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    suamapipipi

    @suamapipipi

    公式のCPが好きです
    オリジナルも書きます
    気の向くままに妄想したものを書きます
    ちょっとアレな内容なのでこちらにポイっ!!

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    suamapipipi

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    爪切り題材です。
    小夜と恵一郎というキャラクターを作りました。
    なんとなくお気に入りになりそうな2人なのでこそっとシリーズ化してこうかなとか思ってます。
    少しでも色気を感じたら幸いです。

    #NL
    #小夜と恵一郎
    sayaAndKeiichiro
    #オリジナル
    original

    爪先に熱私達夫婦には秘密の楽しみがある。

    小鳥遊 恵一郎(たかなし けいいちろう)と小夜(さよ)はとても仲睦まじい夫婦だ。
    ただ、小夜が童顔である為にたまに兄妹と間違われる事もあった。
    整った顔立ちに切れ長の目を持つ恵一郎は一見すると冷たくも見えるが、目尻をふにゃと曲げて笑う様は人の目をよく惹き付けた。
    一方の小夜はと言えば、元々色素の薄い茶色い髪に黒目がちの目元。それを少しでも隠そうと前髪を目の上で揃えているが逆効果だ。背中の真ん中辺りまで伸びた髪が笑う時に傾げた小首と共に揺れるのを見るのが恵一郎は好きだった。
    『兄妹ですか?』と言われる度にむくれる小夜を「そんな事ないよ」と言って恵一郎はよく抱き締めてくれた。目元まで伸びた黒髪がサラサラと流れ落ちてそこから透けて見える瞳が差し込んだ光で僅かにキラキラと光るそれを覗くのを小夜は密やかに楽しんでいる。

