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    百合菜

    遙かやアンジェで字書きをしています。
    ときどきスタマイ。
    キャラクター紹介ひとりめのキャラにはまりがち。

    こちらでは、完成した話のほか、書きかけの話、連載途中の話、供養の話、進捗なども掲載しております。
    少しでもお楽しみいただけると幸いです。

    ※カップリング・話ごとにタグをつけていますので、よろしければご利用ください

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    百合菜

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    アンジェリーク・ジュリリモ
    「さよならの代わりに」

    もう少しで女王試験も終わる。
    そんな最中、アンジェリークは秘かに恋心を抱いているジュリアスから日の曜日の誘いを受けるが……。

    ※再録です

    #ジュリリモ
    jurrimo.
    #アンジェリーク
    angelique
    #ジュリアス
    julius.
    ##ジュリリモ
    ##アンジェリーク

    女王候補試験が始まってから気がつけば百日以上が経っていた。
    水の曜日、アンジェリークは光の守護聖ジュリアスに育成の依頼をすべく執務室に行った。
    しかし、そこにジュリアスの姿はなかった。そこでアンジェリークは守護聖たちの部屋を訪れる。彼らのうちのひとりくらいなら行き先を知っているのではないかと思い。

    「ああ、お嬢ちゃんかい。ジュリアス様なら公園にいるはずだぜ」
    そう話してくれたのは何人目かに訪れた炎の守護聖オスカー。
    ジュリアスの右腕とも言われている彼の情報なら確実だろう。
    アンジェリークは小走りで公園に向かった。

    「ジュリアス様!」
    アンジェリークが公園にたどり着いたとき、ジュリアスは木陰で佇んでいるところだった。
    その瞳は空を見ているようで、実際は何も目に入っていないようにアンジェリークには映る。
    「お前か、アンジェリーク」
    予想外の訪問だったのかジュリアスは目を少し大きく開いている。しかし、次の瞬間には何事もなかったかのようにいつもの少し堅い表情に戻っていた。
    「ジュリアス様に育成をお願いしようかと思いまして」
    言いながらアンジェリークは思う。
    端から見れば随分真面目な女王候補だろうと。
    実のところはジュリアスに会うための口実として育成をお願いしているだけなのに。そして、実際、ジュリアスに会いたい一心でここまで追いかけてきただけ。きっとこんな下心は非難されるはず。ましてや、目の前の守護聖は誰よりも女王陛下への忠誠が厚く、そして自分の役割にも忠実。アンジェリークの浮わついた気持ちは軽蔑すらするであろう。
    しかし幸いなことに、ジュリアスはアンジェリークの本音に気がつかなかったらしい。
    「そうか」
    それだけを言い、そして自分の軽く握った手を顎の下に置き、ほんの少し何かを考えている様子だった。

    「ところで」
    そう言ってジュリアスはアンジェリークの瞳を見つめる。青いトパーズを思わせるような瞳がアンジェリークの心に突き刺さる。
    「今度の日の曜日は空いているだろうか?」
    アンジェリークは軽く首を横に振る。
    日の曜日は誰とも約束をしていない。するわけがない。ジュリアスに約束するときに備えて常に空けている。もし約束ができなかったとしても、誘えるように予定は入れていない。入れられるはずがなかった。
    「もしよければの話だが、私と会ってはもらえぬだろうか?」
    戸惑いながらも自分を誘ってくるジュリアスの言葉にアンジェリークは小さく頷く。
    「ええ、お待ちしています、ジュリアス様」
    その言葉に安心したのだろうか。ジュリアスも最初は小さく、二回目は少し大きな溜め息をつく。

    そんなジュリアスにアンジェリークは今まで気がつかなかった可能性を見出だす。もしかすると、自分と同じ気持ちをこの方も抱いているのではという。
    そして、同時に現在の育成の様子を頭に思い描く。現在、エリューシオンに建てられた建物の数は68。あと3つ建物が建てば中央の島に到達する。
    今日、ジュリアスに依頼をした分で少なくともひとつは建物が建つ。そして、最近は守護聖からの贈り物も多い。おそらく金の曜日までには中央の島に到達するであろう。
    自分ですら気がついているその事実に首座の守護聖である彼が気がついていないはずはない。
    だけど、アンジェリークはあえてこの言葉を口にする。
    「楽しみにしていますね、ジュリアス様」

    こうして向き合えるのも、きっとあと数日。
    女王になればこうして近くで会うことはなくなる。
    直接伝えることは叶わない言葉。そして、伝えたところでお互い苦しくなる言葉。
    「好きです」
    その代わりにアンジェリークは満面の笑みを向ける。
    そして、向けられない想いと引き換えに誓う。この首座の守護聖に誇りと思ってもらえるような女王になろうと。

    その想いが伝わったのだろうか。
    翌日、エリューシオンは中央に到着する。その最後の力を送ったのは光の守護聖ジュリアスであった。
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    百合菜

    DOODLE地蔵の姿での任務を終えたほたるを待っていたのは、あきれ果てて自分を見つめる光秀の姿であった。
    しかし、それには意外な理由があり!?

    お糸さんや蘭丸も登場しつつ、ほたるちゃんが安土の危険から守るために奮闘するお話です。

    ※イベント直前に体調を崩したため、加筆修正の時間が取れず一部説明が欠ける箇所がございます。
    申し訳ございませんが脳内補完をお願いします🙏
    1.

    「まったく君って言う人は……」

    任務に出ていた私を待っていたのはあきれ果てた瞳で私を見つめる光秀さまの姿。
    私が手にしているのは抱えきれないほどの花に、饅頭や団子などの甘味に酒、さらにはよだれかけや頭巾の数々。

    「地蔵の姿になって山道で立つように、と命じたのは確かに私だけど、だからってここまでお供え物を持って帰るとは思わないじゃない」

    光秀さまのおっしゃることは一理ある。
    私が命じられたのは京から安土へとつながる山道を通るものの中で不審な人物がいないか見張ること。
    最近、安土では奇行に走る男女が増えてきている。
    見たものの話によれば何かを求めているようだが、言語が明瞭ではないため求めているものが何であるかわからず、また原因も特定できないとのことだった。
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    百合菜

    MAIKING遙か4・風千
    「雲居の空」第3章

    風早ED後の話。
    豊葦原で平和に暮らす千尋と風早。
    姉の一ノ姫の婚姻が近づいており、自分も似たような幸せを求めるが、二ノ姫である以上、それは難しくて……

    アシュヴィンとの顔合わせも終わり、ふたりは中つ国へ帰ることに。
    道中、ふたりは寄り道をして蛍の光を鑑賞する。
    すると、風早が衝撃的な言葉を口にする……。
    「雲居の空」第3章~蛍3.

    「蛍…… 綺麗だね」

    常世の国から帰るころには夏の夜とはいえ、すっかり暗くなっていた。帰り道はずっと言葉を交わさないでいたが、宮殿が近づいたころ、あえて千尋は風早とふたりっきりになることにした。さすがにここまで来れば安全だろう、そう思って。

    短い命を輝かせるかのように光を放つ蛍が自分たちの周りを飛び交っている。明かりが灯ったり消えたりするのを見ながら、千尋はアシュヴィンとの会話を風早に話した。

    「そんなことを言ったのですか、アシュヴィンは」

    半分は穏やかな瞳で受け止めているが、半分は苦笑しているようだ。
    苦笑いの理由がわからず、千尋は風早の顔を見つめる。

    「『昔』、あなたが嫁いだとき、全然相手にしてもらえず、あなたはアシュヴィンに文句を言ったのですけどね」
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