mitumitumi_yama
MEMO #青い惑星第十一章“青い惑星ノ街”[caseⅣ]
※ネタバレ含む
※途中、加筆後再投稿有り
「メイメイさんがそんな事、できるはずありませんから。信じてますよ。」
何の根拠もないのに、自然と口をついて出てきた言葉に自分自身で土浦一色は頷いた。
人間離れした、目にも止まらぬ速度で距離を詰められて尚、脅威が振われそうになったというのに、それでも信じるというのだ。場違いな発言だろう。
「ふふ、不思議な人。」
しかし彼女もまた場違いに微笑む。纏う色は違えども、紛れもない一色のよく知る、箱庭の主人だ。
一色が彼女を見間違うわけがない。見間違える筈が、ないのだ。
彼女は自分自身を、メイシア・メイルナリアの楔であり、闇であり、心の叫びであり、巣食う一匹の獣であると称した。メイシア・メイルナリアをそのままで居させるわけにはいかないと、そうも言っていた。聞き間違えなどではない。
639何の根拠もないのに、自然と口をついて出てきた言葉に自分自身で土浦一色は頷いた。
人間離れした、目にも止まらぬ速度で距離を詰められて尚、脅威が振われそうになったというのに、それでも信じるというのだ。場違いな発言だろう。
「ふふ、不思議な人。」
しかし彼女もまた場違いに微笑む。纏う色は違えども、紛れもない一色のよく知る、箱庭の主人だ。
一色が彼女を見間違うわけがない。見間違える筈が、ないのだ。
彼女は自分自身を、メイシア・メイルナリアの楔であり、闇であり、心の叫びであり、巣食う一匹の獣であると称した。メイシア・メイルナリアをそのままで居させるわけにはいかないと、そうも言っていた。聞き間違えなどではない。
mitumitumi_yama
MEMO #青い惑星HO5:土浦一色
目を、背けてきました。
これまで、何度も。
何度も。何度も。何度も。
失敗を、逸らしてきました。
何度だって、間違えるわけがないと。
そう、自分に言い聞かせてきたんです。
見たくない現実に精一杯蓋をして、気付かないフリをして、他のことに必死に意識を向けて、逃げて、逃げてきました。
言い訳が、得意で。
周囲の人が気にかけてくれる声に、いつだって私は、耳を塞いで。
『土浦さん、無理しないでね。』
−大丈夫です。無理なんて、していません。
『ずっと病まれていたのでしょう?回復の見込みはなかったって。』
−母さんは今日も元気ですよ。いつも私が会いに行くといっぱい喜んでくれて。
『親族の方は他にいないの?そんな歳で一人なんて…』
5191これまで、何度も。
何度も。何度も。何度も。
失敗を、逸らしてきました。
何度だって、間違えるわけがないと。
そう、自分に言い聞かせてきたんです。
見たくない現実に精一杯蓋をして、気付かないフリをして、他のことに必死に意識を向けて、逃げて、逃げてきました。
言い訳が、得意で。
周囲の人が気にかけてくれる声に、いつだって私は、耳を塞いで。
『土浦さん、無理しないでね。』
−大丈夫です。無理なんて、していません。
『ずっと病まれていたのでしょう?回復の見込みはなかったって。』
−母さんは今日も元気ですよ。いつも私が会いに行くといっぱい喜んでくれて。
『親族の方は他にいないの?そんな歳で一人なんて…』