すみれ-Drsumire-
DOODLE #近所の直治さん お屋敷でメイドしてるやさぐれ直治さん。この後サボってるところを先輩メイドのハルヒコ君に見つかる。(背景にかかっている絵は“青い薔薇”)
(女装男性の雑な口紅は性癖)
すみれ-Drsumire-
DOODLE近所の直治さん 【深夜のコンビニ】深夜2時頃。徒歩10分のコンビニで煙草を買う直治さん。財布を持たずズボンのポケットにくしゃくしゃの千円札を入れて行く。 店員に顔を覚えられてポイントカードの有無を聞かれなくなった。店を出てすぐ真っ新な箱から1本出して火をつけ、空に向かって吐き出す瞬間が好きらしい。
会計の時の目のやり場に困るからいつも手元を見るようにしてる直治さん。稀に新人が入ってても気が付かず、支払いの前にポイントカードがあるか訊かれて、態度にはほとんど出ないものの久しぶりすぎて動揺して返事が一呼吸遅れる。
241会計の時の目のやり場に困るからいつも手元を見るようにしてる直治さん。稀に新人が入ってても気が付かず、支払いの前にポイントカードがあるか訊かれて、態度にはほとんど出ないものの久しぶりすぎて動揺して返事が一呼吸遅れる。
すみれ-Drsumire-
DOODLE近所の直治さん 【隣家の少年02】肌のベタつく蒸し暑い夏の夜、塾の模擬テストで帰りが遅くなってしまった。僕は重たい鞄を支えながら、すっかり暗くなった通学路を早足で家に向かう。
アパートの前を通りかかった時、ふと、視界の端で白っぽい大きな影が動いた。どきり、と心臓が大きく鳴る。思わず、足が止まる。ジジ…と古い蛍光灯が鳴る音がやけに大きく聞こえ、お盆の迎え火の残り香が鼻についた。
早く通り過ぎなければ、と思うのに足がうまく動かない。汗をかいた背中が急速に冷えていく。ふわり、と影が手を伸ばしたように見えた瞬間、僕は弾かれたように駆け出した。
次の日から、田舎の祖母の家に家族と帰ってしまったので、あれがなんだったのかは分からない。街に戻ってきて、ラジオ体操の帰りに見上げると、アパートのベランダにはいつもと同じようにタバコを吸ってる男の人が居た。夏の日差しが堪えるらしくて、白いよれっとしたシャツと同じくらいよれっとしていた。
574アパートの前を通りかかった時、ふと、視界の端で白っぽい大きな影が動いた。どきり、と心臓が大きく鳴る。思わず、足が止まる。ジジ…と古い蛍光灯が鳴る音がやけに大きく聞こえ、お盆の迎え火の残り香が鼻についた。
早く通り過ぎなければ、と思うのに足がうまく動かない。汗をかいた背中が急速に冷えていく。ふわり、と影が手を伸ばしたように見えた瞬間、僕は弾かれたように駆け出した。
次の日から、田舎の祖母の家に家族と帰ってしまったので、あれがなんだったのかは分からない。街に戻ってきて、ラジオ体操の帰りに見上げると、アパートのベランダにはいつもと同じようにタバコを吸ってる男の人が居た。夏の日差しが堪えるらしくて、白いよれっとしたシャツと同じくらいよれっとしていた。
すみれ-Drsumire-
DOODLE近所の直治さん 【隣家の少年01】僕の通学路沿いのアパートに住んでる男の人。よくベランダで煙草を吸ってて、じっと見てたら薄く笑って手を振ってくれた。以来、通るたびになんとなく目をやってしまう。だいたい居るけど、何日か続けて居ない時があって、少し心配になる。名前も知らないし、喋ったこともないのにな。
132すみれ-Drsumire-
DOODLEトマレさんのオリキャラ、直治さんの二次創作。【怪】部屋の隅に何か居る世界線近所の直治さん 【怪】◆部屋の隅(直治さん視点)
その日は夕焼けの赤が一段と濃い夏の終わりだった。
早めの夕飯を取っている時、ふと、部屋の隅の一つだけがやけに暗いことに気がついた。眼鏡が曇っているのかと思ったが、そうではないらしい。眼鏡をずらしてじっと目を凝らしてみるも、あるはずの角が見つからない。その時。もぞ、と暗闇が動いたような気配がした。虫でも湧いたかと、思わず立ち上がりかけたが、黒い靄のように気配があるばかりで、小さいものが這い出してくることはなかった。興味がわいた。夕食のスープに指を差し入れ、ひよこ豆を一粒つまみ出し投げてみる。白い粒はフローリングに水滴を落としながらころころ音を立てて転がり、角に当たる前にフッと見えなくなった。どくり、と好奇心に胸が高鳴る。もっとよく見ようとして、部屋がだいぶ暗くなっていたことに気がついた。白いレースのカーテンの隙間から見える夕焼けは山向こうに遠ざかり、空は群青に近づいている。椅子から立ち上がり、居間の明かりをつけた。蛍光灯の眩しさに目を細めながら振り向くと、部屋の角には何も無かった。
856その日は夕焼けの赤が一段と濃い夏の終わりだった。
早めの夕飯を取っている時、ふと、部屋の隅の一つだけがやけに暗いことに気がついた。眼鏡が曇っているのかと思ったが、そうではないらしい。眼鏡をずらしてじっと目を凝らしてみるも、あるはずの角が見つからない。その時。もぞ、と暗闇が動いたような気配がした。虫でも湧いたかと、思わず立ち上がりかけたが、黒い靄のように気配があるばかりで、小さいものが這い出してくることはなかった。興味がわいた。夕食のスープに指を差し入れ、ひよこ豆を一粒つまみ出し投げてみる。白い粒はフローリングに水滴を落としながらころころ音を立てて転がり、角に当たる前にフッと見えなくなった。どくり、と好奇心に胸が高鳴る。もっとよく見ようとして、部屋がだいぶ暗くなっていたことに気がついた。白いレースのカーテンの隙間から見える夕焼けは山向こうに遠ざかり、空は群青に近づいている。椅子から立ち上がり、居間の明かりをつけた。蛍光灯の眩しさに目を細めながら振り向くと、部屋の角には何も無かった。