heartyou_irir
DONE6/30のJUNE BRIDE FES 2024で頒布したヴァルエン無配本と続きというか補足。その後の話……みたいな。※CPはヴァルエンのみです。他CPは含まれません。
ぼんやりとした頭、そしてぼんやりとした視界が最初に認識したのは、空間を彩るピンク色だった。
壁に設置している蜘蛛の巣をモチーフにした照明からゆっくりと天井を見上げ、そこから枕に埋もれるように壁とは反対へと顔を向けると、照明がついたままのドレッサーが目に入った。
部屋を満たすピンク色を邪魔しない程度に淡く光を放つ照明に照らされた小瓶たちはどれも見覚えがあるが、いまいちハッキリと思い出せない。
エンジェルはそのままぼんやりとドレッサーの上に転がっているいくつもの小瓶や櫛、そして玩具を見つめていた。
「……」
何かが頭の片隅に引っかかる。けれど靄がかかったように上手く働かない頭には何も浮かんでこなかった。
時間ばかりが無為に流れていく。
3660壁に設置している蜘蛛の巣をモチーフにした照明からゆっくりと天井を見上げ、そこから枕に埋もれるように壁とは反対へと顔を向けると、照明がついたままのドレッサーが目に入った。
部屋を満たすピンク色を邪魔しない程度に淡く光を放つ照明に照らされた小瓶たちはどれも見覚えがあるが、いまいちハッキリと思い出せない。
エンジェルはそのままぼんやりとドレッサーの上に転がっているいくつもの小瓶や櫛、そして玩具を見つめていた。
「……」
何かが頭の片隅に引っかかる。けれど靄がかかったように上手く働かない頭には何も浮かんでこなかった。
時間ばかりが無為に流れていく。
heartyou_irir
DONEヴァルエン。怖い夢を見たエンジェルの話。「……ここ、どこ」
エンジェルがぽつんと立ち尽くすそこは、慣れ親しんだ地獄の風景とも違う、なんとも奇妙な場所だった。
建物どころか人影さえもないそこは、まるでただっ広い荒野のようでありながら天も地もない無機質な空間のようでもあり、見上げた先には赤黒くどんよりとした血のような色が広がっていた。
地獄に堕ちてからそれなりの年月を過ごしていたエンジェルでさえも、こんな光景は見たことがない。
「なにこれ。なんで俺こんなところにいんの?」
ここに至るまでの記憶を辿ろうとしても何一つ思い出せることがなく、エンジェルは途方に暮れる。
「待て待て待て、どういうこと?なぁ!誰かいないのか!?なぁ!!」
理解が追いつかない状況に頭を抱えながらも一縷の望みを抱いて虚空に向かって叫ぶが、やはり応えが返ってくることはない。
4938エンジェルがぽつんと立ち尽くすそこは、慣れ親しんだ地獄の風景とも違う、なんとも奇妙な場所だった。
建物どころか人影さえもないそこは、まるでただっ広い荒野のようでありながら天も地もない無機質な空間のようでもあり、見上げた先には赤黒くどんよりとした血のような色が広がっていた。
地獄に堕ちてからそれなりの年月を過ごしていたエンジェルでさえも、こんな光景は見たことがない。
「なにこれ。なんで俺こんなところにいんの?」
ここに至るまでの記憶を辿ろうとしても何一つ思い出せることがなく、エンジェルは途方に暮れる。
「待て待て待て、どういうこと?なぁ!誰かいないのか!?なぁ!!」
理解が追いつかない状況に頭を抱えながらも一縷の望みを抱いて虚空に向かって叫ぶが、やはり応えが返ってくることはない。