つーさん
DONE武人と先生が中身だけ15年前に戻って皆のハピエン目指して頑張るタイムリープ軸におけるフレザムのお話。2人で買い出しに出かけたときのお話。まだザムザのメンタルが色々欠けてるぐらいの時期のやつ。巡る世界の氷炎と学士と人間の村(フレザム)「どうだ?変なところはないか?」
「ねーだろ」
「そうか。では、行ってくる」
「おー、行ってこい」
ひらひらと手を振る氷と炎の岩石魔人、フレイザードを残して、魔族の青年ザムザは村の入り口へ向けて歩を進めた。魔族であることが分からぬように人間に擬態して、である。
魔王と勇者が休戦協定を結んでから、早数年。世界はひどく穏やかに巡っていた。ザムザ達には何が理由で両者が和解したかは知らされていないが、最終決戦のあの日、魔王と勇者は唐突に無二の相棒へと変化した。
それは、彼らの内面が十五年後の未来から過去へ回帰したことにあるのだが、そのような理由を余人に伝えるわけにもいかず、知らされぬままだ。ただ、魔王ハドラーと勇者アバンが争い続ける意味など存在せず、地上を狙う別の敵との戦いを見据えるべきという結論だけを伝えられた。
7570「ねーだろ」
「そうか。では、行ってくる」
「おー、行ってこい」
ひらひらと手を振る氷と炎の岩石魔人、フレイザードを残して、魔族の青年ザムザは村の入り口へ向けて歩を進めた。魔族であることが分からぬように人間に擬態して、である。
魔王と勇者が休戦協定を結んでから、早数年。世界はひどく穏やかに巡っていた。ザムザ達には何が理由で両者が和解したかは知らされていないが、最終決戦のあの日、魔王と勇者は唐突に無二の相棒へと変化した。
それは、彼らの内面が十五年後の未来から過去へ回帰したことにあるのだが、そのような理由を余人に伝えるわけにもいかず、知らされぬままだ。ただ、魔王ハドラーと勇者アバンが争い続ける意味など存在せず、地上を狙う別の敵との戦いを見据えるべきという結論だけを伝えられた。
つーさん
DONEタイムリープ軸の世界設定みたいな感じ。ED後の武人と先生が15年前の決戦の瞬間へ中身だけが戻ってしまって、そこから最高のハピエンを掴むために頑張るという世界線です。
恋愛通り越して魂の半身レベルで互いへの絆がMAXになっているので、糖度は低いですがクソデカ感情てんこ盛りな感じです。多分。
巡る世界の魔王と勇者(ハドアバ)「私、かなり頑張ったと思うんですよ……」
満天の星空を見上げて呟いたのは、未だ成熟しきらぬ少年だった。少女と見まがう美しい容貌だが、その顔に浮かぶ表情は奇妙なまでに大人びていた。老成しているとも言える。
漆黒の空に輝く数多の星々を見つめる眼差しには、遠いどこかを眺めるような色があった。それと同時に、口にした言葉を示すようにどこかくたびれた風でもあった。
「そうだな」
そんな少年の呟きに同意したのは、低い男の声だった。重厚な響きを持って耳に届くその低音に相応しい体躯の男は、長いフード付きのローブに身を包んでおり顔の判別は難しい。ただ、立派な体格をしていることだけは見て取れた。
夜の闇に溶け込みそうな漆黒のローブ姿の男もまた、星空を眺めていた。静かに流れるこの時間を噛みしめているようにも見える。
4981満天の星空を見上げて呟いたのは、未だ成熟しきらぬ少年だった。少女と見まがう美しい容貌だが、その顔に浮かぶ表情は奇妙なまでに大人びていた。老成しているとも言える。
漆黒の空に輝く数多の星々を見つめる眼差しには、遠いどこかを眺めるような色があった。それと同時に、口にした言葉を示すようにどこかくたびれた風でもあった。
「そうだな」
そんな少年の呟きに同意したのは、低い男の声だった。重厚な響きを持って耳に届くその低音に相応しい体躯の男は、長いフード付きのローブに身を包んでおり顔の判別は難しい。ただ、立派な体格をしていることだけは見て取れた。
夜の闇に溶け込みそうな漆黒のローブ姿の男もまた、星空を眺めていた。静かに流れるこの時間を噛みしめているようにも見える。