NARUHA
DONE父の日のビリー。かつての父と。いつも通り過去捏造。
勢いで書いたので文章が変なところもあるかもしれない
手袋とバラと緑の丘小さな丘の上、綺麗な緑の芝に白い四角い石が鎮座している。そこにはまだビリーの読めない文字で名前がふたつ書かれていた。
お父さんはそれが誰の名前なのかを教えてはくれなかったけれど、ビリーがうんと小さい頃から、本当に時々ここへとフラッとやって来て、花を置いて祈りを捧げていた。
――きっとお父さんにとって大切な人だったのだろう。
思ったのは、それだけ。祈るすべも知らなくて、ビリーはお父さんの祈りの背中を眺めているだけだった。
滅多に来ることのないその墓が誰の墓であるかなんて、ビリーはとても聞けなかった。何となく聞いてはいけないような気がして、それと同時に、どうして自分にはお母さんがいないのか、どうしてお父さんとは髪の色も目の色も違うのか、そんな疑問が湧いてくるようになった。
4855お父さんはそれが誰の名前なのかを教えてはくれなかったけれど、ビリーがうんと小さい頃から、本当に時々ここへとフラッとやって来て、花を置いて祈りを捧げていた。
――きっとお父さんにとって大切な人だったのだろう。
思ったのは、それだけ。祈るすべも知らなくて、ビリーはお父さんの祈りの背中を眺めているだけだった。
滅多に来ることのないその墓が誰の墓であるかなんて、ビリーはとても聞けなかった。何となく聞いてはいけないような気がして、それと同時に、どうして自分にはお母さんがいないのか、どうしてお父さんとは髪の色も目の色も違うのか、そんな疑問が湧いてくるようになった。