ヨワネ
PAST愛されている自覚はあった。……でも、彼は 「あなたは、彼の弱点なんです」
そう告げる伊地知さん。その表情は真剣で。いつもと違う雰囲気にブルッと身体が震えた。
「あなたを傷つける人間は必ず始末します。それだけじゃありません。その人間に関わった者たちも対象です」
心当たりがあるのではないですか?
その問いかけに、ハッ、と息を呑む。
(そうだ、今まで……)
敵はおろか、伊地知さんや生徒達に向ける視線が怖いときがあった。とくに恵君には……。
でもそれは、ヤキモチなんだと思っていたけど……今となっては、そんなことで片付けられる話じゃないとわかる。
「あなたの言葉一つで、彼はなんでもします」
ーーだから、どうか
「ご自身の立場を、ご理解ください」
778そう告げる伊地知さん。その表情は真剣で。いつもと違う雰囲気にブルッと身体が震えた。
「あなたを傷つける人間は必ず始末します。それだけじゃありません。その人間に関わった者たちも対象です」
心当たりがあるのではないですか?
その問いかけに、ハッ、と息を呑む。
(そうだ、今まで……)
敵はおろか、伊地知さんや生徒達に向ける視線が怖いときがあった。とくに恵君には……。
でもそれは、ヤキモチなんだと思っていたけど……今となっては、そんなことで片付けられる話じゃないとわかる。
「あなたの言葉一つで、彼はなんでもします」
ーーだから、どうか
「ご自身の立場を、ご理解ください」
ヨワネ
PAST〜身体を這うその手〜 フリーの時は仕事をしていなかった警戒心。
でも、五条と付き合うようになってから繁忙期に突入し。毎日のように頭で警報が鳴り響いていた。
「なっ、なんでそんなところで寝てるの……!?」
朝、胸の上に真っ白い頭があり、ぎゃっ!!と乙女とは程遠い悲鳴を上げたり。
あ、ちょっ……揉むんじゃない!!
「……んっ、くすぐったい」
書類に目を通しているとき。
首もとを這う生暖かい舌だったり……
「ここに僕のを入れたら、お前壊れちゃうかもしれないね」
2人っきりのエレベーター。
わさわさとお腹を触ってきたり。
ちょっ、へその奥、やめて……
くっ、と押され甘い声が漏れたり……
「もうちょっと抑えてほしいんだけど……」
410でも、五条と付き合うようになってから繁忙期に突入し。毎日のように頭で警報が鳴り響いていた。
「なっ、なんでそんなところで寝てるの……!?」
朝、胸の上に真っ白い頭があり、ぎゃっ!!と乙女とは程遠い悲鳴を上げたり。
あ、ちょっ……揉むんじゃない!!
「……んっ、くすぐったい」
書類に目を通しているとき。
首もとを這う生暖かい舌だったり……
「ここに僕のを入れたら、お前壊れちゃうかもしれないね」
2人っきりのエレベーター。
わさわさとお腹を触ってきたり。
ちょっ、へその奥、やめて……
くっ、と押され甘い声が漏れたり……
「もうちょっと抑えてほしいんだけど……」
ヨワネ
DONE〜呪霊を魅了する彼女〜 「こっちだよ」
耳元から聞こえた声にバッと振り返る。
……誰もいない。
(…あれ…今、声が……)
目の前に広がる闇を困惑したまま見つめていると、耳元でまた囁かれた。
――おいで
――こっちだよ
(さとる君……)
ちがう。彼じゃない。
わかっているけど足が勝手に動く。
(いや…行きたくない……!!)
抵抗しているのに声のもとへ向かおうとしていて。そのまま体が闇に包まれようとした瞬間、視界が奪われた。
「ほんと厄介な体質だね〜」
耳元から聞こえた声に、今度は彼だとわかった。
(……さとる君だ!)
両目を塞ぐ大きな手からは彼のぬくもりが伝わってきて。もう大丈夫だと、ほっと肩の力が抜ける。
484耳元から聞こえた声にバッと振り返る。
……誰もいない。
(…あれ…今、声が……)
目の前に広がる闇を困惑したまま見つめていると、耳元でまた囁かれた。
――おいで
――こっちだよ
(さとる君……)
ちがう。彼じゃない。
わかっているけど足が勝手に動く。
(いや…行きたくない……!!)
抵抗しているのに声のもとへ向かおうとしていて。そのまま体が闇に包まれようとした瞬間、視界が奪われた。
「ほんと厄介な体質だね〜」
耳元から聞こえた声に、今度は彼だとわかった。
(……さとる君だ!)
両目を塞ぐ大きな手からは彼のぬくもりが伝わってきて。もう大丈夫だと、ほっと肩の力が抜ける。
ヨワネ
DONE〜五条、お喋りインコのせいで誤解される〜 「ア、モシモシ〜」
ふと聞こえてきた声。
すこし高音で裏返ったその声に、誰?と、声の先を見ると、そこには小さくてまるまるとしたインコがいた。わぁ〜、かわいい。どこの子だろう。近寄るとインコちゃんからも近寄ってきてくれて、頭を撫でながら挨拶をした。
「こんにちは。散歩でもしてるの?」
言ってみたものの、インコを放し飼いするなんて聞いたことないなと気づく。飼い主さんには許可は取った?と、返ってくるはずもないのにまた話しかけると「ア、ソレハダイジョウブデス」と返ってきて、思わずむせた。
「そ、そうなんだ……でも、外は危ないよ?」
「ソウデスネ」
「(ほんとにわかってるのかな?)お家わかる?一緒に帰ろ?」
1113ふと聞こえてきた声。
すこし高音で裏返ったその声に、誰?と、声の先を見ると、そこには小さくてまるまるとしたインコがいた。わぁ〜、かわいい。どこの子だろう。近寄るとインコちゃんからも近寄ってきてくれて、頭を撫でながら挨拶をした。
「こんにちは。散歩でもしてるの?」
言ってみたものの、インコを放し飼いするなんて聞いたことないなと気づく。飼い主さんには許可は取った?と、返ってくるはずもないのにまた話しかけると「ア、ソレハダイジョウブデス」と返ってきて、思わずむせた。
「そ、そうなんだ……でも、外は危ないよ?」
「ソウデスネ」
「(ほんとにわかってるのかな?)お家わかる?一緒に帰ろ?」
ヨワネ
DONE〜五条、心強い味方を手に入れる〜 彼女の両親とご飯を食べることになった五条。
僕ちょっとニガテなんだよね〜。母親とは良好だが父親はニガテだったりする。彼女が悲しむので絶対口にはしないけど、内心ウゲーッと思っていたり。それもそのはず。父親は彼女が大好き。娘を取られて血管ブチギレ。だから五条が死ぬほど気にくわず素っ気ない態度を取っていた。
「なんだね、その頭は」
「地毛です」
「今は当主かもしれないが、どうせ若い頃はチャラチャラ遊び呆けていたんだろう」
「今も若いです」
もうヤダこのおっさん。めちゃくちゃ人のことディスってくるじゃん。自分も人のことは言えないのが、このおっさんよりマシだと心の中で涙を流す。そんな2人をのほほんと見つめる母と娘。
795僕ちょっとニガテなんだよね〜。母親とは良好だが父親はニガテだったりする。彼女が悲しむので絶対口にはしないけど、内心ウゲーッと思っていたり。それもそのはず。父親は彼女が大好き。娘を取られて血管ブチギレ。だから五条が死ぬほど気にくわず素っ気ない態度を取っていた。
「なんだね、その頭は」
「地毛です」
「今は当主かもしれないが、どうせ若い頃はチャラチャラ遊び呆けていたんだろう」
「今も若いです」
もうヤダこのおっさん。めちゃくちゃ人のことディスってくるじゃん。自分も人のことは言えないのが、このおっさんよりマシだと心の中で涙を流す。そんな2人をのほほんと見つめる母と娘。
ヨワネ
DONE〜神様の加護に護られた彼女。そんな彼女を手に入れたい上層部。天罰が下る〜 神様のお気に入りの彼女。
だからいつも彼女の周りの空気は美味しくて。深呼吸するだけで、あら不思議。病気が治ってしまう。これには上層部のおじいちゃん達もびっくり。なにこの子、すごくない?なんちゅーチカラじゃ!欲しい!そのチカラを呪術界の為に使え!自分の欲に忠実なおじいちゃん達。これには五条もびっくり。いや、おじいちゃん達。僕の奥さん、ものすんごーく邪険にしてたじゃん。
もちろん神様も黙っているはずもなく。
「地獄に落とすぞクソ野郎共ッ!!!」
と言わんばかりにおじいちゃん達の家を半分更地に。おじいちゃん達腰抜かす。
い、家が……!!!
