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    #ZOIDS

    berryDondon

    PROGRESSRemake:Legend Of Valkyrie
    ガイロスにヴァルキリーが帰ってくる(予定)

    10年前に書いたオリキャラ満載のZOIDSロブカ(女体化+若年化)のお話のリメイク版。
    Pixviにはもう半分くらい話を書いてから公表するよ。
    彼女が覚えている限りで最も古い記憶は、三歳の誕生日のことであった。

    「お前に、渡したいものがある」

     山脈に残る雪の気配を含んだ風が春の若い草花を揺らす朝、真っ白な軍服に身を包んだ母はそれだけを言って目覚めたばかりの彼女の手を引き、城の地下へと連れて来た。
     エレベーターを幾つも乗り継ぎ、蛍光灯の明かりによって無感情に照らされ長い階段を降り、冷たい風が奥から吹き付ける一本道の廊下をひたすらに歩く。時折聞こえる風の唸りや肌を刺す冷たさに彼女が怯んでも、母は立ち止まる事を許さずに手を引き続け、黙ったまま歩き続ける。
     会話はなく、母が履く軍靴が立てる硬い足音だけが空間一杯に反響していた。
     ようやっと足が止まった時、サンダルを履いていた彼女の足はすっかり皮と金具で擦れ、皮が所々皮が剥けてひりひりと痛んでいたが、彼女は「痛い」とも言わずに黙ったまま母と同じものを見ていた。
     翡翠の瞳に映るのは、彼女が今まで見合事が無い程に巨大な機械の扉。それ扉は勝手に、そしてゆっくりと轟音を立てて開いていく。扉が完全に開くと一気に照明が灯り、真っ暗だった空間が明るく照らされた。光の中央に鎮座するのは、荘 9424