菫青石は砕けない6 ガープに喧嘩腰のように告白をして、別離を告げた翌日。アガレスはいつもより早い時間に家を出て、自分で学校に来ていた。
これには勿論、理由がある。
アガレスはガープを信用していない。彼が空気を読めないのはよく知っているのだ。筋金入りとも言って良い。なので、いつもの時間に家にいれば、当たり前みたいに迎えに来る可能性を考えたのだ。
そして、家に閉じこもるよりは、学校で級友達と共に居る方がマシだと判断した。家に押しかけられて、二人きりで顔を合わせるのは気まずすぎる。
正直なところ、心情をぶちまけた結果、アガレスの心的強度は下がっているのだ。この状況で、無自覚に色々とこちらの心臓を射抜いてくるようなガープの言葉を聞く余力はない。
4755