「ヒィーッ!!!ほんと、僕の奥さん最高なんだけどー!!!」
394だからいつも彼女の周りの空気は美味しくて。深呼吸するだけで、あら不思議。病気が治ってしまう。これには上層部のおじいちゃん達もびっくり。なにこの子、すごくない?なんちゅーチカラじゃ!欲しい!そのチカラを呪術界の為に使え!自分の欲に忠実なおじいちゃん達。これには五条もびっくり。いや、おじいちゃん達。僕の奥さん、ものすんごーく邪険にしてたじゃん。
もちろん神様も黙っているはずもなく。
「地獄に落とすぞクソ野郎共ッ!!!」
と言わんばかりにおじいちゃん達の家を半分更地に。おじいちゃん達腰抜かす。
い、家が……!!!
「ヒィーッ!!!ほんと、僕の奥さん最高なんだけどー!!!」
ヨワネ
PAST〜猫どころか化け猫の皮をかぶっている五条〜 「僕ね、疲れたんだ……」
だからね、よしよしして?
そう言って彼女のお腹に顔を埋める五条。ここ最近、出張が続いていてメンタルはボロボロ。……嘘だけど。でも疲れているのはほんと。
お疲れさま。
そう言って、よしよしと頭を撫でてくれる彼女に、そうなの。だからいーっぱい甘やかして?とワガママを発揮する。
大好きって言って。
あと、カッコイイも。
言いたい放題やりたい放題の五条と、それに付き合う彼女。そんな2人を少し離れた場所で見ている伊地知は思った。
(……またやってる)
イチャイチャに遭遇する率がエグすぎてお腹がいっぱいどころか胃もたれを起こしていた。
(…あぁ…時間が……)
784だからね、よしよしして?
そう言って彼女のお腹に顔を埋める五条。ここ最近、出張が続いていてメンタルはボロボロ。……嘘だけど。でも疲れているのはほんと。
お疲れさま。
そう言って、よしよしと頭を撫でてくれる彼女に、そうなの。だからいーっぱい甘やかして?とワガママを発揮する。
大好きって言って。
あと、カッコイイも。
言いたい放題やりたい放題の五条と、それに付き合う彼女。そんな2人を少し離れた場所で見ている伊地知は思った。
(……またやってる)
イチャイチャに遭遇する率がエグすぎてお腹がいっぱいどころか胃もたれを起こしていた。
(…あぁ…時間が……)
ヨワネ
PAST〜五条に自分の想いを見抜かれていた七海の話〜 「あれ〜、七海じゃん!」
次の任務まで時間があり、珈琲を飲み自分時間を楽しんでいた七海。そこに聞きたくもない声が聞こえてきてテンションはダダ下がり。ズカズカと向かいのソファに腰を下ろす五条を見て、はぁ、とため息をついた。
「なぜあなたがここに?」
出張だったはずだと告げると、どうやら変更があったらしく、調整に入っている間、彼女とイチャイチャしていたという。
……地味に生々しい。
ゲンナリするが、彼女はあいかわらずとのことで安心した。最近忙しく会えずにいたから。
ふと蘇る彼女の笑顔。
「良かったですね」
彼女があなたを選んでくれて。
気づいたらそんな言葉を口にしていた。言いたいことを理解したのか、五条はニヤリと笑い、まぁね〜と答えた。
587次の任務まで時間があり、珈琲を飲み自分時間を楽しんでいた七海。そこに聞きたくもない声が聞こえてきてテンションはダダ下がり。ズカズカと向かいのソファに腰を下ろす五条を見て、はぁ、とため息をついた。
「なぜあなたがここに?」
出張だったはずだと告げると、どうやら変更があったらしく、調整に入っている間、彼女とイチャイチャしていたという。
……地味に生々しい。
ゲンナリするが、彼女はあいかわらずとのことで安心した。最近忙しく会えずにいたから。
ふと蘇る彼女の笑顔。
「良かったですね」
彼女があなたを選んでくれて。
気づいたらそんな言葉を口にしていた。言いたいことを理解したのか、五条はニヤリと笑い、まぁね〜と答えた。
ヨワネ
PAST〜手のひら返しが早い五条〜 「ぜぇえええったい、ダメッ!!!」
目の前にいる子猫を見て、両手でバツマークを作る五条。一時的だとしてもダメです。許しません。は?薄情者?何言ってんの。お前、絶対そいつにつきっきりになるじゃん。その間、僕はどうするのさ。ブーブー文句をたれる。
夜、イチャイチャしてるときに鳴かれたら困るのはこっちなのだ。突然やって来た新参者が出しゃばるんじゃない!
「そいつは、硝子か七海にでも」
――にゃ〜ん
「任せたらい」
――にゃ〜ん
「いぃぃぃ……よくないね〜!!!」
きゅるんと見つめる子猫に落ちた瞬間だった。
「んもうッ!!なに、その顔!!かわいくおねだりしてもダメだからね!!飼わないよ!!1日だけだよ!!」
390目の前にいる子猫を見て、両手でバツマークを作る五条。一時的だとしてもダメです。許しません。は?薄情者?何言ってんの。お前、絶対そいつにつきっきりになるじゃん。その間、僕はどうするのさ。ブーブー文句をたれる。
夜、イチャイチャしてるときに鳴かれたら困るのはこっちなのだ。突然やって来た新参者が出しゃばるんじゃない!
