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PAST※流血描写注意。リカルド×ハスタ(TOI)。前回のものと同じ時間軸。
感情がアレなハスタと、ハスタが嫌いだけど割と好きでもあるリカルド。
西の辺境の戦場にて・2敵兵が撤退するのが見えて、戦は一段落した。味方の兵士や傭兵たちは一様に疲労と安堵を表した。リカルドは一通り辺りを見渡した後、漸くライフルを収めた。硝煙や砂塵が舞う中、味方の無事を確認しながら歩いていると、ハスタが槍の穂先を地面に刺して蹲っているのが見えた。彼の周囲には一際死体が──原型を留めていない形も多く──堆く倒れている。血肉がそこかしこに散らばっている。あまりの悍ましさに、味方の誰も彼に近付こうとはしない。リカルドはハスタの様子が少しおかしい事に気付き、眉を顰めながら彼に歩み寄った。
「ハスタ、何をしている」
声を掛けると、ハスタはゆっくりと振り返ってきた。特に何でも無さそうな──というより、何を考えているのかさっぱり分からない──表情をしている。しかしよく見ると、口元が僅かに歪んでいるような気がする。
1747「ハスタ、何をしている」
声を掛けると、ハスタはゆっくりと振り返ってきた。特に何でも無さそうな──というより、何を考えているのかさっぱり分からない──表情をしている。しかしよく見ると、口元が僅かに歪んでいるような気がする。
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PASTリカルド×ハスタ(TOI)。最初の試し書き。短い。時系列は本編開始前。
西の辺境の戦場にて・1爆音や悲鳴が響き渡る戦場。辺りは鉄や火薬、血の臭いで溢れ、慣れない者は反吐を吐く。視界は爆発の煙や砂埃で阻まれる。そんな中でもリカルドは至って冷静にライフルを構えている、繁みの中に隠れながら敵に標準を合わせ、不気味なほど正確に当てる。次々と敵は倒れて行く。
不意に、真っ赤な服が視界に入る。敵国の赤い軍服とは違う、戦場には似つかわしくない──血の色を想起させる──真紅のジャケットと、フリルのついた白いブラウス。こんな派手な衣装を着て戦場に立っている人間は一人しかない。
“そいつ”は長大な槍で敵を貫き、屠り、辺り一面に血の花を咲かせている。気の抜けたような動作で、しかし淀みなく抜かりなく、肉を斬り裂いてゆく。そいつの表情が見えた。笑っている。気味の悪いのっぺりとした顔。
500不意に、真っ赤な服が視界に入る。敵国の赤い軍服とは違う、戦場には似つかわしくない──血の色を想起させる──真紅のジャケットと、フリルのついた白いブラウス。こんな派手な衣装を着て戦場に立っている人間は一人しかない。
“そいつ”は長大な槍で敵を貫き、屠り、辺り一面に血の花を咲かせている。気の抜けたような動作で、しかし淀みなく抜かりなく、肉を斬り裂いてゆく。そいつの表情が見えた。笑っている。気味の悪いのっぺりとした顔。