永劫ミカン
TRAININGくりんばワンドロワンライ1本勝負様(@ krnb_1dr1wr)の第5回お題『ホワイトデー』をお借りしました。今回は以前書いたバレンタインのアンサー編で山姥切国広視点、だと思います(*^^*)
瞳と琥珀糖 二月某日からひと月後の晩、山姥切国広は贈り物の包みを携え大倶利伽羅の部屋を訪れていた。あの時の返礼の品は早くから決めていた。
『琥珀糖』
以前、主から貰った時にまるで宝石のようなこれが菓子だと知って驚いた記憶。
作り方は入手したが、一人では流石に難しい。まして他ならぬ大切な相手に贈るものだから失敗だけはしたくないと、高級茶葉を手土産に歌仙に協力を依頼する。
「君がここまでするなんて余程のことなんだねぇ」
思いがけない相手に少々面食らいながらも
「まあ僕を頼りにしたのは正解だと思うよ」
とまんざらでもない様子。
正直頼みやすさなら燭台切だ。しかし信用しているので筒抜けはないと思うが、何となく伽羅の身内なのでいたたまれないというか。それで今回はノータッチでいてもらう事に。
1172『琥珀糖』
以前、主から貰った時にまるで宝石のようなこれが菓子だと知って驚いた記憶。
作り方は入手したが、一人では流石に難しい。まして他ならぬ大切な相手に贈るものだから失敗だけはしたくないと、高級茶葉を手土産に歌仙に協力を依頼する。
「君がここまでするなんて余程のことなんだねぇ」
思いがけない相手に少々面食らいながらも
「まあ僕を頼りにしたのは正解だと思うよ」
とまんざらでもない様子。
正直頼みやすさなら燭台切だ。しかし信用しているので筒抜けはないと思うが、何となく伽羅の身内なのでいたたまれないというか。それで今回はノータッチでいてもらう事に。
永劫ミカン
TRAININGちょぎくにワンドロ·ワンライ(@ chogikuniwa)様のお題『クソデカ感情or感情』より本丸の皆にそっと見守られている、ちょぎくに。長義視点。
伝わらないわけ その晩、山姥切長義はなかなか寝付かれないでいた。次の日は久々に"偽物くん"こと密かに愛してやまない自分の写し、山姥切国広との遠征の命が下ったからである。数時間とはいえ彼を独占出来る好機、これが平静でいられようか。
主は長義の秘めた(と本人だけがそう思っている)気持ちを知ってか知らずか、何かとこの本丸の初期刀と組ませる傾向があり日々感謝している。
ただし実際は……双方それぞれの問題により今日に至っても二振りの仲は決して芳しいとは言えない状態のままだった。
やはりここは本歌である自分から好転に向けての一歩を踏み出すしかない。
完全に寝不足だがそんな様子はおくびにも出さず、早起きして燭台切光忠を手伝いつつ何食わぬ顔で自分たちの分も含めて遠征部隊用の弁当を拵えて厨を後にする。本当は国広の分だけ作りたいだろうに、そこは露骨にしない辺りが律儀というか微笑ましいと思われているなど、当の本人は知る由もない。
740主は長義の秘めた(と本人だけがそう思っている)気持ちを知ってか知らずか、何かとこの本丸の初期刀と組ませる傾向があり日々感謝している。
ただし実際は……双方それぞれの問題により今日に至っても二振りの仲は決して芳しいとは言えない状態のままだった。
やはりここは本歌である自分から好転に向けての一歩を踏み出すしかない。
完全に寝不足だがそんな様子はおくびにも出さず、早起きして燭台切光忠を手伝いつつ何食わぬ顔で自分たちの分も含めて遠征部隊用の弁当を拵えて厨を後にする。本当は国広の分だけ作りたいだろうに、そこは露骨にしない辺りが律儀というか微笑ましいと思われているなど、当の本人は知る由もない。
永劫ミカン
TRAININGくりんばワンドロワンライ一本勝負(@krnb_1dr1wr)様よりお題をお借りしました第2回より『節分』『豆まき』
大倶利伽羅目線、モダモダとじれったいくりんば(笑)
【節分】 とある本丸。月が冴える如月の夜空を見上げる影が二つ。
今日は節分。昼間は本丸総出で豆まき大会、日が暮れてからは燭台切や歌仙の指揮の下、彩り良く仕上げられた太巻きと御神酒が供され、宴のただ中。一時の間抜け出してきた大倶利伽羅と山姥切国広だった。
特に言葉を交わさずとも、大倶利伽羅は傍らに国広の気配を感じながらの静寂を愉しんでいた。
その時予測だにしなかった事が起こった。
「…大倶利伽羅?」
おや?という様子で大倶利伽羅に視線を向けた国広がそっとうなじの辺りの髪、そう癖が強いその辺りに手を差し入れてきたのだ
ざわり
瞬間、大倶利伽羅は自分でも訳が分からないほどに込み上げてきた感覚に動揺し、身を固くした。それは国広にも伝わってしまい、
1418今日は節分。昼間は本丸総出で豆まき大会、日が暮れてからは燭台切や歌仙の指揮の下、彩り良く仕上げられた太巻きと御神酒が供され、宴のただ中。一時の間抜け出してきた大倶利伽羅と山姥切国広だった。
特に言葉を交わさずとも、大倶利伽羅は傍らに国広の気配を感じながらの静寂を愉しんでいた。
その時予測だにしなかった事が起こった。
「…大倶利伽羅?」
おや?という様子で大倶利伽羅に視線を向けた国広がそっとうなじの辺りの髪、そう癖が強いその辺りに手を差し入れてきたのだ
ざわり
瞬間、大倶利伽羅は自分でも訳が分からないほどに込み上げてきた感覚に動揺し、身を固くした。それは国広にも伝わってしまい、