百合菜
DONEアンジェリーク・ジュリリモ「さよならの代わりに」
もう少しで女王試験も終わる。
そんな最中、アンジェリークは秘かに恋心を抱いているジュリアスから日の曜日の誘いを受けるが……。
※再録です
女王候補試験が始まってから気がつけば百日以上が経っていた。
水の曜日、アンジェリークは光の守護聖ジュリアスに育成の依頼をすべく執務室に行った。
しかし、そこにジュリアスの姿はなかった。そこでアンジェリークは守護聖たちの部屋を訪れる。彼らのうちのひとりくらいなら行き先を知っているのではないかと思い。
「ああ、お嬢ちゃんかい。ジュリアス様なら公園にいるはずだぜ」
そう話してくれたのは何人目かに訪れた炎の守護聖オスカー。
ジュリアスの右腕とも言われている彼の情報なら確実だろう。
アンジェリークは小走りで公園に向かった。
「ジュリアス様!」
アンジェリークが公園にたどり着いたとき、ジュリアスは木陰で佇んでいるところだった。
1632水の曜日、アンジェリークは光の守護聖ジュリアスに育成の依頼をすべく執務室に行った。
しかし、そこにジュリアスの姿はなかった。そこでアンジェリークは守護聖たちの部屋を訪れる。彼らのうちのひとりくらいなら行き先を知っているのではないかと思い。
「ああ、お嬢ちゃんかい。ジュリアス様なら公園にいるはずだぜ」
そう話してくれたのは何人目かに訪れた炎の守護聖オスカー。
ジュリアスの右腕とも言われている彼の情報なら確実だろう。
アンジェリークは小走りで公園に向かった。
「ジュリアス様!」
アンジェリークが公園にたどり着いたとき、ジュリアスは木陰で佇んでいるところだった。
百合菜
DONEアンジェリーク・ジュリリモ「ふたりで掴む未来」
女王候補生のアンジェリークが日々訪れるのは首座の守護聖・ジュリアス様の執務室。
次第に距離を縮めるふたりだが、ふたりには乗り越えるべき問題がいくつかあり……
2020年ジュリアス様誕生日創作。
※再録です「アンジェリーク、今日もジュリアス様のところに行かれるの?」
飛空都市にきて早くも五十日以上のときが流れていた。
自室から守護聖たちのいる館に向かうべく歩いていたアンジェリークに話しかけてきたのは同じ女王候補のロザリア。
「あんたも物好きよね。あのジュリアス様のところに毎日通うなんて」
あきれ果てたように話すロザリアを見てアンジェリークは気がつく。
女王試験がはじまった頃は苦手で、話しかけるのはこわいとすら感じていたジュリアス様。それがいつしか毎日会いにいき、ときには私的なことを話すようになった。そして、その時間が自分にとって女王試験の間の大切なひとときになっていることも。
そんな自分に気がつきつつも、心の中でひとつの疑問が生じる。
「ロザリアの方がジュリアス様とお似合いの感じがするのに……」
いわゆる「普通の家庭」で生まれ育った自分とは違い、ロザリアは貴族のお嬢様。
立ち振舞いも教養も逆立ちしても勝てっこない。だからこそ、ジュリアス様の隣に立ってふさわしいのは自分ではなくロザリアだと思っている。
それは女王としても、私的な関係としても。
しかし、ロザリアはジュリアスに関心が 6839