美味しい炒飯の作り方カフェ、それは悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、愛のように甘い
ーータレーラン
1.
「たまごサンドあがったよ!」
「炒飯おまちどう!」
カウンターに次々と美味しそうな料理の皿が並んでいく。厨房で調理しつつ自ら給仕も務めているのは、人好きのする笑顔と栗色の大きな瞳が印象的な青年、ポップだ。
黄色いバンダナに、明るい緑のエプロンがよく似合っている。先月アルバイトで入ったばかりだが、早くもこの店の看板といった雰囲気を醸し出している。
その横で、シックな色のビブエプロンに身を包んだ寡黙な店主が、黙々と珈琲を淹れていた。
こちらは終始落ち着いていて、発する言葉と言えば「いらっしゃいませ」「ご注文は…」「ブレンドお待たせしました」くらいのものだ。
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