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    百合菜

    遙かやアンジェで字書きをしています。
    ときどきスタマイ。
    キャラクター紹介ひとりめのキャラにはまりがち。

    こちらでは、完成した話のほか、書きかけの話、連載途中の話、供養の話、進捗なども掲載しております。
    少しでもお楽しみいただけると幸いです。

    ※カップリング・話ごとにタグをつけていますので、よろしければご利用ください

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    POIPOI 72

    百合菜

    DOODLE地蔵の姿での任務を終えたほたるを待っていたのは、あきれ果てて自分を見つめる光秀の姿であった。
    しかし、それには意外な理由があり!?

    お糸さんや蘭丸も登場しつつ、ほたるちゃんが安土の危険から守るために奮闘するお話です。

    ※イベント直前に体調を崩したため、加筆修正の時間が取れず一部説明が欠ける箇所がございます。
    申し訳ございませんが脳内補完をお願いします🙏
    1.

    「まったく君って言う人は……」

    任務に出ていた私を待っていたのはあきれ果てた瞳で私を見つめる光秀さまの姿。
    私が手にしているのは抱えきれないほどの花に、饅頭や団子などの甘味に酒、さらにはよだれかけや頭巾の数々。

    「地蔵の姿になって山道で立つように、と命じたのは確かに私だけど、だからってここまでお供え物を持って帰るとは思わないじゃない」

    光秀さまのおっしゃることは一理ある。
    私が命じられたのは京から安土へとつながる山道を通るものの中で不審な人物がいないか見張ること。
    最近、安土では奇行に走る男女が増えてきている。
    見たものの話によれば何かを求めているようだが、言語が明瞭ではないため求めているものが何であるかわからず、また原因も特定できないとのことだった。
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    百合菜

    MAIKING遙か4・風千
    「雲居の空」第3章

    風早ED後の話。
    豊葦原で平和に暮らす千尋と風早。
    姉の一ノ姫の婚姻が近づいており、自分も似たような幸せを求めるが、二ノ姫である以上、それは難しくて……

    アシュヴィンとの顔合わせも終わり、ふたりは中つ国へ帰ることに。
    道中、ふたりは寄り道をして蛍の光を鑑賞する。
    すると、風早が衝撃的な言葉を口にする……。
    「雲居の空」第3章~蛍3.

    「蛍…… 綺麗だね」

    常世の国から帰るころには夏の夜とはいえ、すっかり暗くなっていた。帰り道はずっと言葉を交わさないでいたが、宮殿が近づいたころ、あえて千尋は風早とふたりっきりになることにした。さすがにここまで来れば安全だろう、そう思って。

    短い命を輝かせるかのように光を放つ蛍が自分たちの周りを飛び交っている。明かりが灯ったり消えたりするのを見ながら、千尋はアシュヴィンとの会話を風早に話した。

    「そんなことを言ったのですか、アシュヴィンは」

    半分は穏やかな瞳で受け止めているが、半分は苦笑しているようだ。
    苦笑いの理由がわからず、千尋は風早の顔を見つめる。

    「『昔』、あなたが嫁いだとき、全然相手にしてもらえず、あなたはアシュヴィンに文句を言ったのですけどね」
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    百合菜

    REHABILI2020年のバレンタイン創作です。
    pixivで掲載していたものの未完に。
    完結させるべくまずはこちらで掲載していきたいと思います。

    「想い重なるまで、あと半歩」の翌年1月の話。
    いつの間にか関さんと玲ちゃんはくっついています。

    冬の寒さで目が覚めた大輔。
    そんな彼が抱いた想いとは。

    ※続きはpixivに掲載しています(完結済)
    冬の中に感じる春の温もり冬は嫌いだ。
    それは関大輔が子どもの頃に抱いていた感想だった。

    築年数を重ねた部屋の中には寒気が覆い尽し、大輔を襲ってくる。
    暖房設備はあることにはあるのだが、脆弱で寒さを吹き飛ばすには心許ない。
    そもそも母親が女手ひとつで生活を支えているこの家で暖房を使うのは贅沢の範疇に入る。
    寒いときは布団の中で丸まって過ごす。そして、布団の温度が自分の体温と同化するのを感じるのを待つ。
    それが大輔の幼い頃の冬の記憶だった。


