ookinaikasan
TANG CHẾうん年前に書いたものを発掘したので供養。トリップ女主と🐯男の話の導入?五億年先にかきあがるかもしれない。
凪の子「この世に、絶望などないのです」
ぽつねんと、かすんで殆ど暗い私の世界の中に清廉な女性の声が響く。透ける様に真摯で、どこまでも信心深く感じられるその声が重苦しい私の頭の中にうっとおしいほど、胡乱に響いて。おもわず、ぴくりとも動かせないほど重苦しい倦怠感に包まれた体が、不意に動いた。
「ばかじゃないの」
水分が干乾びた、カラカラの喉から転がり落ちたその単語は果たして言葉通りの音に成っていたのか。意味を象る何かにすらなっていたのかも危うい。まぁ、吐息にも満たないそれを拾うものなど、私が死に体で倒れ伏しているこの場にはいないのだけれども。拾うものがいるとするならば、今私を囲っている、崩れた瓦礫も、草花も、地面も、異様なまでに白い景色くらいだろう。
5863ぽつねんと、かすんで殆ど暗い私の世界の中に清廉な女性の声が響く。透ける様に真摯で、どこまでも信心深く感じられるその声が重苦しい私の頭の中にうっとおしいほど、胡乱に響いて。おもわず、ぴくりとも動かせないほど重苦しい倦怠感に包まれた体が、不意に動いた。
「ばかじゃないの」
水分が干乾びた、カラカラの喉から転がり落ちたその単語は果たして言葉通りの音に成っていたのか。意味を象る何かにすらなっていたのかも危うい。まぁ、吐息にも満たないそれを拾うものなど、私が死に体で倒れ伏しているこの場にはいないのだけれども。拾うものがいるとするならば、今私を囲っている、崩れた瓦礫も、草花も、地面も、異様なまでに白い景色くらいだろう。