6月の福音それはもう何年も前の記憶…陸では紫陽花が咲き乱れ、薄暗く重い色をした雲が天空を支配する日々の中に訪れた梅雨晴れの日。
真っ白なウェディングドレスと華やかなヴェールを纏った花嫁と真っ白なタキシードを来た一組のカップルが海辺にある教会で結婚式を上げていた。
賑やかで華やかなその様子を好奇心が旺盛な3人組の人魚が、それはとても興味深そうに眺めていたのだ。
それが陸でいうところの番の契約である事を知ったのは訓練学校で陸の基礎知識を学んで居た時であり、アズールはそんな日の事をスマホの画面に映っている日付を見ながら思い出していた。
「六月はジューンブライドという言葉があるので、何かラウンジのイベント事に使えるのではないかと思ったのですが…男子校の僕達には無縁でしょうね。」
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