クルリ
DONEフォロワーさんにリプやDMで見せていただいたイラストを元に書いたSS②※ドクユニ
掌の愛「さんしゃ……? へへ、センセイ、俺だよ。ユーニッド!」
「ブラックサンシャイン」、その単語が理解できないというように首を傾げながら、ユーニッドは漸く会えたドクターに元気よく挨拶をする。まるで、「ユーニッド」と名乗れることが心底幸せであるかのように、彼は自分の名前を口に出す。
彼自身がブラックサンシャインであることを忘れ、今まで積み重ねてきた人生を失い、それでも尚屈託なく笑うユーニッドを目の前にして、ドクターは無意識のうちに笑みを浮かべていた。ギャングのボスとして強さを誇った彼を壊し、素直で可愛いらしい良い子に仕立てたのは、紛れもなくマインドハッカーである自分なのだ。
その事実に、ドクターは胸の内から湧き上がる仄暗い感情を自覚することになる。
2474「ブラックサンシャイン」、その単語が理解できないというように首を傾げながら、ユーニッドは漸く会えたドクターに元気よく挨拶をする。まるで、「ユーニッド」と名乗れることが心底幸せであるかのように、彼は自分の名前を口に出す。
彼自身がブラックサンシャインであることを忘れ、今まで積み重ねてきた人生を失い、それでも尚屈託なく笑うユーニッドを目の前にして、ドクターは無意識のうちに笑みを浮かべていた。ギャングのボスとして強さを誇った彼を壊し、素直で可愛いらしい良い子に仕立てたのは、紛れもなくマインドハッカーである自分なのだ。
その事実に、ドクターは胸の内から湧き上がる仄暗い感情を自覚することになる。
クルリ
DONEフォロワーさんにリプで見せていただいたイラストを元に書いたSS①※ドクユニ
意味合い ブラックサンシャインは、名も知らぬチームの若者に絡まれていた。
薄暗い路地裏、埃っぽい空気、転がる空き瓶。チンピラに絡まれるロケーションとしては最適かつ最良である。故に今、彼は数名の若者に囲まれ、頭を搔いていた。
「おい聞いてんのか! てめえらブラッディパエリアのせいでこっちは商売あがったりなんだよ!」
真ん中のぶよぶよとした皮膚の男がブラックを見上げ捲し立てる。男の鰓からふしゅうと漏れる臭いに、ブラックの目つきは益々剣呑さを増す。ドブのような悪臭の中に嗅ぎなれたものが混ざっていた。彼自身も嗜むハッパである。見れば他のゴロツキどもの目もどこか焦点を結んでいない。彼は顔を顰めた。
三文芝居のように安っぽい彼らの言い分は完全に言いがかりである。大方、許容量以上のハッパを吸って気が大きくなったのだろう。そもそも彼らが人のシマで荒稼ぎしようとしたのが間違いだ。
2102薄暗い路地裏、埃っぽい空気、転がる空き瓶。チンピラに絡まれるロケーションとしては最適かつ最良である。故に今、彼は数名の若者に囲まれ、頭を搔いていた。
「おい聞いてんのか! てめえらブラッディパエリアのせいでこっちは商売あがったりなんだよ!」
真ん中のぶよぶよとした皮膚の男がブラックを見上げ捲し立てる。男の鰓からふしゅうと漏れる臭いに、ブラックの目つきは益々剣呑さを増す。ドブのような悪臭の中に嗅ぎなれたものが混ざっていた。彼自身も嗜むハッパである。見れば他のゴロツキどもの目もどこか焦点を結んでいない。彼は顔を顰めた。
三文芝居のように安っぽい彼らの言い分は完全に言いがかりである。大方、許容量以上のハッパを吸って気が大きくなったのだろう。そもそも彼らが人のシマで荒稼ぎしようとしたのが間違いだ。