ma_hirune100
HECHO意識し出す宮トガの続き「…敵情視察かな」
何の為にだよ、と聞かれたので、一瞬迷ったのちに、そう答えた。
つい先ほどまで小宮の体を嬉しそうに見ていた張本人が、頑なに服を脱ぐのを拒んでいる。
「なんだよそれ…とにかくもういいから!この話は終わりで!」
「なんで?僕は見せたのに」
「別に君が見せてくれたからって、俺も見せないといけないといけないってことはないだろ」
「僕も参考にさせてよ」
正直、こんな押し問答に意味はない。
もう、トガシの体を今すぐ、絶対に見ると決めたからだ。
人間関係で大切なのは、ギブアンドテイクだと聞いたことがある。目の前のトガシに対し、いつもどこまで求めて正解なのか考えあぐねていたが、今回は大丈夫だ、先に見せたのだから。次は僕の番で間違いない。小宮は確信していた。
1733何の為にだよ、と聞かれたので、一瞬迷ったのちに、そう答えた。
つい先ほどまで小宮の体を嬉しそうに見ていた張本人が、頑なに服を脱ぐのを拒んでいる。
「なんだよそれ…とにかくもういいから!この話は終わりで!」
「なんで?僕は見せたのに」
「別に君が見せてくれたからって、俺も見せないといけないといけないってことはないだろ」
「僕も参考にさせてよ」
正直、こんな押し問答に意味はない。
もう、トガシの体を今すぐ、絶対に見ると決めたからだ。
人間関係で大切なのは、ギブアンドテイクだと聞いたことがある。目の前のトガシに対し、いつもどこまで求めて正解なのか考えあぐねていたが、今回は大丈夫だ、先に見せたのだから。次は僕の番で間違いない。小宮は確信していた。
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HECHO意識しだす宮トガウインドスプリント「ねえ、上腕二頭筋触らせてくんない?」
唐突なトガシの要望に、浮かんだ感情は一言で言うと困惑、だった。
「…え…良いけど」
「ありがとう」
すりすり、と触ってくるその手のひらを妙に意識してしまい、ジワリと額に汗が滲むのがわかった。
「ちょっと力入れてみてよ」
「あぁ…うん」
言われるがままに、拳を握って力を入れる。
トガシは神妙な面持ちで頷きながら小宮の腕を触り続けている。一体、何がしたいんだろうか。
人付き合いから遠ざかっていたので、これが友人同士、よくあることなのかなんなのか、見当もつかなかった。
男同士の筋肉チェックとか?
お互いアスリートだしな、まあ…あるか。僕はやったことないけど。
まさか敵情視察か?
ぐるぐると考えを巡らせるも、念入りに腕を撫でるトガシの手が止まる気配はない。
1885唐突なトガシの要望に、浮かんだ感情は一言で言うと困惑、だった。
「…え…良いけど」
「ありがとう」
すりすり、と触ってくるその手のひらを妙に意識してしまい、ジワリと額に汗が滲むのがわかった。
「ちょっと力入れてみてよ」
「あぁ…うん」
言われるがままに、拳を握って力を入れる。
トガシは神妙な面持ちで頷きながら小宮の腕を触り続けている。一体、何がしたいんだろうか。
人付き合いから遠ざかっていたので、これが友人同士、よくあることなのかなんなのか、見当もつかなかった。
男同士の筋肉チェックとか?
お互いアスリートだしな、まあ…あるか。僕はやったことないけど。
まさか敵情視察か?
ぐるぐると考えを巡らせるも、念入りに腕を撫でるトガシの手が止まる気配はない。