    「また、あの夢か……」

    布団と身体の隙間から入り込んできた1月下旬の冷たい空気で大輔は目を覚ます。
    寝起きの悪さを自覚している自分だが、冬はむしろ寒さでいったん目が覚めてしまうことが多い。
    それはもしかすると、物理的に寒さを感じるだけではなく、幼い頃の記憶がよみがえって苦しくなるからかもしれない。
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    百合菜

    DONE「幸村の現代EDがあれば」を妄想した話。
    だけど、現代でもふたりは運命に翻弄されそうになるふたり。
    幸せをつかみとることができるのか!?

    ついに黒龍を解放することに。
    それは大切な仲間との別れも意味する。
    一方で七緒たちには新たに得たものもあり……

    いろいろ漏れがありそうですが、これにて完結です。(エピローグが残っていますが←後日書きます)
    読んでいただき、ありがとうございました!
    「永遠と刹那の狭間で」19.異世界との別れ(終)19.異世界との別れ(終)

    何度もくぐり抜けた龍穴。
    だけど、その旅もそろそろ終わりが近づいている。
    そのことを実感しながら七緒たちは竹生島にたどり着いた。
    たまたまというべきか必然というべきか、大和とも竹生島で会い、行動をともにすることとなった。

    前は感じることしかできなかった黒龍の気配だが、今は頭に何か呻き声のようなものとして感じることができる。
    それは救いを求めるようであり、そして共鳴しているようにすら感じる。
    もう既に白龍ではないから気配を感じるのが不思議ではあるが、龍神の神子というのが影響しているのかもしれない。

    「黒龍、そこにいるのね!?」

    返事はないけど間違いない。
    きっとここにいる。
    地の底に。
    一美の本体ともいうべき存在。そして、自分は自覚がないだけでかつて対でもあった存在。
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    百合菜

    DONE「幸村の現代EDがあれば」を妄想した話。
    だけど、現代でもふたりは運命に翻弄されそうになるふたり。
    幸せをつかみとることができるのか!?

    自分の真実の姿を知った七緒。
    この先、どうやって生きるべきか迷っている彼女に五月が意外な提案をしてきて

    ※原作の雰囲気はまったく無視した楽観的な展開ですので、そういう意味でご注意ください
    「永遠と刹那の狭間で」17.永遠か刹那か17.永遠か刹那か

    「先ほど、カピタンが変なことを話していたけど、幸村さん、もしかするとあなたも心当たりがあるのではないですか?」

    七緒の直球な質問に幸村は息を呑む。
    それは肯定を意味するということを彼もわかっているのだろうが、誤魔化せるほどの器用さも余裕もないのだろう。
    幸村は首を縦に振る。

    「カピタンが話したように、あなたは龍神の神子ではなく、龍神そのものなのです」
    「そんな……」

    それしか言えなかった。
    確かに自分には不思議な力があった。
    しかし、それは龍神の神子だから備えているものであり、まさか龍神そのものだとは思いもしなかった。
    そう言われてもにわかに信じがたいのも事実。

    「幸村さんが嘘を吐くようには思いません。証拠はあるのですか?」
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    百合菜

    DONE「幸村の現代EDがあれば」を妄想した話。
    だけど、現代でもふたりは運命に翻弄されそうになるふたり。
    幸せをつかみとることができるのか!?

    大学の先輩・一美と帰宅途中の七緒。
    すると、怨霊が襲ってきて!?
    さらに一美も予想外の行動をしてくるが……
    「永遠と刹那の狭間で」11.運命の転換期11.運命の転換期

    6月になると梅雨入りはしていなくても東京中にムシムシした空気が漂う。
    薙刀部の練習が終わったあと、七緒と部活の先輩・一美はとりとめない話をしながら帰路に着く。

    「先月の大会、惜しかったね」

    ふたりの話題に出るのは先月行われた都大会のこと。
    下級生の自分たちの出番はなかったものの、応援していた先輩がたが団体戦で強豪校相手にあと一歩のところまで迫ったのが印象的だった。