「そいつは、硝子か七海にでも」
――にゃ〜ん
「任せたらい」
――にゃ〜ん
「いぃぃぃ……よくないね〜!!!」
きゅるんと見つめる子猫に落ちた瞬間だった。
「んもうッ!!なに、その顔!!かわいくおねだりしてもダメだからね!!飼わないよ!!1日だけだよ!!」
ヨワネ
PAST〜妖精が上層部にイタズラしているのを見て腹がよじれそうになる五条〜 (え、なに?どういうこと……?)
五条は困惑した。
上層部との話し合い中、突然現れた奇妙な物体。ふよふよと浮いているその物体は、ちいさくて何故か光っており。襖を通して話している上層部の周りを飛んでいた。
ただそれだけなら、あっ、なんかいるなぁ。おじいちゃんの小言、面倒くさいからちょうど良かったなぁ。……と思えるのだが、
(ちょっと待って。ほんとやめて)
その物体が、おじいちゃんの髪の毛で遊んでいるのだ。
「ぶっ!!!」
「なんじゃ」
「……グフッ、い、いえ……」
言えない。
今あなたの髪、三つ編みにされているなんて。口が裂けても言えない。襖に映る影から三つ編みがどんどん完成されているのがわかり、笑いをこらえるため、必死に腹に力をいれる。がんばれ、僕!!!
971五条は困惑した。
上層部との話し合い中、突然現れた奇妙な物体。ふよふよと浮いているその物体は、ちいさくて何故か光っており。襖を通して話している上層部の周りを飛んでいた。
ただそれだけなら、あっ、なんかいるなぁ。おじいちゃんの小言、面倒くさいからちょうど良かったなぁ。……と思えるのだが、
(ちょっと待って。ほんとやめて)
その物体が、おじいちゃんの髪の毛で遊んでいるのだ。
「ぶっ!!!」
「なんじゃ」
「……グフッ、い、いえ……」
言えない。
今あなたの髪、三つ編みにされているなんて。口が裂けても言えない。襖に映る影から三つ編みがどんどん完成されているのがわかり、笑いをこらえるため、必死に腹に力をいれる。がんばれ、僕!!!
ヨワネ
DONE〜朝からまた変なことを言っている五条の話〜 「僕たち、離れられないんだ……」
神妙な面持ちで、そう告げる五条。
彼の膝には、頭を乗せ寝ている彼女がいて。そんな彼女をそっと撫でては、「ほんと、厄介な呪いだよ」などとバカなことを言っていた。
そんな五条に、伊地知はスルー出来るはずもなく。「は、はぁ…そうですか……」と時間に追われている焦りからか大量に出てくる汗を拭きつつ返す。そして「それ、いつもじゃないですか」と。
そもそも離れられないのは、あなたが彼女を離さないからでは?むしろ呪いはあなた自身じゃ……。と、言いたい気持ちをグッと抑えている。
「あ、あの……そろそろ、時間が……」
「あ"ぁ?」
「ひぃいい、すみません!!!」
639神妙な面持ちで、そう告げる五条。
彼の膝には、頭を乗せ寝ている彼女がいて。そんな彼女をそっと撫でては、「ほんと、厄介な呪いだよ」などとバカなことを言っていた。
そんな五条に、伊地知はスルー出来るはずもなく。「は、はぁ…そうですか……」と時間に追われている焦りからか大量に出てくる汗を拭きつつ返す。そして「それ、いつもじゃないですか」と。
そもそも離れられないのは、あなたが彼女を離さないからでは?むしろ呪いはあなた自身じゃ……。と、言いたい気持ちをグッと抑えている。
「あ、あの……そろそろ、時間が……」
「あ"ぁ?」
「ひぃいい、すみません!!!」
ヨワネ
DONE〜天然すぎる彼女が上層部にえげつない呪いをかけててグッジョブする五条の話〜 「はぁーーー!!さいっこう!!」
お前、ほんと最高なんだけど!!!
お腹を抱えゲラゲラ笑い転げる彼を見て、なんでこんな事になったんだっけ?と任務後に出会ったあるお婆さんのことを思い出す。
任務後。時間が余ったのでみんなにお土産を買って帰ろうとしたとき、ふと建物の角にお婆さんが座っているのが見えた。
(なんだろう……?)
いつもなら気にしないのに、この時だけは妙に気になって。近づいてみると机には “占い” と書かれていて、なるほど占い師さんなんだと納得。すると、占ってあげると言われ、あれよあれよと手を見せることに。
「あんたはとんでもない人間に執着されている」
「その人間の欲が魂にまで巻きついていて、来世も離れないだろうね」
863お前、ほんと最高なんだけど!!!
お腹を抱えゲラゲラ笑い転げる彼を見て、なんでこんな事になったんだっけ?と任務後に出会ったあるお婆さんのことを思い出す。
任務後。時間が余ったのでみんなにお土産を買って帰ろうとしたとき、ふと建物の角にお婆さんが座っているのが見えた。
(なんだろう……?)
いつもなら気にしないのに、この時だけは妙に気になって。近づいてみると机には “占い” と書かれていて、なるほど占い師さんなんだと納得。すると、占ってあげると言われ、あれよあれよと手を見せることに。
「あんたはとんでもない人間に執着されている」
「その人間の欲が魂にまで巻きついていて、来世も離れないだろうね」
ヨワネ
PAST〜子守唄でみんな寝るのに五条だけ様子がおかしい話〜 「え、どういうこと?」
膝枕をしてと言われたので、彼の頭を乗せ子守唄をうたってあげたら彼の様子がおかしくなった。
(目がガンギマッてる……)
ギラギラと下から見上げてくる姿が怖すぎて
思わずひぇっ、とマヌケな声がでる。
「す、すこしでも、眠ったらどうかな……」
せっかく仮眠が取れそうなのに、逆に目が冴えわたっていたら意味がないじゃないか。とりあえず落ち着こ?トントン、と胸を上をやさしく叩き安眠へと誘う。眠れ眠れともはや念みたいになっているがこの際気にしない。
まばたきすらしない彼に、もうこれホラーだと思っていたら、突然下から、
「すげー、ムラムラする」
「……は?」
え、ム、ムラムラ?ウトウトじゃなくて?
566膝枕をしてと言われたので、彼の頭を乗せ子守唄をうたってあげたら彼の様子がおかしくなった。
(目がガンギマッてる……)
ギラギラと下から見上げてくる姿が怖すぎて
思わずひぇっ、とマヌケな声がでる。
「す、すこしでも、眠ったらどうかな……」
せっかく仮眠が取れそうなのに、逆に目が冴えわたっていたら意味がないじゃないか。とりあえず落ち着こ?トントン、と胸を上をやさしく叩き安眠へと誘う。眠れ眠れともはや念みたいになっているがこの際気にしない。
まばたきすらしない彼に、もうこれホラーだと思っていたら、突然下から、
「すげー、ムラムラする」
「……は?」
え、ム、ムラムラ?ウトウトじゃなくて?
