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    書き出しとか設定とか落書き的なものメイン。あと没原稿の供養所。あくまで自分用メモ。

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    お題メーカーで ss書いてみた件。
    「ある春の日に」
    「心底憎いといった表情で」
    「死んでしまいたいと思った」
    3つのテーマから生前柚木になりました。不穏。(需要ないのは知ってる!)

    #生前柚木
    teakDuringLife
    #柚木兄弟
    teakwoodBrothers

    ハルノヒそれはかもめ学園中等部の入学式でのことだ。桜が舞い散る中、俺とつかさは校門の前に並び記念写真を撮られていた。ぎこちない笑顔を作る俺の横で終始ニヤニヤするつかさ、友人から借りてきたという二眼レフカメラを手に俺たち兄弟に笑顔を要求する父、そしてその隣に俺たち三人の様子を微笑みながら見つめる母。
    今思えば、それが俺たち家族の幸せの絶頂期であったように思う。
    それからすぐ後だ。母は閉鎖病棟へと隔離され、父は俺たち兄弟から距離をとるように家に寄り付かなくなった。母をそこまで追い詰めたのがなんなのか、ハッキリとした理由は分からない。父は父で目の前で最愛の人の狂っていく様を見ていくのは辛かったんだと思う。家族の間に流れる不穏な空気を直視出来ずにいた。そのうち、原因を俺とつかさに見出したのか、俺たちのことを心底憎いといった表情で見るようになった。
    学校から帰るとだだっ広い家の中には俺たちふたりだけ。何が不満なのかつかさは俺に暴力を振るうようになった。俺はそれを黙って受け止める。俺は俺でつかさに負い目があって、そうするしかなかったからだ。
    「あまね、おれのことすき?」
    四歳の誕生日に突然つかさにそう聞かれた。
    「……あったりまえじゃん!」
    即答できなかった。すぐにでも「おれもすき」だと返すべきだったのだろうが、その《すき》という言葉が出てこなかったのだ。正直なところ俺はつかさに嫉妬していたんだと思う。
    当時病弱だった俺は、家から出られずいつも病床に伏していた。外を自由に走り回るつかさが羨ましかった。なのにいつもおれに構うつかさが少し鬱陶しかった。
    いつか病気が治ったら、この家を出てどこへでも自由に行けるように……その場所は海外、いや、それよりももっと遠くへ──。それは例えば宇宙とか。宇宙に行けたら俺にまつわる全てのしがらみから解放される……そんな気がしていた。
    つかさは笑顔で俺を殴る。何がアイツをそう駆り立てるのかは分からない。幼い頃一緒に遊んでいたつかさとはもう別人に思えた。母だってそうだ。幼い頃優しかった面影は今はもうない。そして父だって……。
    つかさに殴られながら全ての原因は俺にあるような気がしていた。俺さえ生きていなければ……あのとき、病気が治らずそのまま死んでいれば……父と母とつかさとで、幸せな家庭を築いていたのかもしれない。
    だから、俺が死んだところで本来の世界が戻るだけだ。たぶんそれがいちばん正しい。
    つかさに殴られながら、心の底からこのまま死んでしまいたいと思った。

    ねえ、つかさ、今度もまた、叶えてくれる?

    それが今いちばんの俺の願いだ。

    «了»
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    MEMO特典色紙のハムスターのあまねね。書き出しはこんな感じ。これが後にR-18になるんだからビックリだね(^ω^)ニコニコ
    あまねくんのとっとこハムスター観察日記○月✕日
    今日は新学期の係を決めました。おれは生き物係でクラスメイトの蒼井くんといっしょにハムスターを育てることになりました。さっそくペットショップへ行って、ハムスターとハムスターを入れるゲージとハムスターに食べさせるエサとハムスターのお世話をするための道具を買いました。ハムスターは金色のとピンクのと、茶色のと黒いのと、とにかくいっぱいいます。その中から一匹だけ家に持ち帰りました。耳がコロンとしてておめめが大きいメスのハムスターです。とってもかわいいです。名前を何にしようか考えてたらハムスターが「ネネッネネッ、ネネーッ」と鳴くのでネネにしました。これから仲良くしてね。

    ***

    帰りのホームルームが終わって、教室中がざわめく中、おれは係で決まったハムスターを買いに行くために素早く帰り支度を始める。ふと斜め前の席に座る蒼井茜を見ると、彼もまた帰り支度をしていた。さっきの学級会でクラスでハムスターを飼うことに決まったというのに、向こうからなんのリアクションもない。仕方がないからおれからアクションを起こす。
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