kshsnmst
DOODLEトマ→グレかもしれない。蝶は世界の隙間、破片の向こうへ潜ったりするかも、いやして欲しいっていうだけの話。トマくんは死ぬしなんならおじは出てこない。雰囲気を感じろ。死んだら蝶になりたい左目を失った時、あの方に醜い顔を見せてしまうことを恐れた。
嫌そうな顔はせず、片目だけで良かった、と僕が生き延びたことを喜んでくださった。
左目の奥には異物が入り込んだらしかった。ガラス片が散っていたから、その欠片かもしれない。表面の傷は治ったけれど、時折酷く痛んでは、ありもしない幻覚を見せた。
右目を閉じた時に浮かぶ、どこか遠くの世界の貴方。知らない顔。知らない姿。
見る度心がざわついた。僕らと離れた貴方がそこに立っている。
僕らの貴方はここにいるのに。大丈夫だと言ってくださるのに。
なるべく目を閉じないようにした。夜は眠るのが怖かった。
そうすると寝不足の自分を気遣って下さるから、申し訳なく思った。
あの方が戦場から消えたあとは、目を閉じることが増えた。
1155嫌そうな顔はせず、片目だけで良かった、と僕が生き延びたことを喜んでくださった。
左目の奥には異物が入り込んだらしかった。ガラス片が散っていたから、その欠片かもしれない。表面の傷は治ったけれど、時折酷く痛んでは、ありもしない幻覚を見せた。
右目を閉じた時に浮かぶ、どこか遠くの世界の貴方。知らない顔。知らない姿。
見る度心がざわついた。僕らと離れた貴方がそこに立っている。
僕らの貴方はここにいるのに。大丈夫だと言ってくださるのに。
なるべく目を閉じないようにした。夜は眠るのが怖かった。
そうすると寝不足の自分を気遣って下さるから、申し訳なく思った。
あの方が戦場から消えたあとは、目を閉じることが増えた。
kshsnmst
DOODLEせっかくだから短いの落書いて乗っかっておくかの精神。リウのムルグレ。「七回」
決して楽では無いけれど負ける要素もなかった戦闘が終わり、路地裏の壁に寄りかかってゆっくり煙草をふかしていると、ムルソーが唐突に話しかけてきた。
「何がだ」
「昼時に貴方が私の方を見やった回数」
いつもの言葉足らずだと聞き返したら、次に続く言葉にむせそうになった。何とか平静を保って細く長く煙を吐く。
しらけた目を向けてやっても顔色一つ変えずにさらに言葉を続ける。
「それから、先の戦闘中、状況確認以外で私を見た回数が十二回」
「それが何だってんだよ」
煙草を取り落とした。誤魔化すのにそのまま始めから吸い終わるつもりだった風を装って、落とした煙草の火を消すのに靴の裏を押し付ける。
……いやぁ、結構見てるな、俺。というかなんでこいつはそれを把握してるんだ。
968決して楽では無いけれど負ける要素もなかった戦闘が終わり、路地裏の壁に寄りかかってゆっくり煙草をふかしていると、ムルソーが唐突に話しかけてきた。
「何がだ」
「昼時に貴方が私の方を見やった回数」
いつもの言葉足らずだと聞き返したら、次に続く言葉にむせそうになった。何とか平静を保って細く長く煙を吐く。
しらけた目を向けてやっても顔色一つ変えずにさらに言葉を続ける。
「それから、先の戦闘中、状況確認以外で私を見た回数が十二回」
「それが何だってんだよ」
煙草を取り落とした。誤魔化すのにそのまま始めから吸い終わるつもりだった風を装って、落とした煙草の火を消すのに靴の裏を押し付ける。
……いやぁ、結構見てるな、俺。というかなんでこいつはそれを把握してるんだ。