ヨワネ
PAST〜彼女のお弁当が加護マシマシで五条が怪力お化けになる話〜 「気をつけてね」
いってらっしゃい!の言葉とともに渡されたお弁当。両手にすっぽりとおさまるソレを見て五条は、わーい!と喜んだ。
「ありがとう!」
彼女のお見送りに、お弁当。
(もぉ〜、幸せすぎる〜!)
思わずほんのりと温かいお弁当に頬ずり。運転席で伊地知がドン引きしているが気にしない。
――
―――
「……食べちゃった」
移動中、あまりにも嬉しくて我慢できなかった。
(卵焼き、もっと食べたかったな……)
口の中で広がる甘さ。それはまさに彼女をいつもより激しく愛していたときのようで。もっと、と自分の欲が望んでいる。それだけではない。
「なーんか、落ち着かないなぁー」
いつもは感じない違和感。特に気持ち悪さなどはないが、なぜか落ち着かない。なんだろう、今なら呪力なしで倒せる気がする。
745いってらっしゃい!の言葉とともに渡されたお弁当。両手にすっぽりとおさまるソレを見て五条は、わーい!と喜んだ。
「ありがとう!」
彼女のお見送りに、お弁当。
(もぉ〜、幸せすぎる〜!)
思わずほんのりと温かいお弁当に頬ずり。運転席で伊地知がドン引きしているが気にしない。
――
―――
「……食べちゃった」
移動中、あまりにも嬉しくて我慢できなかった。
(卵焼き、もっと食べたかったな……)
口の中で広がる甘さ。それはまさに彼女をいつもより激しく愛していたときのようで。もっと、と自分の欲が望んでいる。それだけではない。
「なーんか、落ち着かないなぁー」
いつもは感じない違和感。特に気持ち悪さなどはないが、なぜか落ち着かない。なんだろう、今なら呪力なしで倒せる気がする。
ヨワネ
PAST〜彼女の遊びに付き合ってあげて最後はお仕置きする五条の話〜 (……ん?)
ふと、背後に愛しい彼女がいることに気づいた。いつもなら自分を見たけたらすぐに駆け寄って来るのに、今日はなかなか来ない。それどころか一定の距離を保ってさえいるように思え、もしやと五条はニヤリと笑う。
(あいつ、僕を驚かそうとしてるな)
気配はちゃんと消せている。でも自分がつけた呪力がバカほど巻きついているので嫌でも気づいてしまう。もし彼女の気配だけなら気づけなかったが、過去の自分のおかけでこうして後ろを振り向かなくても気づけた。
(おっ、だんだん近づいて来てる)
そろりそろり。彼女が近づいているのがわかる。本人は気づかれていないと全力で思っているのがまたかわいい。ニヤニヤする口を必死でチャック。そのまま彼女の遊びに付き合ってやることに。携帯を触り気づいていないアピールをする。そろりとゆっくりだったスピードが一気にあがる。
878ふと、背後に愛しい彼女がいることに気づいた。いつもなら自分を見たけたらすぐに駆け寄って来るのに、今日はなかなか来ない。それどころか一定の距離を保ってさえいるように思え、もしやと五条はニヤリと笑う。
(あいつ、僕を驚かそうとしてるな)
気配はちゃんと消せている。でも自分がつけた呪力がバカほど巻きついているので嫌でも気づいてしまう。もし彼女の気配だけなら気づけなかったが、過去の自分のおかけでこうして後ろを振り向かなくても気づけた。
(おっ、だんだん近づいて来てる)
そろりそろり。彼女が近づいているのがわかる。本人は気づかれていないと全力で思っているのがまたかわいい。ニヤニヤする口を必死でチャック。そのまま彼女の遊びに付き合ってやることに。携帯を触り気づいていないアピールをする。そろりとゆっくりだったスピードが一気にあがる。
ヨワネ
PAST〜起きない五条を奥の手(彼女)を使って起こす話〜 「す、すみませんっ!!!」
私の顔を見るなりペコペコと高速謝罪をする伊地知さん。そんな彼に大丈夫だと告げ、呼び出された原因へと近づく。
(うん、これは嘘寝だな)
頭の後ろで手を組み寝ている五条。そんな彼を見て、まったく……と苦笑いする。
ここまで駄々をこねるのは珍しい。
まあ、出張が終わり、やっと半日ではあるが休みが取れたのに急遽任務が入ってしまったからだろう。
「悟君、起きて。任務行かなきゃ」
ゆさゆさと彼の体を揺する。後ろで伊地知さんが電話をしたりパソコンを触っているから相当時間が押してるのだろう。
もう一度、ほら起きてと彼に呼びかけると、「僕、まだ寝てまーす」となんともハッキリな声で返ってきた。
1146私の顔を見るなりペコペコと高速謝罪をする伊地知さん。そんな彼に大丈夫だと告げ、呼び出された原因へと近づく。
(うん、これは嘘寝だな)
頭の後ろで手を組み寝ている五条。そんな彼を見て、まったく……と苦笑いする。
ここまで駄々をこねるのは珍しい。
まあ、出張が終わり、やっと半日ではあるが休みが取れたのに急遽任務が入ってしまったからだろう。
「悟君、起きて。任務行かなきゃ」
ゆさゆさと彼の体を揺する。後ろで伊地知さんが電話をしたりパソコンを触っているから相当時間が押してるのだろう。
もう一度、ほら起きてと彼に呼びかけると、「僕、まだ寝てまーす」となんともハッキリな声で返ってきた。
ヨワネ
MEMO*Xに投稿したストーリーの詳細バージョン*説明っぽく書いています
〜記憶を奪われ自分のことを忘れてしまった恋人を救う五条〜 最近、非術師を襲っているある呪霊。
人の記憶をエサに活動するその呪霊に五条の恋人である夢主が襲われた。眠り続けてしまった夢主を心配する五条。
そんなとき、目が覚めた夢主。
声を掛けると返ってきたのは、
「どちら様、ですか……」
自分のことを忘れていた。
(あいつの仕業かーー)
五条、すぐに呪霊を探しに。
だが、なかなか見つからない。
かくれんぼが得意でうまく五条達の目を掻い潜っていた。そんなあるとき、夢主の前にまた姿を現した呪霊。
夢主の記憶の味が気に入ったらしく、もっと欲しくなりやって来た。拘束される夢主。大きな口が夢主の頭を丸呑みしようとしたとき、五条登場。
「誰のもんに手出してんだ」
620人の記憶をエサに活動するその呪霊に五条の恋人である夢主が襲われた。眠り続けてしまった夢主を心配する五条。
そんなとき、目が覚めた夢主。
声を掛けると返ってきたのは、
「どちら様、ですか……」
自分のことを忘れていた。
(あいつの仕業かーー)
五条、すぐに呪霊を探しに。
だが、なかなか見つからない。
かくれんぼが得意でうまく五条達の目を掻い潜っていた。そんなあるとき、夢主の前にまた姿を現した呪霊。
夢主の記憶の味が気に入ったらしく、もっと欲しくなりやって来た。拘束される夢主。大きな口が夢主の頭を丸呑みしようとしたとき、五条登場。
「誰のもんに手出してんだ」
ヨワネ
MEMO〜天国にいる五条の幼馴染が五条をぶん殴る為きゅうりの馬に乗ってやって来る話〜 天国にいる五条の幼馴染。
毎年お盆の時期に帰って来ていたが、とうとう五条に対し激怒。現世に行くとき、誰かが自分のことを覚えているのが条件なのだが、毎年彼女は両親のおかげで他の死者同様帰れていた。
