suamapipipi
DONE小夜と恵一郎の話しその2です。小鳥遊夫妻の情報は前作「爪先に熱」にを読んでいただけると幸いです。(説明が面倒臭いとかそうゆう事ではない…ありますすみません)
赤い花に風ジワジワとセミがうるさい。縁側に掛けられた風鈴は1度か2度、音と取れるかどうかくらいの大きさで鳴っただけであとはだんまりだ。
「あっつ…」
思わず小夜の口から言葉が転げ出た。
梅雨が明けるかどうかの時期の突然のうだるような暑さに縁側の窓を全開にして大の字に寝そべる。滲み出る汗に目の上で切りそろえられた前髪が額に張り付く。背中の真ん中までの長い髪はバンズクリップでひとまとめにしたが、わずかに残された髪が首筋にまとわりついてしまい、しっくりとこない。
夫の恵一郎は買いたいものがあると出掛けてしまって小夜はひとり暇を持て余していた。少し家の事をしようかと思っていたがこの暑さだ、なかなかやる気も起きずにいた。特に外に出る予定も無かったので大きめのサイズのショートパンツに恵一郎の着古したTシャツといったラフな格好でいるので涼し気ではあるのだが、如何せん風がない。
3291「あっつ…」
思わず小夜の口から言葉が転げ出た。
梅雨が明けるかどうかの時期の突然のうだるような暑さに縁側の窓を全開にして大の字に寝そべる。滲み出る汗に目の上で切りそろえられた前髪が額に張り付く。背中の真ん中までの長い髪はバンズクリップでひとまとめにしたが、わずかに残された髪が首筋にまとわりついてしまい、しっくりとこない。
夫の恵一郎は買いたいものがあると出掛けてしまって小夜はひとり暇を持て余していた。少し家の事をしようかと思っていたがこの暑さだ、なかなかやる気も起きずにいた。特に外に出る予定も無かったので大きめのサイズのショートパンツに恵一郎の着古したTシャツといったラフな格好でいるので涼し気ではあるのだが、如何せん風がない。
suamapipipi
DONE爪切り題材です。小夜と恵一郎というキャラクターを作りました。
なんとなくお気に入りになりそうな2人なのでこそっとシリーズ化してこうかなとか思ってます。
少しでも色気を感じたら幸いです。
爪先に熱私達夫婦には秘密の楽しみがある。
小鳥遊 恵一郎(たかなし けいいちろう)と小夜(さよ)はとても仲睦まじい夫婦だ。
ただ、小夜が童顔である為にたまに兄妹と間違われる事もあった。
整った顔立ちに切れ長の目を持つ恵一郎は一見すると冷たくも見えるが、目尻をふにゃと曲げて笑う様は人の目をよく惹き付けた。
一方の小夜はと言えば、元々色素の薄い茶色い髪に黒目がちの目元。それを少しでも隠そうと前髪を目の上で揃えているが逆効果だ。背中の真ん中辺りまで伸びた髪が笑う時に傾げた小首と共に揺れるのを見るのが恵一郎は好きだった。
『兄妹ですか?』と言われる度にむくれる小夜を「そんな事ないよ」と言って恵一郎はよく抱き締めてくれた。目元まで伸びた黒髪がサラサラと流れ落ちてそこから透けて見える瞳が差し込んだ光で僅かにキラキラと光るそれを覗くのを小夜は密やかに楽しんでいる。
2655小鳥遊 恵一郎(たかなし けいいちろう)と小夜(さよ)はとても仲睦まじい夫婦だ。
ただ、小夜が童顔である為にたまに兄妹と間違われる事もあった。
整った顔立ちに切れ長の目を持つ恵一郎は一見すると冷たくも見えるが、目尻をふにゃと曲げて笑う様は人の目をよく惹き付けた。
一方の小夜はと言えば、元々色素の薄い茶色い髪に黒目がちの目元。それを少しでも隠そうと前髪を目の上で揃えているが逆効果だ。背中の真ん中辺りまで伸びた髪が笑う時に傾げた小首と共に揺れるのを見るのが恵一郎は好きだった。
『兄妹ですか?』と言われる度にむくれる小夜を「そんな事ないよ」と言って恵一郎はよく抱き締めてくれた。目元まで伸びた黒髪がサラサラと流れ落ちてそこから透けて見える瞳が差し込んだ光で僅かにキラキラと光るそれを覗くのを小夜は密やかに楽しんでいる。