学パロ本のドとダの出会いシーンの一部 かなり独特にがさついているのに、聞き苦しさなんて全くなかった。むしろ、もっともっと聴いていたくなるような——。
と、日本語で何らかのリリックを歌っていた彼の言語が不意に切り替わった。
「英語……」
Call, Raise, Never fold——
高校生にはそぐわない単語の羅列だ。けれど、そんなことどうでもよくなるくらいに、ただひたすらにかっこいい発音だった。
ネイティブ的な流暢さがあるわけではないが、勢いのある子音や力強い母音の響きが強烈に心を鷲掴む。キングスイングリッシュすら凌駕するほどのカリスマ性が、そのほんの数単語から伝わってきた。
誰だ。こんなに光り輝く発音、今までに一度だって聴いたことがない。
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