覚えてくれているのは嬉しい。でもほんとは五条に覚えていてほしい。両親ではなく、五条を通して現世に行きたかったのに、毎年検疫で告げられるのは両親の名前。
「私のこと、ほんとに忘れちゃったの……」
聞きたいけど聞けない。死んでもなお想っていることがだんだんバカらしくなってきて。あー、なんかむかついてきた。指をボキボキッ。両親が用意したきゅうりの馬に乗ってマッハで現世に。
649毎年お盆の時期に帰って来ていたが、とうとう五条に対し激怒。現世に行くとき、誰かが自分のことを覚えているのが条件なのだが、毎年彼女は両親のおかげで他の死者同様帰れていた。
覚えてくれているのは嬉しい。でもほんとは五条に覚えていてほしい。両親ではなく、五条を通して現世に行きたかったのに、毎年検疫で告げられるのは両親の名前。
「私のこと、ほんとに忘れちゃったの……」
聞きたいけど聞けない。死んでもなお想っていることがだんだんバカらしくなってきて。あー、なんかむかついてきた。指をボキボキッ。両親が用意したきゅうりの馬に乗ってマッハで現世に。
ヨワネ
DONE〜五条に必要とされていないと不安になっていたが、めちゃくちゃ必要とされていた伊地知の話〜 「え、なんかやつれてない!?」
教室に戻ろうとしたとき、伊地知を見かけた虎杖。いつものように声を掛けたのはいいが、振り向いた伊地知の顔を見てギョッとした。
「どしたの、伊地知さん!?」
いつものように自分の担任にこき使われたのか!?地味に攻撃性の高い言葉を平気で吐く担任。今回もそうだろうと勝手に担任のせいにしていたが、どうやらそうではないらしい。首を横に振る伊地知に、え、珍しい……。そう言えば、ここ最近担当から外れてるのを思い出す。
(先生めっちゃ駄々こねてたからなぁ〜)
190もある体を床に放り投げジタバタしていた光景が蘇る。そのうちブレイクダンスでもするんじゃないかとポツリと呟いたら、隣にいた伏黒が勘弁してくれと言ってたっけ。
1223教室に戻ろうとしたとき、伊地知を見かけた虎杖。いつものように声を掛けたのはいいが、振り向いた伊地知の顔を見てギョッとした。
「どしたの、伊地知さん!?」
いつものように自分の担任にこき使われたのか!?地味に攻撃性の高い言葉を平気で吐く担任。今回もそうだろうと勝手に担任のせいにしていたが、どうやらそうではないらしい。首を横に振る伊地知に、え、珍しい……。そう言えば、ここ最近担当から外れてるのを思い出す。
(先生めっちゃ駄々こねてたからなぁ〜)
190もある体を床に放り投げジタバタしていた光景が蘇る。そのうちブレイクダンスでもするんじゃないかとポツリと呟いたら、隣にいた伏黒が勘弁してくれと言ってたっけ。
ヨワネ
DONE「女なんてどうせ一緒だろ」ろくな奴がいねぇと思っていたのに、自分の名を呼ぶ彼女に我慢できず、気づいたら抱きしめていたーー
五条がはじめて恋をした相手が、呪われて眠り続けるお話。
〜自分のせいで呪われてしまい眠り続けてしまった彼女に、今日もおやすみを言う五条〜 「遅くなってごめんね」
ドアを開けゆっくりとベッドへと近づく。そばにあるパイプ椅子に腰かけ、いつものように話しはじめた。
「今日ね、お祭りやってたんだ」
大きな花火があがってたよ。
任務帰り、車内で見た何発もの花火。視界を埋めつくしたソレ。
(きっと、大はしゃぎするんだろうな……)
目の前にいる最愛のことを思い出し、息がうまくできなくなったことが蘇った。
“いつか、お揃いの浴衣着ようね!”
自分の瞳と同じ青がいいとリクエストしたっけ。結局着れなかったけど。
「その後、携帯で撮影して生徒達に送ったら仕事しろって返ってきてさー。ほんと、みんな僕をこき使いすぎだよね〜」
……まぁでも、それで救われてる部分もあるんだけどね。
785ドアを開けゆっくりとベッドへと近づく。そばにあるパイプ椅子に腰かけ、いつものように話しはじめた。
「今日ね、お祭りやってたんだ」
大きな花火があがってたよ。
任務帰り、車内で見た何発もの花火。視界を埋めつくしたソレ。
(きっと、大はしゃぎするんだろうな……)
目の前にいる最愛のことを思い出し、息がうまくできなくなったことが蘇った。
“いつか、お揃いの浴衣着ようね!”
自分の瞳と同じ青がいいとリクエストしたっけ。結局着れなかったけど。
「その後、携帯で撮影して生徒達に送ったら仕事しろって返ってきてさー。ほんと、みんな僕をこき使いすぎだよね〜」
……まぁでも、それで救われてる部分もあるんだけどね。
ヨワネ
DONE〜毎晩めちゃくちゃ愛しすぎて彼女が寝不足だけど、ごめん!やめられない!と逆に開き直る五条〜 「ごめん、僕が悪かった」
出された料理を見るなり頭を下げる五条。
(これ絶対僕のせいだよね……)
どこかぼーっとしている彼女がサラダに味噌をのせかけたのを見て、やっちゃった……と苦笑いする。
ーー遡ること数時間前。
今日の夕食はなにがいい?と聞かれ、ほわほわ〜と頭に浮かんできたハンバーグ。それを彼女に伝え、食後のケーキを片手にるんるんとスキップしながら帰宅したのはいいが、机に鎮座している料理に目がひん剥いた。
「え、なんでカレーとおにぎり……」
ちょっと訳がわからない。
頭に大量のハテナが飛び交う。
(おかしいな。自分の術くらってないのに……)
100歩譲ってカレーはまだわかる。でもおにぎりはほんと意味がわからない。自分の拳くらいあるソレに「バクダンかよ」と呟いてしまった。
781出された料理を見るなり頭を下げる五条。
(これ絶対僕のせいだよね……)
どこかぼーっとしている彼女がサラダに味噌をのせかけたのを見て、やっちゃった……と苦笑いする。
ーー遡ること数時間前。
今日の夕食はなにがいい?と聞かれ、ほわほわ〜と頭に浮かんできたハンバーグ。それを彼女に伝え、食後のケーキを片手にるんるんとスキップしながら帰宅したのはいいが、机に鎮座している料理に目がひん剥いた。
「え、なんでカレーとおにぎり……」
ちょっと訳がわからない。
頭に大量のハテナが飛び交う。
(おかしいな。自分の術くらってないのに……)
100歩譲ってカレーはまだわかる。でもおにぎりはほんと意味がわからない。自分の拳くらいあるソレに「バクダンかよ」と呟いてしまった。
ヨワネ
PAST神だろうと悪魔だろうと売られた喧嘩はきっちり返す男。それが五条悟。〜失った彼女の記憶を取り戻しに行く五条〜 はじめは些細なやりとりから始まり、次第に自分との思い出が彼女の中から消えていき不安になる五条。ちょっと目を離したら消えてしまうんじゃないかと怖くなり任務にまで連れて行こうとし、伊地知には泣かれ、家入からは雷が落ちた。
それらを全て跳ねのけくっつき虫になる五条に、さすがの彼女も困惑。
「大丈夫。どこにも行かないよ」
全く信用していない五条。
「それ、フラグだから」ボソッとつぶやく。
そんなとき五条のもとに家から電話が。探しものが見つかったと聞きダッシュで家に戻る。
彼女の失われた記憶を取り戻す方法が見つかりニヤリ。
(これでもう安心だ。ビクビクするのはおしまい!)
