last_of_QED
MOURNING私に罰を。【昔のこと】🦇🐺閣下執事以前人様に差し上げたものを書き直しました。
【昔のこと】 褒美をくれと従者は遠回しにそう言った。これまでの四百年、地獄の劣悪な労働環境に文句のひとつも漏らさずに付き従った男が直接的ではないにせよこのようなことを口にするのははじめてだった。突然どうしたのだと問えば狼男は自虐的に笑う。
「元々報酬次第で動く男ですよ、私は」
傭兵時代、高額の報酬で暴君ヴァルバトーゼの殺害を謀ったことを彼は暗に指し示した。
「と、言っても今の俺から渡せる褒美など──」
イワシ、は少なくとも正解ではなさそうだと恭しく傅く男を見て言い淀む。フェンリッヒは頭を下げたまま返事をしない。名を呼び、顔を上げるよう命令すれば何か眩しいものでも目にするようにこちらを仰ぎ見た。かつて月光の牙と呼ばれた男が今望むもの。それは報酬などではない。微かに揺らぐ琥珀色の瞳が求めるのは恐らく、許し。そしてその先に倒錯的な「罰」を期待していることも同時に悟る。
801「元々報酬次第で動く男ですよ、私は」
傭兵時代、高額の報酬で暴君ヴァルバトーゼの殺害を謀ったことを彼は暗に指し示した。
「と、言っても今の俺から渡せる褒美など──」
イワシ、は少なくとも正解ではなさそうだと恭しく傅く男を見て言い淀む。フェンリッヒは頭を下げたまま返事をしない。名を呼び、顔を上げるよう命令すれば何か眩しいものでも目にするようにこちらを仰ぎ見た。かつて月光の牙と呼ばれた男が今望むもの。それは報酬などではない。微かに揺らぐ琥珀色の瞳が求めるのは恐らく、許し。そしてその先に倒錯的な「罰」を期待していることも同時に悟る。
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DOODLE途中まで執事閣下のつもりで書いていましたが結局閣下執事になりました🐺🦇🐺左右があやしいので大丈夫そうな方だけどうぞ。※お酒を飲んだ後の二人の話。えっちな雰囲気ですがギリギリえっちはありません。理性で踏みとどまるリッヒは可愛いし、理性で攻め入るヴァル様もあざといよ。タスケテ…… 1206
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DONE⚠︎注意⚠︎R18 閣下執事 バイブ あやしい触手 首絞め要素があります
【春、呪いが解けゆくような】
足で雄を扱かれる。痛みだけではない何かが奥から込み上げてきて、もっと、と強請るような視線を送ってしまう。自分のものであるはずの感情が自分でコントロール出来ない。
どうしてこんなことになったのだったか。それは改めて自問するまでもない、俺が問いの答えを誤魔化したせいだ。
「次は俺の何を褒めそやすつもりだ?」
主人の冷たい声でまた絶頂を迎える。ちかちかと視界が白み、何も考えられなくなっていく。幾度目かも分からぬ吐精と共に、耳を塞ぎたくなるような自身の喘ぎ声も、制御出来ず漏れ出ていった。
◆
「フェンリッヒ、お前は俺をどう思っている」
地獄と言えど季節感というものはある。例えば今、執務室でアイテム整理をしているのも季の変わり目の風物詩と言えるだろう。防具としての効果はともかく、この時期にガウンなど暑苦しくてとても着られたものではない。倉庫室の薄手の防具と移し替えて……という衣替えとも言える作業をこなしている時のことだった。
7545足で雄を扱かれる。痛みだけではない何かが奥から込み上げてきて、もっと、と強請るような視線を送ってしまう。自分のものであるはずの感情が自分でコントロール出来ない。
どうしてこんなことになったのだったか。それは改めて自問するまでもない、俺が問いの答えを誤魔化したせいだ。
「次は俺の何を褒めそやすつもりだ?」
主人の冷たい声でまた絶頂を迎える。ちかちかと視界が白み、何も考えられなくなっていく。幾度目かも分からぬ吐精と共に、耳を塞ぎたくなるような自身の喘ぎ声も、制御出来ず漏れ出ていった。
◆
「フェンリッヒ、お前は俺をどう思っている」
地獄と言えど季節感というものはある。例えば今、執務室でアイテム整理をしているのも季の変わり目の風物詩と言えるだろう。防具としての効果はともかく、この時期にガウンなど暑苦しくてとても着られたものではない。倉庫室の薄手の防具と移し替えて……という衣替えとも言える作業をこなしている時のことだった。