市井の間では写真が普及しているが、王族にとって姿を残すといえば肖像画だし、家族の記録は従者や家族内の記憶が頼りになる。権威と秘匿性は切っても切れないもので、特別な存在としての役割を果たすためにも、ドラコニア一族の生活というのは長くヴェールに包まれるものだった。
machikan
SPUR ME今日出したかったペラ本「レオナさんユニバ話」のサンプルです。ユニバのネタバレあるのでご注意。冒頭から最初のほう載せてます。
ビブリオマニアは眠れない七月二十八日の朝、ラギー・ブッチは驚いた。
前日、レオナに指示されたとおり、彼の部屋を訪れたのは午前六時のこと。部活の朝練が始まる午前七時まで十分余裕があるが、あいにくレオナは寝起きが悪い。ベッドから離れてもらうまで、平均三十分は必要だった。それが、なぜか今朝に限ってもう起きている。
ベッドの上に寝転んではいるが、レオナの眼はしっかり開いていた。
「ど、どうしたんスか?」
「寝てない」
「えっ。熱はかります?」
「そういう事じゃねえよ」
レオナはそう言って、そっと手元の本を閉じた。昨日プレゼントされたばかりの本だった。ラギーは合点した。
「徹夜して読むほど面白かったんスか?」
「ああ?」
「いやいや、睨まないでくださいよ、レオナさん~」
5520前日、レオナに指示されたとおり、彼の部屋を訪れたのは午前六時のこと。部活の朝練が始まる午前七時まで十分余裕があるが、あいにくレオナは寝起きが悪い。ベッドから離れてもらうまで、平均三十分は必要だった。それが、なぜか今朝に限ってもう起きている。
ベッドの上に寝転んではいるが、レオナの眼はしっかり開いていた。
「ど、どうしたんスか?」
「寝てない」
「えっ。熱はかります?」
「そういう事じゃねえよ」
レオナはそう言って、そっと手元の本を閉じた。昨日プレゼントされたばかりの本だった。ラギーは合点した。
「徹夜して読むほど面白かったんスか?」
「ああ?」
「いやいや、睨まないでくださいよ、レオナさん~」