当たり前の恋人 「月島はいつ私がこの仕事してるって知ったんだ?すぐ私だってわかったのか?」
付き合いはじめて、二人でようやくのんびりした時間がとれたある日。月島の部屋で座椅子に座った月島の足の間に抱き込まれるように座りながらテレビを眺めて。たまたま私が映画の宣伝用に出たバラエティの予告が流れたので聞いてみた。
月島に見つけてもらうために芸能界に入った私だが、無事出会えた今となっては特にこの仕事に執着はないはずだった。しかし綺麗な写真で雑誌に載ったり、テレビに出たりすると、それを見た月島が誉めてくれるし、何より仕事が楽しくなってきてもいるので当面は女優もいいなと思っている。仕事を選ぶほどまだ大物ではないが、月島がいつ頃から私の仕事を見ていて、今後どんな私を見たいと思ってくれるのかを聞いてみたかったのだ。
1915