    「でも、私、去年の大会は応援すら行けなかったから、応援に行けただけでも嬉しかったな」

    七緒の隣を歩く一美がポツリと話す。
    えっ?
    そう思って一美に視線を向けると、彼女は夜空を見つめながら言葉を続ける。

    「ゴールデンウィーク直前に大きな事故に遭っちゃって。奇跡的に命は取り留めたし、後遺症もなかったけど、検査だなんだで1ヶ月くらい入院していたんだ」
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    百合菜

    DONE「幸村の現代EDがあれば」を妄想した話。
    だけど、現代でもふたりは運命に翻弄されそうになるふたり。
    幸せをつかみとることができるのか!?

    幸村とともに買い物へ行くことになった七緒。
    気になっていたことを幸村に確認する一方、いくつか気がかりなこともあり……
    永遠と刹那の狭間で:6.あなたからの呼び名は縁が深まるまで変わらずに6.あなたからの呼び名は縁が深まるまで変わらずに

    「そういえば、あいつらが飲んだり食べたりしたものはちゃんと減っているんだよな」

    落ち着きを取り戻した七緒が1階へ行くと、食品庫をあさりながらぼやく五月がいた。横にいるのは幸村。
    つい、先ほどのことが頭をよぎってしまい恥ずかしい気持ちが込み上げてくるが、幸村の方はいつも通りの様子だった。
    五月は空になった段ボールを見ながら溜め息をついているが、七緒にしてみれば八葉のみんながこの家に来たとき、ポテチのどの味が好きか、落ち着いたら買い足さなきゃとか話していたのが懐かしい。
    また、一部の仲間に好評だったふわラテは、餞別がわりに渡した。

    「代金を請求することはできないし、もちろんそんなことをするつもりはないけれど、せめてあいつらが活躍することで返してもらいたいよな」
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    百合菜

    MAIKING遙か4・風千
    「雲居の空」第2章

    風早ED後の話。
    豊葦原で平和に暮らす千尋と風早。
    姉の一ノ姫の婚姻が近づいており、自分も似たような幸せを求めるが、二ノ姫である以上、それは難しくて……

    ついにアシュヴィンとの顔合わせ。
    少なくとも彼は千尋には好意的ではあるが……!?

    ※不定期更新です
    「雲居の空」第2章 常世の国の皇子・アシュヴィン2.常世の国の皇子・アシュヴィン

    「オレが常世の国の皇子・アシュヴィンだ」

    風早に案内され千尋が向かった先は常世の国であった。
    千尋の目の前に現れたのは赤毛の髪に、肌に密着した服とはいえ着ていても一目で筋肉質だとわかる体躯を持つ皇子アシュヴィンだった。
    隣にいる風早とは色合いも雰囲気も真逆なため、千尋は戸惑いを隠しきれない。
    しかし、そんな千尋の様子を気にする様子もなく、アシュヴィンは口を開く。

    「常世の国と豊葦原の和平。悪くないな」

    そう言いながらアシュヴィンは千尋の頭のてっぺんから爪先まで観察するかのように視線を動かし、そして千尋の後ろにいる風早も一瞥する。

    「ふーん、なるほどな……」

    千尋と風早の間を流れている空気感、それに気づいたのだろうか。しかし、アシュヴィンは不快さではなく面白がる様子を見せた。
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    百合菜

    DONE幸村バッドエンドを元にした話。

    「これ以上、龍神の力を使わないでほしい」、幸村にそう言われた七緒はその言葉を守ることに。
    ふたりは九度山での生活を送り、七緒は普通の人として生き、幸村とも家族になる。
    ふたりの間には子どもも生まれ、一見平穏な生活を過ごすことに。
    しかし、三成との約束を果たすため、幸村は大坂の陣へ行くことに。
    バッドエンドでは命を落とした彼だけど、今回はどうなる!?
    ここから開く新たな未来1.

