koma_hex
DONEヒュンポプお題「水着」「麦茶」をお借りしました。夏の海でおヒュの片思いが実るお話です。キスまで。
ダイレオもいます。ラは名前だけ。
夏の感触 海に来るまでは浮き立つような気分だった。
照りつける太陽、灼熱の足元、城とは何もかも違う開放的な天地。
姫のお忍び休暇、限られた者だけ連れてやってきた真夏のデルムリン島の午後。
--- Popp
ヒャドで作ってやった氷バケツに飲み物を差し、姫さんの為に大きな傘を砂浜に立ててやり、先に海に入っていたダイに向かってようやく駆け出した。飛び散る水しぶき、青い空! 端の方に陰鬱な白いイケメン!
少しは気が晴れると思っていた。しかし相変わらず背中に張り付く視線が重い。
パプニカでの生活の中で何度も感じた物言いたげな視線。声を掛けてみたがうまく[[rb:躱 > かわ]]され、それなら見るなと言いたいがそれも[[rb:往 > い]]なされ、今日もああして端の方からおれを見てる。言いたい事があるなら言えってんだ。
2003照りつける太陽、灼熱の足元、城とは何もかも違う開放的な天地。
姫のお忍び休暇、限られた者だけ連れてやってきた真夏のデルムリン島の午後。
--- Popp
ヒャドで作ってやった氷バケツに飲み物を差し、姫さんの為に大きな傘を砂浜に立ててやり、先に海に入っていたダイに向かってようやく駆け出した。飛び散る水しぶき、青い空! 端の方に陰鬱な白いイケメン!
少しは気が晴れると思っていた。しかし相変わらず背中に張り付く視線が重い。
パプニカでの生活の中で何度も感じた物言いたげな視線。声を掛けてみたがうまく[[rb:躱 > かわ]]され、それなら見るなと言いたいがそれも[[rb:往 > い]]なされ、今日もああして端の方からおれを見てる。言いたい事があるなら言えってんだ。
toma_d2hp
DONEヒュンポプお題・1月のお題『雪』大戦後、雪の降る北方の村で暮らすヒュンケルのもとを訪れるポップ。
(R15程度の描写がありますのでご注意ください)
同人誌('08)より再録です。
Silver Snow ふと、ヒュンケルは顔をあげた。
暖炉にくべられた薪が、かすかな音をたててはぜる。
それまで手にしていたものを床に置いた箱に入れ、麻布をかぶせると、ヒュンケルは、テーブルの上の木屑をさっと払った。
もう一度椅子に落ち着くのと、扉がどんどんと叩かれたのは、ほぼ同時だった。
「錠はしていない。入ってくれ」
声をかけると、厚い木の扉が、軋みながら開く。
外の冷気をまとって、雪だらけの少年が顔を覗かせた。
「あいてんのかよ。不用心じゃねぇの」
扉を後ろ手にしめて、訪問者は雪のついたフードを払う。
「⋯なんて言っても、冬にこんな所まで来る奴なんてまずいないよな」
分厚い手袋をとり、ふかふかとした耳あてをはずすと、額の横で結ばれた黄色の細布が揺れた。雪で湿ってしまったのか、いつもよりその色は鮮やかに見える。
5459暖炉にくべられた薪が、かすかな音をたててはぜる。
それまで手にしていたものを床に置いた箱に入れ、麻布をかぶせると、ヒュンケルは、テーブルの上の木屑をさっと払った。
もう一度椅子に落ち着くのと、扉がどんどんと叩かれたのは、ほぼ同時だった。
「錠はしていない。入ってくれ」
声をかけると、厚い木の扉が、軋みながら開く。
外の冷気をまとって、雪だらけの少年が顔を覗かせた。
「あいてんのかよ。不用心じゃねぇの」
扉を後ろ手にしめて、訪問者は雪のついたフードを払う。
「⋯なんて言っても、冬にこんな所まで来る奴なんてまずいないよな」
分厚い手袋をとり、ふかふかとした耳あてをはずすと、額の横で結ばれた黄色の細布が揺れた。雪で湿ってしまったのか、いつもよりその色は鮮やかに見える。