369それらを全て跳ねのけくっつき虫になる五条に、さすがの彼女も困惑。
「大丈夫。どこにも行かないよ」
全く信用していない五条。
「それ、フラグだから」ボソッとつぶやく。
そんなとき五条のもとに家から電話が。探しものが見つかったと聞きダッシュで家に戻る。
彼女の失われた記憶を取り戻す方法が見つかりニヤリ。
(これでもう安心だ。ビクビクするのはおしまい!)
ヨワネ
PAST目の前にいるのに、どんどん離れていく気がした。〜彼女の中から自分の記憶が消えていき不安になる五条〜 「あれ?」
隣にいる彼女から戸惑う声が聞こえ視線を向けると携帯を見ながら眉間にシワを寄せていた。どうしたの?と五条は声をかけると、あのねと口を開いた。
「これっていつ行ったっけ?」
渡された携帯。画面を覗くとそこには2人で花火を見に行ったときの思い出が映っており、どうしてそんな事を聞くのかと違和感を覚えつつ先週だよと伝える。
「え、うそ……」
驚く彼女。そんなの知らないと言わんばかりにカッと目を見開いていて、そんな彼女に別の意味で五条も驚いた。
(え、なに言ってんの……あんなに幸せそうにしてたのに)
“来年も見ようね!”
そう言って指切りもしたことが彼女の中ではなかったことになっており、胸の奥底から這い上がってくるナニカに身体がブルッと震えた。
434隣にいる彼女から戸惑う声が聞こえ視線を向けると携帯を見ながら眉間にシワを寄せていた。どうしたの?と五条は声をかけると、あのねと口を開いた。
「これっていつ行ったっけ?」
渡された携帯。画面を覗くとそこには2人で花火を見に行ったときの思い出が映っており、どうしてそんな事を聞くのかと違和感を覚えつつ先週だよと伝える。
「え、うそ……」
驚く彼女。そんなの知らないと言わんばかりにカッと目を見開いていて、そんな彼女に別の意味で五条も驚いた。
(え、なに言ってんの……あんなに幸せそうにしてたのに)
“来年も見ようね!”
そう言って指切りもしたことが彼女の中ではなかったことになっており、胸の奥底から這い上がってくるナニカに身体がブルッと震えた。
ヨワネ
PASTねぇ、僕長男だけどこんなの耐えられないよ。〜何度も記憶を失う彼女にはじめましてをする五条〜 「あの子が襲われた」
同期から聞いた知らせに、ひゅっと喉の奥が詰まった五条。
(え、待って。なんで……)
自分の弱点だからと対策はバッチリしてたのに。
脳裏に浮かぶ、ぱあっと花が咲いたような笑顔。
“さとる君”
自分を呼ぶ彼女の声が胸の奥からにじみ出るように響いた。
「……っ、」
急いで高専に戻る五条。医務室のドアをぶち壊す勢いで開け中へ入ると家入に睨まれたが無視。ベッドに眠る彼女の頬にそっと触れ目を閉じる。
「…………クソが」
ほんと嫌になる。
その時、
ピクッと動いた彼女のまぶた。
ゆっくりと開かれた目を覗き込むように顔を近づける。
「僕がわかる?」
頭が働いていないのか、ぼーっとしている彼女。ジッ、と見つめているとやっと五条の方を向きお互いの視線が交わった。
538同期から聞いた知らせに、ひゅっと喉の奥が詰まった五条。
(え、待って。なんで……)
自分の弱点だからと対策はバッチリしてたのに。
脳裏に浮かぶ、ぱあっと花が咲いたような笑顔。
“さとる君”
自分を呼ぶ彼女の声が胸の奥からにじみ出るように響いた。
「……っ、」
急いで高専に戻る五条。医務室のドアをぶち壊す勢いで開け中へ入ると家入に睨まれたが無視。ベッドに眠る彼女の頬にそっと触れ目を閉じる。
「…………クソが」
ほんと嫌になる。
その時、
ピクッと動いた彼女のまぶた。
ゆっくりと開かれた目を覗き込むように顔を近づける。
「僕がわかる?」
頭が働いていないのか、ぼーっとしている彼女。ジッ、と見つめているとやっと五条の方を向きお互いの視線が交わった。
ヨワネ
PASTもうね、事件のにおいしかしないんよ。〜来てはいけない世界に来てしまった五〜 いつも通り出張の五条。
県を飛び越えやって来たのはいいが、なんかおかしい。さっきから悲鳴やら爆発音がちらほら。
「え、ここ物騒すぎない?」
治安が悪いにもほどがあると目の前の建物から犯人らしき人物が連れて行かれる様子をぼーっと眺める五条。
「うん。帰ろう」
そうしよう。ロクなことがないと察しスタスタと呪霊のいる場所へと急ぐ。その間にも起こっているどんちゃん騒ぎ。
「あれれ〜。あいつなんで全身タイツなの〜?ヤバいじゃん。あっちにも眠ってる男性の後ろでブツブツひとり言を言ってる少年がいるし。まじでなにここ」
建物は吹っ飛ぶし、全身黒い奴はいるし、子供はぼっちだし。サバイバルすぎる場所だなぁ〜と思いつつ赫で豪快に呪霊をバンッ。あ、いっけない。また派手にやっちゃった!
