なんてん
MEMOロキの口調よく分からない、で書いたメモ主明なる奴なので腐向け
屋根智2 遠くから聞こえるのは、直前まで共に居た少年らしき声。
それに意識を揺さぶられた明智が目蓋を開ければ、薄暗い部屋が映る。ビールケースを並べた寝台よりも硬い感触や、手袋越しに擦れる藁筵からして、己は粗末な寝台の上に横たわっているらしい。
未だに残る鈍痛に顔を顰めつつ明智が身体を起こして寝台に腰掛ければ、石床に片膝を付いて声を掛けていたらしい金髪の不良が立ち上がったようだ。
「はあ⋯⋯これは、また凄い状況だ」
まさか、夢だけでなく現実でも牢獄入りを果たすとは思わなかった。
思ったよりも疲れている己の声に苦笑する明智に、金髪の不良が心配そうに声を掛ける。
「大丈夫か?」
「一応、まだ無事さ。君は?」
18495それに意識を揺さぶられた明智が目蓋を開ければ、薄暗い部屋が映る。ビールケースを並べた寝台よりも硬い感触や、手袋越しに擦れる藁筵からして、己は粗末な寝台の上に横たわっているらしい。
未だに残る鈍痛に顔を顰めつつ明智が身体を起こして寝台に腰掛ければ、石床に片膝を付いて声を掛けていたらしい金髪の不良が立ち上がったようだ。
「はあ⋯⋯これは、また凄い状況だ」
まさか、夢だけでなく現実でも牢獄入りを果たすとは思わなかった。
思ったよりも疲れている己の声に苦笑する明智に、金髪の不良が心配そうに声を掛ける。
「大丈夫か?」
「一応、まだ無事さ。君は?」
あめだま
PROGRESSフロントライン続き/尻切れトンボ蒼穹のフロントライン・2 もうもうと砂塵が舞う。雲ひとつない、雨の降る兆しなど全くない空はどこまでも青く、抜けるように高かった。それも今は吹き渡る風が巻いあげた砂粒にまみれ、うっすらと黄土色にかすんでみえる。暑く乾燥した空気が皮膚や口腔内の水分を奪い、眼球さえも乾涸びさせていくようだった。
ここはアメストリス東部の辺境、大砂漠に面した戦地イシュヴァール。イシュヴァラなる一神教に支配された、褐色肌に赤い瞳の異人達が住まう土地。過酷な環境のせいか民族同士の結束は高く、ゆえに七年もの間、内戦は終わる気配もなく続いている。既に多くの人間が敵も味方も問わず犠牲になった。とても、たくさんの。
ここに送られてから、もうじき半月が経つ。軍人として、また国家錬金術師として在る上で決して逃れられない絶対的な責務。一度、招集がかかれば人間兵器として軍の求めるままに力を振るわねばならない。軍の狗として。今回、大総統はついに国家錬金術師の派兵を決断した。最大で約一年間を想定とした大規模掃討戦──否、殲滅戦だ。
12321ここはアメストリス東部の辺境、大砂漠に面した戦地イシュヴァール。イシュヴァラなる一神教に支配された、褐色肌に赤い瞳の異人達が住まう土地。過酷な環境のせいか民族同士の結束は高く、ゆえに七年もの間、内戦は終わる気配もなく続いている。既に多くの人間が敵も味方も問わず犠牲になった。とても、たくさんの。
ここに送られてから、もうじき半月が経つ。軍人として、また国家錬金術師として在る上で決して逃れられない絶対的な責務。一度、招集がかかれば人間兵器として軍の求めるままに力を振るわねばならない。軍の狗として。今回、大総統はついに国家錬金術師の派兵を決断した。最大で約一年間を想定とした大規模掃討戦──否、殲滅戦だ。