    「けいくん、お風呂あがったよー。」
    ドライヤーで乾かしたてのまだ熱の籠る髪に手櫛を施しながら廊下を歩く。田舎の少し古びた一軒家は小夜の小柄な体の重みさえ捉えて軽く軋んだ音を立てる。住み心地には少々不満はあるものの、生活する上では差程困らないし価格からいったら十分な位の家だ。
    縁側の方に回るとそこには静かに空を見つめる恵一郎が月明かりに照らされ、手に握られている小さな物が僅かに光を反射する。
    ときりと心臓が僅かに跳ねる。
    「小夜、待ってたよ。おいで。」
    小夜に気付いた恵一郎は目尻を下げてふにゃりと笑うと手招いて、側まで来ると優しく抱擁した。恵一郎の匂いが小夜の鼻腔をくすぐる。
    「さぁ、座って。」
    恵一郎は体をゆっくりと離すと小夜の腰の辺りにそっと手を添えて和室の中にある1人がけのゆったりとしたソファに座るように促す。
    「爪切り、しようか。」
    恵一郎の目が僅かばかり細められてその目に鈍い光が灯る。先程よりも大きく心臓が跳ねる。
    この関係が始まったのは小夜が高熱を出して寝込んでからだ。元々それ程体が強くなく、熱を出して寝込むのはままあることであったが、その時は特に酷く体を起こすのも辛かった。そんな小夜を見兼ねて恵一郎が爪を切ってくれたのが最初だった。その後も何かに付けて爪切りを申し出てくれたのだが、小夜も汚いし何より恥ずかしいから嫌だと断っていたがその度に捨てられた子犬の様にしょんぼりと落ち込む様に遂には根負けして今では当たり前のように爪を切られている。初めこそ恥ずかしさとむず痒さしか感じなかったものの、今はそれとはまた別の感覚も確かに感じていた。
    恵一郎の促しに応じてソファに腰掛けると傍らに置いてあった薄茶色のブランケットを膝に掛けてくれる。ワンピースタイプのパジャマをまとった小夜への配慮が心地よい。
    恵一郎はソファの座面に脇腹をもたれかける様にして床に片膝を着いて座ると小夜を見上げて「ん。」と立てた方の膝をぽんぽんと叩く。
    もうすでに少しだけ上がった脈拍を感じながらおずおずと右足をその膝の上に乗せる。足の裏からじんわりと恵一郎の熱が広がるのを感じる。
    恵一郎は膝の上に乗せられた足に視線を落とすと左手で小夜の足を触る。恵一郎の親指が小夜の足の親指の骨をすぅーっとなぞって爪の付け根までたどり着くと裏側から他の指で挟まれて固定される。足の指先に冷たい刃が当たり、ぴくりと僅かに小夜が跳ねる。恵一郎はクスリと意地の悪い笑みを零してから爪切りを持った手に力を込める。爪切りからキキキキ…と金属の軋む音がして刃が爪に食い込み、やがて薪が弾ける様な軽い音を立てて爪が落ちた。厚みのある爪が弾けて足の指先が甘やかに痺れる。また爪切りの口を開けると少し横にずれて刃が閉じる。リズムよく弾ける音が部屋に響く。何度か少し離れては触れるを繰り返すうちに刃が小夜の体温に近づく。馴染んだかと思えばそれは離れてゆき、恵一郎は横にあるサイドテーブルの上に用意された紙の上にパラパラと刻まれた爪を吐き出させた。親指を切り終わった恵一郎の指が小夜の足の人差し指を両側から挟みこもうと指の間にねじ込まれる。くすぐったさと共にまたそれとは違ったジワジワとした熱が足先に生まれる。冷たくなった刃先はまた足の指先にひたりと当てられ小夜の足先の体温を少し奪っていく。1ミリ程の白い縁を残して甘やかな痺れは続く。あと少しでも刃が奥に当たったらと思うと小夜は酷くゾクリとしたがそれもまた心地良かった。恵一郎は絶対に小夜の痛がる事はしない、そうは思っていても手元が狂って薄い肉を噛みちぎるのかもしれない。そのせめぎあいが爪を切るその一瞬一瞬で都度訪れる感覚に小夜はひとりおかしな興奮を重ねる。
    「はい、反対の足にしてくれる?」
    ーーーまだ片足なのか…。
    小夜は心の中で独りごちてふぅと息を吐く。全ての指の爪が綺麗に切りそろえられた右足を下ろし、左の足を膝の上に乗せる。右足からじわじわと広がった熱は小夜の左足も熱くし、今度は小夜の足から恵一郎の膝に熱を伝える番だった。熱い足の裏を感じて恵一郎は優越感に浸り、恥ずかしいのか耐えているのか目を逸らす小夜の緩く震える目尻をうっとりと見つめた。
    また恵一郎は恵一郎で小夜の痛がる事は絶対にしないと誓いながらも心の奥底でもしこの刃が指先を切り裂いてしまった時小夜はどんな顔をするのだろうと期待してしまう自分を感じていた。安心して身を委ねてくれていると分かっているし絶対に小夜を傷付ける様な事はしない。だがその『絶対』があるが為にそんな事を想像しては恵一郎の中にゾクリとした言い知れぬ熱情が沸き起こるのだ。
    弾かれる爪。早鐘を打ち始める鼓動。体を渦巻く熱。
    全てがない混ぜになりやがてとぐろをまく。
    「さ、終わったよ。」
    全ての爪が綺麗になる頃には小夜も恵一郎も己の欲を隠しきれない。互いにその熱も知っている。仕掛けるように恵一郎がそっと小夜のふくらはぎを撫でると小夜の小柄な体がビクリと跳ねる。手はさら滑っていき踵までたどり着くとそっと小夜の足を持ち上げ、そこに熱い恵一郎の唇が落ちてくる。
    「け…っいちろっ…!!」
    小夜の唇から上擦った声が漏れるのを恵一郎は満足そうに聞き取りわざとちっ…と小さな音を立てて離れる。
    「おいで、小夜」
    恵一郎は口の端を上げて笑むと切れ長の目をきゅうっと細めて小夜に手を差し伸べる。恵一郎の欲の篭もる目を見つめながら小夜はそっと差し伸べられた手に手を重ねる。
    月明かりの届かぬ闇に影が溶けていく。
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