    「そう…… 豊臣方が……」
    「ええ、姫もご存知のように私には豊臣に切っても切れない義理がございます。この戦の結末は見えているに等しいですが、私には赴かないといけいない理由があるのです」

    慶長十九年(1614年)秋、九度山では一組の夫婦が真剣な眼差しで向き合い、話し合いをしていた。襖ひとつ隔てた寝室では子どもたちが寝息を立てている。
    話し合いをしているのは真田幸村と七緒のふたり。
    天下は徳川のものになったとはいえ、豊臣側の抵抗はたびたびおこなわれており、先日、ついに決定的な亀裂が入る出来事があった。
    そこで、豊臣側はかつての臣下に声を掛けており、幸村も戦いに加勢するよう使いのものがやってきたらしい。
    まっすぐ自分を見つめる瞳を見ながら、七緒はついにこの日がやってきたのかと思う。
    11990

    百合菜

    DONE有梓の「そうだ、カレーを作ろう!」

    2021年2月7日に開催された遙か7の天野七緒中心WEBオンリーで「エアスケブ」を書きました。
    そのとき、幸村×七緒で「炊事をするふたり」というリクエストをいただいたのですが、有梓バージョンも浮かんだので勝手に書いてしまいました^^;

    下宿に滞在中の梓。今日は管理人さんが不在ということで夕飯は自分たちで用意することに。
    そこで有馬とカレーを作るが……
    「高塚、何か食べたいものがないか」
    探索の途中に有馬が訪ねてきたのは秋の風が吹き始めた頃。
    そういえば、梓は朝、管理人に言われたことを思い出す。
    今日は用事があるため、夕食を用意できないことを。
    「うーん」
    梓は少し考え込む。そして思い出す。久しぶりにカレーが食べたいと。
    夏の間は汗をかくため避けてきたが、そろそろあの辛さが懐かしくなってきた。
    ただし、おそらく作るのは自分になるであろうが。
    「カレーを食べたいです。有馬さん」
    そう答えると、有馬も何やら思案しているようだった。
    「カレーか……」
    すると、次の瞬間、意外ともいうべき答えが返ってきた。
    「カレーなら作ったことがある。一緒に作ろう」
    「ええ!?」
    「なんだ、その声は」
    梓の態度が不満だったらしい。
    有馬は不服そうに梓を見つめてくる。睨みつけてくるといった方が正しいのかもしれない。
    「有馬さん、カレー、作ったことがあるのですか?」
    「悪いか」
    ちょっと不貞腐れたかのようにそう答える。
    「いえ、意外過ぎて」
    「軍人たるもの、いつ戦場に出るかわからない。そのため、料理のたしなみくらいはある」
    そう言われて梓は納得する。
    梓のいた世 2212

    百合菜

    DONE幸七の「そうだ、カレーを作ろう!」
    2021年2月7日に開催された天野七緒中心WEBオンリーで実施した「エアスケブ」でいたものです。

    リクエストは「炊事をする幸七」。リベンジバージョンです。

    天野家にやってきた八葉に提供するためカレーを作ることになった七緒。
    幸村もそこに手伝いに来るが、七緒はあるひとりの存在を思い出してしまい……
    「この人数でご飯となればやっぱりカレーかな」
    何度目かになる八葉一同による天野家の訪問。
    時間も遅いため、今日はここで過ごし、明日戦国の世へ戻ることにした。
    そんな中、五月と七緒の兄妹は台所で頭を悩ませている。
    七緒を含めて9人の大所帯。
    多少の買い置きはあるが、9人分の食事をいっぺんに用意するとなればメニューは限られてくる。
    「そうだね、それが一番手っ取り早いよね」
    五月の提案に七緒は頷く。
    煮込むのに多少は時間が掛かるが、天野家にある食材でできるものとなれば、カレーが一番早い。
    食べ盛りのものや体格のいいものばかりのため、ルーひと箱で済むかという不安もあるが、仕方がない。足りない場合は買い置きの冷凍コロッケでも出そう。
    七緒がそう考えていると、五月が米を取りにいくため台所から出ていく。

    すると、入れ替わり台所に入ってくるものの気配が。
    「姫、何か手伝いましょうか?」
    爽やかな笑みを浮かべながらそう話しかけてくる。
    なぜだか最近その笑みを見ていると胸が苦しくなるのを感じるが、七緒はあえて気がつかないフリをしている。
    たぶん、これは気がついてはいけない種類の感情だから。
    「あ、幸村さ 2299