441県を飛び越えやって来たのはいいが、なんかおかしい。さっきから悲鳴やら爆発音がちらほら。
「え、ここ物騒すぎない?」
治安が悪いにもほどがあると目の前の建物から犯人らしき人物が連れて行かれる様子をぼーっと眺める五条。
「うん。帰ろう」
そうしよう。ロクなことがないと察しスタスタと呪霊のいる場所へと急ぐ。その間にも起こっているどんちゃん騒ぎ。
「あれれ〜。あいつなんで全身タイツなの〜?ヤバいじゃん。あっちにも眠ってる男性の後ろでブツブツひとり言を言ってる少年がいるし。まじでなにここ」
建物は吹っ飛ぶし、全身黒い奴はいるし、子供はぼっちだし。サバイバルすぎる場所だなぁ〜と思いつつ赫で豪快に呪霊をバンッ。あ、いっけない。また派手にやっちゃった!
ヨワネ
PAST〜最強でも怖いものはある〜 「どうしたの?」
真下にある雪のような真っ白な頭。任務から帰ってくるなり、ぎゅっと抱きついてきて無言を貫いている。
「また何か言われた?」
「(フルフル)」
おじいちゃん達じゃないらしい。
じゃあ、なんだろう?
そのとき、胸の間に埋めていた顔がゆっくりと顔を見せた。
「お前がいなくなる夢をみた」
どうなら車で仮眠をとっているときに私がいなくなる夢をみたらしい。なるほど、だからこうしてくっつき虫になっているのか。
「どこにも行かないよ」
「知ってる。てか、行かせるわけないじゃん」
もうこりごり。
その言葉に昔の青い春が蘇る。
目の前にいる彼といつも共にいた、親友と呼べる彼のことが。
514真下にある雪のような真っ白な頭。任務から帰ってくるなり、ぎゅっと抱きついてきて無言を貫いている。
「また何か言われた?」
「(フルフル)」
おじいちゃん達じゃないらしい。
じゃあ、なんだろう?
そのとき、胸の間に埋めていた顔がゆっくりと顔を見せた。
「お前がいなくなる夢をみた」
どうなら車で仮眠をとっているときに私がいなくなる夢をみたらしい。なるほど、だからこうしてくっつき虫になっているのか。
「どこにも行かないよ」
「知ってる。てか、行かせるわけないじゃん」
もうこりごり。
その言葉に昔の青い春が蘇る。
目の前にいる彼といつも共にいた、親友と呼べる彼のことが。
ヨワネ
MEMO〜孫の手を手に入れた五条〜 「なにこれ。孫の手?」
なんじゃそりゃの五条。これで背中を掻く?かきかき。んー、まぁまぁかな。頭をわしゃわしゃ。なんか微妙。こう…かゆいところに手が届かないと言うか……。とりあえず誰かに見せるため廊下をてくてく。お、いい獲物が。五条ニヤリ。
「いーぢーちッ!」
「ひぃいいいッ!!!」
孫の手、伊地知の背中にイン。
何事!!私襲われた!?パニクる伊地知。
孫の手を見てげんなり。
ほんともう、こういう悪ふざけやめてほしい……。一回学長にボコボコにされたらいいとゲラゲラ笑っている五条を見て一人涙する伊地知だった。
おわり。
287なんじゃそりゃの五条。これで背中を掻く?かきかき。んー、まぁまぁかな。頭をわしゃわしゃ。なんか微妙。こう…かゆいところに手が届かないと言うか……。とりあえず誰かに見せるため廊下をてくてく。お、いい獲物が。五条ニヤリ。
「いーぢーちッ!」
「ひぃいいいッ!!!」
孫の手、伊地知の背中にイン。
何事!!私襲われた!?パニクる伊地知。
孫の手を見てげんなり。
ほんともう、こういう悪ふざけやめてほしい……。一回学長にボコボコにされたらいいとゲラゲラ笑っている五条を見て一人涙する伊地知だった。
おわり。
ヨワネ
MEMO▼浮かんだネタです▼五条、幽霊扱いされています
気配を消すのがうますぎて、いつのまにか一般人の写真に五条がぬうっと紛れ込んでいたりいなかったり。
「ひゃあ!!なにこの影!!?」
「ギャアアア!!こっちにも映ってる!!」
「なによこのおっさん!!!」
心霊写真扱いされる五条。
おわり。
122「ひゃあ!!なにこの影!!?」
「ギャアアア!!こっちにも映ってる!!」
「なによこのおっさん!!!」
心霊写真扱いされる五条。
おわり。
ヨワネ
MEMO〜動物にすらディスられる五〜 「あれ?冥さんとこの子だぁ〜」
そこら辺にいるカラス全て先輩のだと思っている五条。ル〜ルルル〜とか絶対狐と間違えているだろという呼び方をしている五条に、しょうがなくやって来るカラス。
えー!?僕すごくない!?さすが!自画自賛する五条。やって来たカラスに挨拶をするも首をかしげられ、あれ?こいつほんとに冥さんのカラスか?と自分も首をかしげる。でもちっさいことは気にしない。ま、いっか!と秒で完結。そのまま話しかける。
「おはよー」
「オハヨー」
「そうそう!じょうずだね〜!」
「ジョウズダネ」
「じゃあ、次は、メイさん」
「メイサン」
「ゴジョーセンセー」
「クソヤロウ」
347そこら辺にいるカラス全て先輩のだと思っている五条。ル〜ルルル〜とか絶対狐と間違えているだろという呼び方をしている五条に、しょうがなくやって来るカラス。
えー!?僕すごくない!?さすが!自画自賛する五条。やって来たカラスに挨拶をするも首をかしげられ、あれ?こいつほんとに冥さんのカラスか?と自分も首をかしげる。でもちっさいことは気にしない。ま、いっか!と秒で完結。そのまま話しかける。
「おはよー」
「オハヨー」
「そうそう!じょうずだね〜!」
「ジョウズダネ」
「じゃあ、次は、メイさん」
「メイサン」
「ゴジョーセンセー」
「クソヤロウ」
ヨワネ
PASTトリップしてきた彼女を最初は見下していた五条。でも、世界に溶け込もうとする姿に目が離せなくなって……。お互いが想い合っていたのに帰ってしまった彼女に後悔と怒りを抱えている。
〜自分の世界に帰った彼女に未練たらたらの五条〜 「運命の赤い糸」
硝子が読んでいる雑誌に書かれていたその言葉に思わずフンッと鼻で笑う五条。なにが運命の赤い糸だ。そんなもんあるわけねぇだろ。オェーと吐く真似をして夏油に怒られようと反省する様子はなくて。
「もしかしたら君にもいるかもしれないよ?」
サラッと告げる夏油に、は?と思わず声が裏返ったり。ないない。俺に合う女なんているわけねぇだろ。ヒラヒラと手を振り否定するも何か言いたそうに視線を落とす。
いてたまるかよ。俺にとって運命も、赤い糸の相手も、もういねぇんだから。
あいつは、俺を置いて消えたんだ……。
おわり。
287硝子が読んでいる雑誌に書かれていたその言葉に思わずフンッと鼻で笑う五条。なにが運命の赤い糸だ。そんなもんあるわけねぇだろ。オェーと吐く真似をして夏油に怒られようと反省する様子はなくて。
