yuki_no_torauma
DONEバンモモWebオンリー「百の恋と万の愛情を2」で企画されたウェディングプチアンソロジーへの寄稿作品です。万理さんと付き合ってる百ちゃんが、万理さんからどれだけ愛されて必要とされているのかを万理さんに理解せられるお話。
年齢制限の問題で、肝心の理解せ部分の描写はぬるめです。
お題はプロポーズを使用しています
わからないなら教えてあげる 今日は仕事終わりに恋人であるバンさんの家に来ていて、バンさん特製の手料理を食べてお風呂に入って……そのあと程よくお酒を飲みながら、二人で映画を観ようということになった。
「僕は欲張りだから、キミの全てが欲しくなってしまったんだ。お願い、僕と結婚してくれないか──」
映画を観るために部屋の明かりを極限まで絞って暗くしたワンルーム。
爛々と照らされたテレビの中では、『結婚適応期にいる不器用な男女が運命的な出会いを経てからお付き合いし、時にはすれ違いながら、最後は結婚というゴールで結ばれる』という恋愛物にしてはありきたりなお話だけど、主人公たちの心情描写がリアルで、結ばれるまでの道のりが感動的なため、万人の心を掴み去年大ヒットした恋愛映画が映し出されていた。
5930「僕は欲張りだから、キミの全てが欲しくなってしまったんだ。お願い、僕と結婚してくれないか──」
映画を観るために部屋の明かりを極限まで絞って暗くしたワンルーム。
爛々と照らされたテレビの中では、『結婚適応期にいる不器用な男女が運命的な出会いを経てからお付き合いし、時にはすれ違いながら、最後は結婚というゴールで結ばれる』という恋愛物にしてはありきたりなお話だけど、主人公たちの心情描写がリアルで、結ばれるまでの道のりが感動的なため、万人の心を掴み去年大ヒットした恋愛映画が映し出されていた。
みかんっ。
DONEバンモモwebオンリー2のワンドロ再掲です。お題:ピアス
ちょっとだけ加筆しました。
#百の恋と万の愛情を2
貴方に似合うのは自分が良い「……ん、……っ」
長く交わしていた口付けを離して彼の肩口に顔を埋める。膝の上に乗せられ、首元に触れられる唇の擽ったさに身を捩りながらお返しと言わんばかりに首筋、耳元に口付けを返せばふと、耳朶に僅かな凹みを見つけてそこにするりと指先を這わせた。
「……ふふ、なぁに」
甘い声が擽ったそうに笑いかけてくる。慌てて手を離せば諌めたつもりは無いのにと苦笑しながら見つめてきた。
「あっ、あの……耳、ピアスの痕あるな、って……」
「ああ、これね。昔バンドやってた頃は着けてたんだけど、アイドルの真似事してた頃に安易にプレゼントで貰ったピアス着けたらファンの子の間でトラブル起きちゃって……。しばらく着けるの辞めたら塞がっちゃったんだよね」
2541長く交わしていた口付けを離して彼の肩口に顔を埋める。膝の上に乗せられ、首元に触れられる唇の擽ったさに身を捩りながらお返しと言わんばかりに首筋、耳元に口付けを返せばふと、耳朶に僅かな凹みを見つけてそこにするりと指先を這わせた。
「……ふふ、なぁに」
甘い声が擽ったそうに笑いかけてくる。慌てて手を離せば諌めたつもりは無いのにと苦笑しながら見つめてきた。
「あっ、あの……耳、ピアスの痕あるな、って……」
「ああ、これね。昔バンドやってた頃は着けてたんだけど、アイドルの真似事してた頃に安易にプレゼントで貰ったピアス着けたらファンの子の間でトラブル起きちゃって……。しばらく着けるの辞めたら塞がっちゃったんだよね」
みかんっ。
DONEバンモモwebオンリー2のワンドロ再掲です。ワンドロお題:キーホルダー
ちょっと加筆しました。
#百の恋と万の愛情を2
愛着、湧いてしまった「〜〜あー、またダブった!」
悔しそうな声に聞き覚えがあり辺りを見回しふと目に止まったのは、テレビ局のグッズが売っている売店の片隅にこれまた見覚えのあるオーバーサイズのジャケットにキャップを被っている男性の姿でそれが誰と認識するよりも先に彼の元へ足が動いていた。
「……百くん?」
「──へ? あ、おはようございます!」
しゃがみ込んでいた彼を覗き込むように伺えば、こちらを見上げてぱちくりと瞬きをして弾ける様に立ち上がって挨拶をしてきた。学生時代に打ち込んでいた体育会系の癖は抜けないらしい。所属していない部活の先輩になった気分になって思わず苦笑が零れた。
「何してたの?」
「あ、これはですね」
1歩下がって避けた先にはガチャガチャの筐体が並んでいた。動物のラバーキーホルダーのものでそのうちの1つ、毛足の長い猫を指差しながら嬉々とした声を上げた。
2022悔しそうな声に聞き覚えがあり辺りを見回しふと目に止まったのは、テレビ局のグッズが売っている売店の片隅にこれまた見覚えのあるオーバーサイズのジャケットにキャップを被っている男性の姿でそれが誰と認識するよりも先に彼の元へ足が動いていた。
「……百くん?」
「──へ? あ、おはようございます!」
しゃがみ込んでいた彼を覗き込むように伺えば、こちらを見上げてぱちくりと瞬きをして弾ける様に立ち上がって挨拶をしてきた。学生時代に打ち込んでいた体育会系の癖は抜けないらしい。所属していない部活の先輩になった気分になって思わず苦笑が零れた。
「何してたの?」
「あ、これはですね」
1歩下がって避けた先にはガチャガチャの筐体が並んでいた。動物のラバーキーホルダーのものでそのうちの1つ、毛足の長い猫を指差しながら嬉々とした声を上げた。