羂髙メモ2転生同棲ピンチャン時空羂髙の髙羽が風邪ひいたら、羂索は憎まれ口叩きつつも心配しそうだなと思う。
折角巡り合った相方が、39度の高熱出してふうふう言ってる様子を見て、平安時代感覚が少し思い出されてしまい、このまま死んじゃうんじゃないかと一抹の不安が拭えない羂索。普段煩い奴が弱っている姿を見て、「おもしろい唯一無二の存在」を失うことへの不安を覚えて、普段より意地悪言っちゃって、そんな自分にびっくりして欲しい。
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「馬鹿は風邪ひかないって言うけどさぁ、君の場合、単純に馬鹿だから風邪ひいてんだよね」
「……ごめんて羂索ぅ」
万年床から聞こえる弱弱しい声に、げほごほと苦しそうな咳が付随する。先ほど羂索が無理やり脇に体温計をつっこんだ時からさらに体温は上がっているのだろう。崩れた前髪から覗く顔は赤く熱を持ち、眉尻は情けなく下がり、常に芸人魂を忘れないと煩く宣う口からは、ふうふうと熱い息が漏れるばかりである。
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