「もしかしたら君にもいるかもしれないよ?」
サラッと告げる夏油に、は?と思わず声が裏返ったり。ないない。俺に合う女なんているわけねぇだろ。ヒラヒラと手を振り否定するも何か言いたそうに視線を落とす。
いてたまるかよ。俺にとって運命も、赤い糸の相手も、もういねぇんだから。
あいつは、俺を置いて消えたんだ……。
おわり。
ヨワネ
MEMO夏でしか会うことのできない入道雲を見て、もしもの話をする五条と夢主。これが秋に訪れる嵐の前の静けさだったり、そうじゃなかったり。 「わぁ、綺麗な入道雲!」
目の前に浮かんでいるもこもこした入道雲を見ていたら隣にいる五条がポツリ。
「なんかいいね」
「ん?」
「こうやって、隣に立っておなじ景色を見るのって」
今は2人だけど、いつかは……。なんて言ってそっとお腹に触れる大きな手に言いたいことがわかって。そうだね、とその手を両手で包んでこの時間がずっと続けばいいな。なんて2人で笑ったり。
204目の前に浮かんでいるもこもこした入道雲を見ていたら隣にいる五条がポツリ。
「なんかいいね」
「ん?」
「こうやって、隣に立っておなじ景色を見るのって」
今は2人だけど、いつかは……。なんて言ってそっとお腹に触れる大きな手に言いたいことがわかって。そうだね、とその手を両手で包んでこの時間がずっと続けばいいな。なんて2人で笑ったり。
ヨワネ
DONE「え?待って。元経験者?」おばあちゃんを助けたら封印後の話をめちゃくちゃされたんだけど、それもうプレゼンだよおばあちゃん。
〜おばあちゃんを助けたら自分の未来をネタバレされた五条〜 「獄門疆の中は退屈だからね」
いつものように任務の合間にスイーツ巡りをしていたら、そこのお兄さん。と声をかけられた五条。振り向くと両手に袋を持ったおばあちゃんが。信号を渡りたいから手伝ってほしいとお願いされ、いいよー!すぐOKした五条。ひょいっと片手に袋を持ち、もう片方はおばあちゃんを抱え歩き出す。え、この子、力持ちすぎん?おばあちゃんビックリ。急にそんなことをされたら天にのぼってしまうから次からは一声かけてねとお願い。次があるのかはわからないが適当にうんと返した五条。無事に信号を渡りお礼を言うおばあちゃん。お兄さんのおかげだよ、ありがとね。と言い袋からチョコを取り出す。いいよ。僕が好きでやったんだから!謙虚な五条におばあちゃんますます五条のことが気に入る。それなら、と別のお礼をしだした。
898いつものように任務の合間にスイーツ巡りをしていたら、そこのお兄さん。と声をかけられた五条。振り向くと両手に袋を持ったおばあちゃんが。信号を渡りたいから手伝ってほしいとお願いされ、いいよー!すぐOKした五条。ひょいっと片手に袋を持ち、もう片方はおばあちゃんを抱え歩き出す。え、この子、力持ちすぎん?おばあちゃんビックリ。急にそんなことをされたら天にのぼってしまうから次からは一声かけてねとお願い。次があるのかはわからないが適当にうんと返した五条。無事に信号を渡りお礼を言うおばあちゃん。お兄さんのおかげだよ、ありがとね。と言い袋からチョコを取り出す。いいよ。僕が好きでやったんだから!謙虚な五条におばあちゃんますます五条のことが気に入る。それなら、と別のお礼をしだした。
ヨワネ
PAST〜ある意味怖い話をする五条ととばっちりを受ける夏油〜 「ほんと勘弁して……」
机に突っ伏し涙を流す五条。もちろん嘘泣き。シクシクとわざとらしく泣く五条に、なんか面倒くさいなとげんなりする夏油と家入。
2人がなにも聞いてこないと察した五条。お前らなんか聞けよ!逆ギレ。もちろん2人は無。もういい!と勝手に話しだす。
「夜、部屋に戻ると床になんか落ちてたんだよ」
なんだこれ?と思いつつ、そのまま電気も付けずソレを掴もうと屈んだ。どうせ虫が外から入ってきたんだろ。ったくしょうがねぇな、なんて余裕をぶっこいていたら、
「う"わっ!!!」
突然狂ったように暴れだしたソレ。
爆速回転しながら床を行き来するソレにゾワゾワッと鳥肌が。頭がおかしくなったソレと頭が停止する自分。お互いがパニックになり、とりあえずどうにかしないと、と思っていたら、くるっとなぜかひっくり返ったソレ。
648机に突っ伏し涙を流す五条。もちろん嘘泣き。シクシクとわざとらしく泣く五条に、なんか面倒くさいなとげんなりする夏油と家入。
2人がなにも聞いてこないと察した五条。お前らなんか聞けよ!逆ギレ。もちろん2人は無。もういい!と勝手に話しだす。
「夜、部屋に戻ると床になんか落ちてたんだよ」
なんだこれ?と思いつつ、そのまま電気も付けずソレを掴もうと屈んだ。どうせ虫が外から入ってきたんだろ。ったくしょうがねぇな、なんて余裕をぶっこいていたら、
「う"わっ!!!」
突然狂ったように暴れだしたソレ。
爆速回転しながら床を行き来するソレにゾワゾワッと鳥肌が。頭がおかしくなったソレと頭が停止する自分。お互いがパニックになり、とりあえずどうにかしないと、と思っていたら、くるっとなぜかひっくり返ったソレ。
ヨワネ
PAST〜街頭インタビューで言いたい放題の五条〜 「え?最近困っていること?」
そこのイケメンさんと声をかけられどやぁの五条。いい子ぶりを発揮し、まろやか口調で質問に答えようとするも、はて困っていること?と一瞬悩んだがほわんと浮かんできたのでそのまま吐き出すことに。
「お爺ちゃん達にはほんと困っているんです」
「お爺さん、ですか?」
「はい。すごく過保護なので仕事(任務)に行く前は事前にチェック(嫌がらせ)してきますし。お前ならもっとできるだろ!と熱いエール(文句)まで送ってくるんですよ」
「もうそんなに長くないんだから若手に任せてゆっくりすればいいのに、現役以上にバリバリ(うきうき)仕事(嫌がらせ)をするのでほんと困っています」
405そこのイケメンさんと声をかけられどやぁの五条。いい子ぶりを発揮し、まろやか口調で質問に答えようとするも、はて困っていること?と一瞬悩んだがほわんと浮かんできたのでそのまま吐き出すことに。
「お爺ちゃん達にはほんと困っているんです」
「お爺さん、ですか?」
「はい。すごく過保護なので仕事(任務)に行く前は事前にチェック(嫌がらせ)してきますし。お前ならもっとできるだろ!と熱いエール(文句)まで送ってくるんですよ」
「もうそんなに長くないんだから若手に任せてゆっくりすればいいのに、現役以上にバリバリ(うきうき)仕事(嫌がらせ)をするのでほんと困っています」