第17回悠五版ワンドロワンライ「虹」 窓に叩きつけるような雨音で虎杖は目を覚ました。
「うーわ、外すごい雨……っと」
見て先生、と声をかけようとして振り返ると、五条はくったりとベッドに突伏して寝てしまっていた。
そうだったと先程の行為で気を失った五条の目元に残った涙や額の汗をタオルで拭って、やわらかな髪を指先ですこし遊びながら、その寝顔をしばらく堪能する。ピクリとまつ毛が動いて、ゆっくり目を開けた。
「悠仁、虹を見に行こう」
「へ」
「夕立でしょ? きっと虹が出るよ」
いたずらっぽく笑いながら、ほらほらと急き立てるようにベッドから離脱するよう虎杖を追い立てる。
虹の出る場所なんてわかるものだろうか。虎杖は疑問に思いつつも「それはいいけど」と賛成して、わずかに言いよどんだ後、年上の恋人にひとつお願いをしてみることにした。
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